果てなき冒険

れもん

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三章

第三十一話 魔力コントロール修行7

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朝早くからセルミラ王国へ向けて進み始めてから既にかなりの時間が経ち、今はもう日が沈みはじめて空は茜色に染まっている。昨日の特訓で海の上を歩く事を体に慣れさせたおかげで、何の問題もなく海の上を走って移動する事ができた。二日前この修行を始めたばかりの頃は海の上に立つ事ですらやっとだったのに、今では目を閉じて他のことを考えながらでも陸の上を走るのと同じように海の上を走ることができるようになった。それからここまでの移動はすこぶる順調で、昼に食事のために少しの休憩をとったこと以外では休まずにひたすら王国への道を進み続けることができた。かなり長い時間相当な速さで移動し続けてきたのでかなり体が疲労しているが、このまま何も問題が起きることなく進むことができればあと一時間ほどでアルスとルベラ様の乗る魔導船に追いつくことができるだろう。そう考えながら進んでいると、二人の乗る魔導船が止まった。確か魔導船がセルミラ王国に辿り着くまであと数時間はかかる予定だったはずだ、何か魔導船で問題でも起きたのか?魔導船が止まらざるを得ない状況は限られている。魔導船の故障か運転事故、もしくはモンスターに襲われたか。魔導船の故障や運転事故ならセルミラ王国からの救助を待てばいいが、モンスターに襲われていたとすれば助けに向かわなければ。とはいえアルスとルベラ様がいるので魔導船に乗る人々は無事だと思うが。確認のために魔力の探知結界を展開すると、ルベラ様が魔力放出を止めて魔導船に防御結界を張っているのが分かった。魔導船はモンスターに襲われて止まったんだ。しかもルベラ様が魔導船に防御結界を張っているということは、すぐには倒せない厄介なモンスターが相手なのかもしれない。これは急いだ方が良さそうだ、私は今私が出せる最高速度で魔導船を目指した。

十五分ほどで魔導船が見えてきた、どうやら巨大なイカ型のモンスターに襲われているみたいだ。魔導船を守っている防御結界がかなり弱っている、おそらく私のために魔力を放出していたせいでルベラ様の魔力は殆ど残ってないのだろう。さて、どうするか。私も魔力があまり残っていないし疲労も溜まっている、ここは一瞬で仕留めよう。イカ型モンスターは私の存在に気づいていない、一気に距離を詰めて一撃で倒す。私は足に魔力を溜め助走をつけて跳びイカ型モンスターにとの距離を一気に詰めるが、イカ型モンスターはこちらの接近に気づいたようで足で攻撃を仕掛けてくる。私は空中に魔力で足場を作りそれを蹴ることでさらに加速しつつ攻撃を躱わし、魔力を右腕に纏いイカ型モンスターの顔面を殴り飛ばした。イカ型モンスターはもの凄い勢いで吹っ飛んでいった。それにしても魔力を纏った攻撃は凄い威力だな、巨大なモンスターをあんなにぶっ飛ばせるなんて。そう思っていると船の上から

「見事だったぞ、リーサよ。まさか三日で魔力コントロールの真髄をものにするとは、素晴らしい努力と才能だな。それと助かったぞ、船を防御結界で守るのが精一杯だったからな。」

「俺じゃ船をあのイカから守るのがやっとだったのによ、あの巨体をぶっ飛ばしちまうなんて流石だぜリーサ。それからありがとな、助かったぜ。そんなとこいないではやく船乗れよな。」

私は風系魔法で飛び船に乗り込むと、流石に疲れたので座り込んだ。
するとアルスが

「お疲れさんリーサ、眠いなら船がセルミラ王国に着くまで寝てな。着いたら俺が起こしてやるからな。」

私はアルスの言葉に頷いて船がセルミラ王国に着くまで客室で休むことにした。




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