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10・フランとカイルの関係
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どれだけ歩いたのだろう。
途中、何度か休憩を挟み、暗がりの道を只管歩いてきた。
「この洞窟どこに繋がってるの?」
「ガートラント王国の山らしいよ」
「嘘……凄くないか?さっきの何の変哲も無い食堂の地下道からだよ?誰だよ掘ったの」
「昔からあるらしい」
スーチェはコーサットの問いに答えると、次ににナッシュの質問に答える。
「なぁ、他国の俺にこんな道教えて大丈夫なのか?王に言ったら一発で国際問題だぞ」
「大丈夫。聞いたところによると既に知っているらしい。何なら本人が使っていたと聞いた」
「はぁー?」
ナッシュは驚いた後、溜息を吐く。
「この洞窟内は、火を焚いても大丈夫なのな。空気の通う穴が、上手く開けられてるのか?」
「それは、昼間通れば外の明かりが入ってわかるかも知れないね」
「洞窟内なら夜に行動しなくても大丈夫だったんじゃない?」
「そうなんだけど……父上が手配したから詳しくはわからないんだ」
クルスは、六人が去った後の食堂の事は何もスーチェに話さなかった。
「おっ、何か見えてきた。あそこかな?」
「やっとか……」
視界前方が行き止まり、扉のような物がみえてくる。
フランが扉をそっと開けて外を覗くと、そこは山小屋のようだった。静かに扉を開け外に出る。小屋の内と外に異常が無いか確認してから仲間を呼んだ。
「一応大きな声を出さないで。今まだ夜だから暗くて外の様子がわからない。取り敢えず寝るのには困らなそうだ」
「ああ、もう疲れたから、荷物を降ろして横になれれば何でも良いよ」
疲れ切った顔のコーサットが、フランに返答する。
取り敢えず、六人は一人ずつ室内に入り、各々荷物を肩から降ろした。
「見張りはどうする?もうコーサット寝てるんだけど。あっ、ナッシュはなるべく休んで。まだ全快してないから」
スーチェがナッシュを気遣い、フランが提案する。
「俺、もう少し起きてるよ。みんな寝て良いよ。どうせ灯が無ければ、敵は仕掛けて来れないし。灯が見えたらみんなを起こすよ」
「じゃあ、フラン頼む。明け方は俺が代わるから起こしてくれ」
「わかった」
明け方の見張りは、カイルがする事に決まり、各々支度をして眠りにつく。五人の様子を横目に見て、フランは、近くにあった椅子に腰掛け、静かに窓の外を眺める。
周囲は大木に囲まれてはいるが、木々の隙間から月明かりが漏れている。五感を研ぎ澄ませ、周囲の気配を探る。
時々寝ている者達に視線を移し、何事も無ければ再び外を窺っていた。
明け方フランは、寝ているカイルの額に汗が滲んでいる事に気が付いた。熱があると言うわけでは無さそうだ。
少しでも多く寝かせてやりたかったのだが、仕方なくカイルに声をかける
「カイル、カイル、どうした?大丈夫か?」
「うう……ん……ハッ……ああ、すまん」
「うなされてたみたいだから、声かけたんだけど、大丈夫か?」
「ああ、変な夢見たから……もう、大丈夫だ。ちょうど明け方か?見張り代わるわ」
「無理すんなよ?なんかあったらすぐ起こして構わないから」
「ああ、わかった」
フランはカイルと見張りを代わって眠りについた。
カイルはチラリとフランを見た後、フーッと大きく息を吐く。
「本当、嫌な夢」
カイルは夢を憶えていた。旅に出る前に現実にあった事だから。
カイルの父は王弟だ。だから、皇太子であるミルコとは従兄弟として、小さな頃からほぼ一緒にいる。勉強も遊びも剣を習うのも一緒だった。ある時、ミルコがフランを連れてきた。王宮の庭師の息子なのだが、ミルコが国王に頼んで側近にしてもらったと言う。
フランは見かけない武器を使う奴だった。
初めてあった時、幾らミルコの頼みとは言え、国王が認めた側近として、どれだけ使えるのか興味がわいて、不意打ちで仕掛けてみた。
フランは、直ぐに反応した。俺は立場上、相手に本気で手合わせしてもらえる事が少ない。だが、フランは違った。本気で闘えた。面白かった。それからは、いつも三人一緒だった。フランには普段の敬語はいらないと言って、思った事は遠慮なく言えと言った。
それなのに……
旅に出る前に父上に呼ばれた。話は一つ。
『フランを排除しろ』俺に出来る訳がない。
途中、何度か休憩を挟み、暗がりの道を只管歩いてきた。
「この洞窟どこに繋がってるの?」
「ガートラント王国の山らしいよ」
「嘘……凄くないか?さっきの何の変哲も無い食堂の地下道からだよ?誰だよ掘ったの」
「昔からあるらしい」
スーチェはコーサットの問いに答えると、次ににナッシュの質問に答える。
「なぁ、他国の俺にこんな道教えて大丈夫なのか?王に言ったら一発で国際問題だぞ」
「大丈夫。聞いたところによると既に知っているらしい。何なら本人が使っていたと聞いた」
「はぁー?」
ナッシュは驚いた後、溜息を吐く。
「この洞窟内は、火を焚いても大丈夫なのな。空気の通う穴が、上手く開けられてるのか?」
「それは、昼間通れば外の明かりが入ってわかるかも知れないね」
「洞窟内なら夜に行動しなくても大丈夫だったんじゃない?」
「そうなんだけど……父上が手配したから詳しくはわからないんだ」
クルスは、六人が去った後の食堂の事は何もスーチェに話さなかった。
「おっ、何か見えてきた。あそこかな?」
「やっとか……」
視界前方が行き止まり、扉のような物がみえてくる。
フランが扉をそっと開けて外を覗くと、そこは山小屋のようだった。静かに扉を開け外に出る。小屋の内と外に異常が無いか確認してから仲間を呼んだ。
「一応大きな声を出さないで。今まだ夜だから暗くて外の様子がわからない。取り敢えず寝るのには困らなそうだ」
「ああ、もう疲れたから、荷物を降ろして横になれれば何でも良いよ」
疲れ切った顔のコーサットが、フランに返答する。
取り敢えず、六人は一人ずつ室内に入り、各々荷物を肩から降ろした。
「見張りはどうする?もうコーサット寝てるんだけど。あっ、ナッシュはなるべく休んで。まだ全快してないから」
スーチェがナッシュを気遣い、フランが提案する。
「俺、もう少し起きてるよ。みんな寝て良いよ。どうせ灯が無ければ、敵は仕掛けて来れないし。灯が見えたらみんなを起こすよ」
「じゃあ、フラン頼む。明け方は俺が代わるから起こしてくれ」
「わかった」
明け方の見張りは、カイルがする事に決まり、各々支度をして眠りにつく。五人の様子を横目に見て、フランは、近くにあった椅子に腰掛け、静かに窓の外を眺める。
周囲は大木に囲まれてはいるが、木々の隙間から月明かりが漏れている。五感を研ぎ澄ませ、周囲の気配を探る。
時々寝ている者達に視線を移し、何事も無ければ再び外を窺っていた。
明け方フランは、寝ているカイルの額に汗が滲んでいる事に気が付いた。熱があると言うわけでは無さそうだ。
少しでも多く寝かせてやりたかったのだが、仕方なくカイルに声をかける
「カイル、カイル、どうした?大丈夫か?」
「うう……ん……ハッ……ああ、すまん」
「うなされてたみたいだから、声かけたんだけど、大丈夫か?」
「ああ、変な夢見たから……もう、大丈夫だ。ちょうど明け方か?見張り代わるわ」
「無理すんなよ?なんかあったらすぐ起こして構わないから」
「ああ、わかった」
フランはカイルと見張りを代わって眠りについた。
カイルはチラリとフランを見た後、フーッと大きく息を吐く。
「本当、嫌な夢」
カイルは夢を憶えていた。旅に出る前に現実にあった事だから。
カイルの父は王弟だ。だから、皇太子であるミルコとは従兄弟として、小さな頃からほぼ一緒にいる。勉強も遊びも剣を習うのも一緒だった。ある時、ミルコがフランを連れてきた。王宮の庭師の息子なのだが、ミルコが国王に頼んで側近にしてもらったと言う。
フランは見かけない武器を使う奴だった。
初めてあった時、幾らミルコの頼みとは言え、国王が認めた側近として、どれだけ使えるのか興味がわいて、不意打ちで仕掛けてみた。
フランは、直ぐに反応した。俺は立場上、相手に本気で手合わせしてもらえる事が少ない。だが、フランは違った。本気で闘えた。面白かった。それからは、いつも三人一緒だった。フランには普段の敬語はいらないと言って、思った事は遠慮なく言えと言った。
それなのに……
旅に出る前に父上に呼ばれた。話は一つ。
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