彩雲

八茶蔦

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彩雲

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微かな灯火が暗闇を照らし、部屋の様子がかろうじて分かる。少し離れて二人の女が向かい合っていて、片方は青いリボンを、もう片方は赤いリボンを、それぞれ首元に着けている。リボン以外に体を覆うものはない。

見つめ合う女達の表情は柔らかく、微笑んでいるようにも眠気を覚えているようにも見える。全身も同じように強張っている箇所はなく、頭の先から足の指先に至るまで弛緩している。

青いリボンの女は自らの手の甲に口付けをする。唇の間から舌をこぼし、口を当てたまま片手を滑らせる。自ずと口内から流れる涎の跡が肘へ向かって伸びてゆく。

赤いリボンの女は自らの手首の内側に唇を宛がう。舌を手首に押し当てて、上方へと片手を滑らせる。腕にへばりつく涎は帯のような軌道を描いてゆく。

「「うふふふ......」」

暗闇の中を漂うような声を発する二人。
部屋に点在する灯火のごとく弛んだ体を揺らして近付く。

相手の顔が目の前に来ても女達は歩みを止めない。まるでお互いの体の境界線を無視するように密着する。前方に張り出した胸が歪む。骨盤の中央に位置する女の証が接吻をする。

柔らかい異物感を全身で受け止めながら、脱力した腕を目の前の女の体に巻き付ける。先程腕に付いた涎が相手の女の背中にも付く。自らの腕を舐めたのは予告だったということなのか、お互い唇を寄せ、さらにその隙間から舌を伸ばして相対する女の口内をついばむ。

「「んむぅぅ......んはっ、んれぇ......」」

自分の舌を突き刺すようにねじ込み、相手の口内を隅々まで舐め回す。唇と唇を弾ませているうちに、口の端からは涎がこぼれ、粘膜と粘膜の吸着する音が漏れ出る。

しばらくの間涎の応酬を楽しんだ二人は、キスを中断し異物の発する熱を味わう。

「はぁぁん...」

突如青いリボンの女が赤いリボンの女にしがみつく。ゆっくり吐息を漏らしながら、両脚を上げて赤いリボンの女のくびれた腹部に食い込ませる。
脚で相手の胴体を捕らえるなり、今度は上体を動かして目の前の胸を揉む。

「んぁ......あぁっ...」

さらに片手を下ろして赤いリボンの女の股間を弄る。割れ目の感触を探って少しずつ指を侵入させてゆく。

「くふっ......あぁぁ...ふぅぅっ......」

「うふふふっ......んぐぁぁ...!?」

青いリボンの女の上体が反る。その顔は相手の足場となっていた。赤いリボンの女は形勢を覆そうと、片脚を上げて青いリボンの女の顔を踏みつけていたのだった。
赤いリボンの女は青いリボンの女を力任せに引き剥がす。

「うぐぅっ......!」

床に倒れ込んだ青いリボンの女の腹に素早く尻を落とす。

「ぐはぁぁっ......!?」

体の内部に染み込む衝撃の重苦しさに呼吸を奪われる青いリボンの女。
そんな様子の相手に赤いリボンの女は背中を向けて覆い被さる。青いリボンの女の真横に手を付き、上体を反らして顔を覗き込む。お互いの顔は真っ逆さまに映る。

「んはぁぁっ......」

「んぅぅ......ひぁぁっ...!?」

赤いリボンの女は口を開いて舌を垂らし、真上から青いリボンの女の顔を舐め始める。同時に片足を床から離して相手の股に突き刺し、割れ目の間に足の指を侵入させてゆく。

「はぅぅぅ......いひっ、んくぁぁ......」

「んれぇっ......きゃぁぁっ...!?」

赤いリボンの女の口元は目の前の女の顔から遠ざかり、涎が長い糸を引いてゆく。両手両足も床から離れて虚空を彷徨う。青いリボンの女が事態を打開しようと、赤いリボンの女の腰を両足で押していたのだ。
青いリボンの女はできるだけ高く赤いリボンの女を持ち上げ、最高点からいきなり突き落とす。

「がふぅぅっ......!?」

床に叩き付けられ怯んだ赤いリボンの女と、先程のしかかられた衝撃を必死で和らげている青いリボンの女は、四つん這いの体勢でじっと見つめ合う。

「「............。」」

緊張の走るしなやかな体をなるべく穏やかに伸縮させる。部屋には二人の呼吸音だけが聞こえている。

「ふぅぅぅっ...!!」

「んぁっ...!?」

赤いリボンの女が弾けるように飛びかかり青いリボンの女を捕らえる。勢いに乗って肩を掴み押し倒す。抜け目なく両手を取って動きを封じる。

「んっ......ひゅぱっ」

「きゃぅっ...!?」

押さえ込まれた青いリボンの女は唇を歪ませて涎を放り出す。至近距離にいた赤いリボンの女はそれを避けられず顔を汚される。
キスを除けば顔面を涎で汚されたのは青いリボンの女だけであり、そのお返しのつもりで今の行動に出たのだった。

真下の女に食らいつこうと赤いリボンの女が体を寄せた瞬間、

「いぎゃあぁぁぁっ!?」

赤いリボンの女の股に膝の硬い部分がめり込んでいた。両脚を開いた体勢の隙を青いリボンの女は見逃さなかった。

涙を流して股間を押さえる赤いリボンの女を組み敷く。割れ目に覆い被さる両手を気にも留めず、相手の女の証につま先を突き立てる。

「あんっ...あ、ひ......」

足首を掴んで自分の足先を押し込む。指や足裏で肉壁の感触を満喫する。足の出し入れを繰り返して次第に奥へと踏み込み、赤いリボンの女の守りを内側から崩してゆく。

「あうっ......くはぁぁ、いぎひぃぃっ......」

「はぁぁぁっ......うふふふ」

肉壁をこすり上げつつ限界は超えさせない。陰険な責めを続けているうちに青いリボンの女は相手の女の最奥に辿り着く。
進むだけ進んだと認識するや、打って変わって猛然と足を突き刺す。

「んはぅぅぅっ...!?あがががぁぁぁああっっ!!!」

上半身を弓なりに反らし、下半身をめいっぱい突っ張らせ、腰を高く掲げる赤いリボンの女。青いリボンの女に塞がれている性器を激しく震わせて、中を抉る足の隙間から熱い液体をとめどもなく漏らしてゆく。
辺りには体液の放つ甘ったるい生臭さが充満する。その中で伸びやかな金切り声を上げ続ける赤いリボンの女は、収まる気配のない内なる鼓動に悶えさせられる。

足を突き入れたまま目の前の女の姿を観察している間、青いリボンの女は涎で汚れた顔にずっと笑みを浮かべているのだった。

赤いリボンの女の反応がようやく落ち着くと、青いリボンの女は相手の体を自分の元へ引きずり込む。下半身だけを持ち上げ、腰の辺りで全身を折り畳むように股をV字状に開かせる。床に座り込んで自らの脚を絡める。お互いの膝の裏側を重ね合わせて赤いリボンの女の体を固定する。
青いリボンの女の目の前にある深い裂け目は、灯りの乏しい部屋の中でもじっとりと濡れて光っているのがよく分かる。熱気を放つ腰の中央部へとゆっくり顔を埋める青いリボンの女。

「んんぅぅぅっ、んむはぁぁぁ......」

「きひっ...くぁぁぁああ......」

油断すると溺れてしまいそうなほどの量の体液を顔に浴びる。肌に纏わり付く重い感触を楽しむ青いリボンの女は、長い時間をかけて赤いリボンの女の賞翫に耽るのであった。
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