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13・予想外の力
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フランが皆のもとに戻ると、スーチェとミルコが駆け寄って来た。
「フラン、カイルは?会えなかったの?」
「いや、会えなかったと言うか……連れ去られたと言うか……」
「「連れ去られたぁ!?」」
「ああ、違う。ちょっと二人共落ち着いて?最初から話す。取り敢えず、コーサットとナッシュの様子は?」
「小屋の中で寝かせてるよ。コーサットは無理かもしれないけど、ナッシュは一緒に話を聞いた方が良いかも知れないね」
三人は小屋に入り、寝ていたナッシュを起こす。
カイルの事で話があると言うと、ナッシュは急いで起き上がり、姿勢を正した。
「俺が河原に着いた時には、正直、カイルはかなり酷くやられていた。だけど、ナッシュが言っていた近衛兵は、気絶していたのか、既に倒れていた。カイルの側には、弓を持った少女とフェンリルらしき獣がいて、その二人が、カイルの命を救うと言って何処かへ連れて行った」
「じゃあ、カイルは生きてるんだよね?」
「今のところは。それから、少女は俺達の事を知っていて、スーチェに『これからは木々達が案内する』と伝えてくれと。だから皆『スーチェの側を離れないように』と」
「そうか!!弓を持ってる少女……その子が武器と宝玉に選ばれた子って事やな。目的地が一緒なら、ただ進むのみ!!」
「「「「……コーサット?」」」」
「なんや、皆して狐につままれたような顔して」
「コーサット大丈夫なのか?」
「見てわからんか?」
コーサットは体を動かして見せる。
「滅茶苦茶苦い薬を飲まされたお陰で、一気に毒が出た感じ?なんか妙にすっきりしてるわ」
「まぁ、でも熱は一時的に下がってるだけかもしれないから、今日はゆっくり休んで」
「まぁね、そうさせてもらうわ」
コーサットは、皆の呆れたような視線を受けて再び横になる。
「ところでスーチェ、木々達が道案内ってどういう事?」
「さあ?森には何度も入ってるけど、それらしき事をされたことは無いな」
「じゃあ、特別何かをするってわけじゃないのか。不思議な話だね。そうか……そうなると…いつ出発する?カイルの事も気になるけど、コーサットの体調もまだまだ心配だな。今後、敵が何人でどんな攻撃を仕掛けてくるかわからないし……」
ミルコがこれからの問題点をあげる。しかしそれより、フランには気になる事があった。
「ちょっと…調べてみたい事があるんだけど」
「調べてみたい事?」
「うん、スーチェ、ちょっと一緒に来て」
「あっ、うん」
フランが、小屋の外の木が密集している場所へ、スーチェを連れてきた。
「さて、スーチェどこへ行きたい?」
「どこって…?」
「うーん、川辺とか岩場とか景色の良い場所とか?」
「じゃあ、川辺が良いかな」
(ザワザワサワサワ……グワン……)
「「……ひっ!?……」」
「ね、ねぇ、フラン?今、何かあった?」
「……フッ…フハハハ…あったよ、あった。夢じゃない。木が……木が動いた。二つに割れた。道が無い所に道が出来た。すっごいねぇ」
呆然とするスーチェに対し、フランは笑い転げている。
「これならきっと行けるんじゃない?」
少し落ち着いてから、フランがスーチェに問い掛ける。
「う、うん。でも、刺激強くてちょっと……今夜は寝付けないかも」
次の日早朝、スーチェがコーサットを診察する。
「うーん……」
「なんや、駄目なんか?」
「いや、駄目じゃない。けど」
「けど?」
「こんなに早く回復するはず無いんだよ」
「だから?」
「どこかで急に動けなくなるかも知れない」
「……でも、今は元気や。寧ろ元気なうちに、少しでも進んどいた方が良いんじゃないの?」
「それもそうなんだけど……」
スーチェは、自身の周りで立て続けに起こっている、不思議な出来事に戸惑っていた。
出来ない事にはコツコツと努力し、新しい知識を自ら学ぶ事も苦には思わないが、予測の出来ない事で自分のペースを狂わされる事には、慣れていない。
「スーチェ、行こう。皆でフォローする。カイルの事も心配だ。止まっていたら敵に余裕を与える事にもなる。早い方が良い気がする」
周囲を見回っていたフランが、小屋に帰ってきてスーチェに告げた。
「……わかった。出発しよう」
フランの言葉でスーチェは覚悟を決めた。何れにしても進むしか無いのだ。
「フラン、カイルは?会えなかったの?」
「いや、会えなかったと言うか……連れ去られたと言うか……」
「「連れ去られたぁ!?」」
「ああ、違う。ちょっと二人共落ち着いて?最初から話す。取り敢えず、コーサットとナッシュの様子は?」
「小屋の中で寝かせてるよ。コーサットは無理かもしれないけど、ナッシュは一緒に話を聞いた方が良いかも知れないね」
三人は小屋に入り、寝ていたナッシュを起こす。
カイルの事で話があると言うと、ナッシュは急いで起き上がり、姿勢を正した。
「俺が河原に着いた時には、正直、カイルはかなり酷くやられていた。だけど、ナッシュが言っていた近衛兵は、気絶していたのか、既に倒れていた。カイルの側には、弓を持った少女とフェンリルらしき獣がいて、その二人が、カイルの命を救うと言って何処かへ連れて行った」
「じゃあ、カイルは生きてるんだよね?」
「今のところは。それから、少女は俺達の事を知っていて、スーチェに『これからは木々達が案内する』と伝えてくれと。だから皆『スーチェの側を離れないように』と」
「そうか!!弓を持ってる少女……その子が武器と宝玉に選ばれた子って事やな。目的地が一緒なら、ただ進むのみ!!」
「「「「……コーサット?」」」」
「なんや、皆して狐につままれたような顔して」
「コーサット大丈夫なのか?」
「見てわからんか?」
コーサットは体を動かして見せる。
「滅茶苦茶苦い薬を飲まされたお陰で、一気に毒が出た感じ?なんか妙にすっきりしてるわ」
「まぁ、でも熱は一時的に下がってるだけかもしれないから、今日はゆっくり休んで」
「まぁね、そうさせてもらうわ」
コーサットは、皆の呆れたような視線を受けて再び横になる。
「ところでスーチェ、木々達が道案内ってどういう事?」
「さあ?森には何度も入ってるけど、それらしき事をされたことは無いな」
「じゃあ、特別何かをするってわけじゃないのか。不思議な話だね。そうか……そうなると…いつ出発する?カイルの事も気になるけど、コーサットの体調もまだまだ心配だな。今後、敵が何人でどんな攻撃を仕掛けてくるかわからないし……」
ミルコがこれからの問題点をあげる。しかしそれより、フランには気になる事があった。
「ちょっと…調べてみたい事があるんだけど」
「調べてみたい事?」
「うん、スーチェ、ちょっと一緒に来て」
「あっ、うん」
フランが、小屋の外の木が密集している場所へ、スーチェを連れてきた。
「さて、スーチェどこへ行きたい?」
「どこって…?」
「うーん、川辺とか岩場とか景色の良い場所とか?」
「じゃあ、川辺が良いかな」
(ザワザワサワサワ……グワン……)
「「……ひっ!?……」」
「ね、ねぇ、フラン?今、何かあった?」
「……フッ…フハハハ…あったよ、あった。夢じゃない。木が……木が動いた。二つに割れた。道が無い所に道が出来た。すっごいねぇ」
呆然とするスーチェに対し、フランは笑い転げている。
「これならきっと行けるんじゃない?」
少し落ち着いてから、フランがスーチェに問い掛ける。
「う、うん。でも、刺激強くてちょっと……今夜は寝付けないかも」
次の日早朝、スーチェがコーサットを診察する。
「うーん……」
「なんや、駄目なんか?」
「いや、駄目じゃない。けど」
「けど?」
「こんなに早く回復するはず無いんだよ」
「だから?」
「どこかで急に動けなくなるかも知れない」
「……でも、今は元気や。寧ろ元気なうちに、少しでも進んどいた方が良いんじゃないの?」
「それもそうなんだけど……」
スーチェは、自身の周りで立て続けに起こっている、不思議な出来事に戸惑っていた。
出来ない事にはコツコツと努力し、新しい知識を自ら学ぶ事も苦には思わないが、予測の出来ない事で自分のペースを狂わされる事には、慣れていない。
「スーチェ、行こう。皆でフォローする。カイルの事も心配だ。止まっていたら敵に余裕を与える事にもなる。早い方が良い気がする」
周囲を見回っていたフランが、小屋に帰ってきてスーチェに告げた。
「……わかった。出発しよう」
フランの言葉でスーチェは覚悟を決めた。何れにしても進むしか無いのだ。
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