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多重虹から来る破砕帯(バーニングソウル・レインボーシーカー)②
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■ ゴビ砂漠上空 三万メートル
AN-255ムリヤ 唯一無二の超大型巨人輸送機は神―地球外来知性体を、そう定義づければの話だが――の申命を一手に担っていた。御来光のごときオーマイゴッド粒子が降り注ぐなか、期待の星が燦々と携挙されていく。
こうしてみると弓のように広がる赤がね色の大地は、煉獄庭園の暗喩だ。潜熱が揺るがす空気にあぶられて、下弦の月が身震いしている。その遥か高み。見上げると首が痛くなるほどの位置にビーンスタークの破片が軌道を描いている。
それは、ボロボロと豆腐が崩れるように形を失いつつある。
輸送機内は前代未聞の儀式に蜂の巣をつついたような騒ぎだ。貨物室内居住区画の浴室に使用中の表示が灯った。
「中佐。なにやってんですか? 任務中に」
ハーベルトが慌てて扉を開くと簡易シャワールームから勢いよく白煙が噴出した。
「ひゃん☆」
転倒しかけて反射的に翼を開く。降り積もるスカートの残骸に足を取られながら部屋に転がり込んだ。
ざあっと生ぬるい液体がハーベルトのブラに掛かった。たいしてない胸を隠しつつ、振り仰ぐと、ハヴァロフスクの蒸気魔がアンダーショーツ姿で仁王立ちしていた。中佐の指輪が歯車をフル回転させている。
「見たまえ! 蒸気計算尺だよ」
彼女はホレホレと腕をふりあげる。鍛え上げたロシア美人の肉体は色気を通り過ぎて精悍ですらある。
「あなたはいちいち脱ぐんですか?!」
ハーベルトがバスローブを差し出すと、中佐はそれをブンと振り払った。
「そうだ。脱ぐのだ。認めたまい!」
「はいはい。ごめーれーのままに」
ハーベルトは諦めきった表情でローブを拾い上げて、袖を通した。操縦席では望萌が赤青橙の原色に染まっている。計器類は複雑なグラフや数値を目まぐるしく表示している・
ソーニャ・ファイスト中佐が計算尺の数値を読み上げ、荒井吹雪が運動方程式を組み立てていく。
「ふーはっは! 完璧だよ。きみ」
首からハンドタオルをかけた中佐が小走りに入ってきた。
「中佐。胸ぐらい隠してください。いくら女所帯の現場って……」
ハーベルトがカップのついた布切れを投げる。
「おお、乳ばんど、乳ばんど」
ひょいと上体でキャッチするソーニャ。
「ぶらぢゃあですっ」
下品なやりとりを聴覚から追い出しつつ、望萌は数値を打鍵した。
「邂逅予定空域。三次元座標算出完了。確定」
「諒解」
女性機長が操縦桿を引くと、床が大きく傾斜した。
「うわったった。これは一大事。乳バンドが転がる」
「だから、ぶらですってば」
間抜けな痴女トークをBGMをにしてコウノトリ(ムリヤ)が舞う。
プログレスD-18Tエンジンの吹きあがりは上々だ。196キロニュートンの出力を振り絞って上昇限界ギリギリまで迫る。
目と鼻の先に藤野祥子を象った思念体がある。隕石は自身を支えるエネルギーを振り絞って、最後の心理施療に取り掛かった。
「うるさい。ボクにゲレルトヤーなどといった妹はいない」
拒絶反応を示す祥子を隕石は粘り強く諭した。
「貴女がチャンスンを撃った動機は母性の裏返しです。大切な誰かを守りたいという衝動が攻撃を企図させるのです」
「母性が攻撃本能だって? そんなの嘘っぱちだ」
二つの意識が大気とせめぎあい、激しく燃え盛る。隕石が自我を維持できる時間は幾ばくも無い。納豆子は最後の賭けに出た。
ムリヤから湧き上がる力線が鳥かごのように火球を包み込む。ハーベルトは舷窓に藤野祥子のシルエットを見出した。いや、もう二人いる。面長のアジア人女性は納豆子だろう。赤ん坊が這い這いしている。それが立ち上がり、みるみるうちにスラリとした少女体形にかわる。ばさりと髪が腰まで伸びた。
「母体の心拍計が落ちています。酸素吸入量20を切りました。閣下」
ハーベルトは一気に現実へと引き戻された。
看護婦達が慌てて酸素テントを準備する。
「まさか、こんなところで異世界逗留者適合手術をするとはね。やってちょうだい」
ハーベルトは重苦しい吐息をついた。
納豆子は消え入る前に祥子を思いっ切り抱擁した。「貴女はこうやってお母さんに抱きしめてもらったことはないんでしょう」
「どうしてわかるの? ボクは生まれた時から邪魔者扱いだった。乳児院の前で拾われて、今のうちに引き取られたんだ」
「貴女の旧姓は武鳥 そうなのでしょう?」
「それはボクと限られた親族しか知らないはずだよ。おばさん」
「だったら、わたしは生きとし生ける者の生みの親。わたしが抱きしめてあげる」
「ボクは……」
「あなたはそのままでいいのよ。時に男でもある。ならば、大切な物を守るために戦いなさい。敵対する者あれば女子供であろうと容赦なく殺せ。あなたの身近な人も言ってたよね」
「ハーベルト?!」
祥子が懐かしい名前を思い出した。すると、納豆子は静かにかぶりを振った。
「おねーちゃん♪」
小さなゲレルトヤーが祥子に寄り添う。その姿もぐんぐんと成長する。幼児独特の大きな瞳がみるみるうちに細っていく。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ムリヤのだだっ広い貨物室に豊穣角機械が医療機器や培養装置を準備した。
助産師とハーベルトが機械の前で激しく口論している。
「当たり前でしょう。ゲレルトヤーは帝王切開に耐えられる身体じゃないわ。イリュージョン生命体として母子ともに再構成する」
「そんな、残酷な。生まれる前に殺すなんて」
「再構成よ。間違えないで。それと中佐。バリカン持ってきて」
ハーベルトは医師をはねつけ、代わりに異世界逗留者を招集した。
「220Aのコンセントはあるのかね?」
蒸気魔が例の指輪を回し始めた。
「お湯? 熱湯なんかいらないわ。それより留萌。旅人の外套を二セット用意してちょうだい」
「乳児用の型紙データなんかありませんよ」
「6号サイズでいいわ。女児異世界逗留者の外套があったでしょう」
「ヤボ~ル・ハ~トレ~」
望萌はセーラー服の包みを抱えて医務室に走った。
21世紀において分子生物学や生命化学が飛躍的に向上したが、未だに生命の点火に至っていない。地球外来有機物による藤野祥子の再生はのちのちコード2047世界に衝撃を与えることになった。
地球外来知性によるホモ・サピエンスの促成栽培、いや、きっぱりと言おう。これは製造だ。それが具体的にどういう影響を及ぼすかはソースコードにして、早くて三百年後の西暦2347年、おそくとも四万年後にあらわれる、と国立研究所は予測した。
■ バヤンノール空港
ターミナルビルの吹き抜けから枢軸特急のホームが見える。ハヴァロフスクの蒸気魔はそそくさと根城に帰った。ムリヤが豪快なスチームを残して滑走する。
ALX427は新たな乗務員を迎えることになった。ステイツ初の異世界逗留者が当面は人材育成に従事することになる。
スレン・オチルバトが浮かぬ顔をしているのも無理はない。産着にくるまれた我が子ではなく、立派に成長した少女と対面することになったのだ。出産の苦しみも育児の楽しみも奪われた。なんて事をしてくれたのだ、とハーベルトを貼り倒した。
「おかあさん!」
ゲレルトヤーがポニーテールを揺らして止めに入る。歳の差は十歳もなく、母親と呼ばれるは戸惑いを隠せない。
「命の恩人になんてことをするの? あのままでは二人とも命を吸い尽くされていたわ」
長女が深々と非礼を詫びている間、スレンは憎々しげに張本人を睨んでいる。
当の本人はTWX1369の席で身を低くしている。
「やっぱり、ボクは……」
俯いた祥子の肩に柔らかい手が触れた。
「おねえちゃん」
キョトンと振り向いた祥子にゲレルトヤーがほほ笑みを返す。
その後ろからバタバタと靴音が聞こえる。
「ゲレルトヤー!」
母親が駆け込み乗車しようとしたところで駅員に引き戻された。
「トワイライトエクリプス、発車します。ご注意ください」
望萌のアナウンスがホームに響き渡り、ハウゼルが閉扉する。
「ちょっと! あなたたち!!」
スレンの抗議は汽笛にかき消された。
ぐらりと列車が揺れ、次の瞬間にはターミナルビルが小さくなっていた。
「ゲレルトヤーはわたしが訓練するわ。ようこそ、枢軸特急トワイライトエクリプスへ♪」
ハーベルトはさも当たり前のようにゲレルトヤーを着席させる。
「どういう風の吹き回しだよ。ハーベルト?!」
目を白黒させる祥子にハーベルトは事情を説明した。
「スレンは母親失格だわ。独占欲が強すぎるもの。これはゲレルトヤーのためよ」
祥子が何か言いかけたが、ゲレルトヤーが隣席から話しかけてきたので、議論にならなかった
「次の停車駅はカルチェラタン地下駅。カルチェラタン地下駅。到着予定時刻は16時27分……」
誰もいないはずの貨物車からなまめかしい息遣いが聞こえる。
「ハーベルト。人攫い。生かして返さない……」
荒々しい呼吸にもう一人の声が重なった。
「その意気込みよ。あなたなら殺れる」
ズシリと重い量子アサルトライフル。
「ありがとう。マドレーヌ」
暗闇の中で周産期の女が目を光らせた。
AN-255ムリヤ 唯一無二の超大型巨人輸送機は神―地球外来知性体を、そう定義づければの話だが――の申命を一手に担っていた。御来光のごときオーマイゴッド粒子が降り注ぐなか、期待の星が燦々と携挙されていく。
こうしてみると弓のように広がる赤がね色の大地は、煉獄庭園の暗喩だ。潜熱が揺るがす空気にあぶられて、下弦の月が身震いしている。その遥か高み。見上げると首が痛くなるほどの位置にビーンスタークの破片が軌道を描いている。
それは、ボロボロと豆腐が崩れるように形を失いつつある。
輸送機内は前代未聞の儀式に蜂の巣をつついたような騒ぎだ。貨物室内居住区画の浴室に使用中の表示が灯った。
「中佐。なにやってんですか? 任務中に」
ハーベルトが慌てて扉を開くと簡易シャワールームから勢いよく白煙が噴出した。
「ひゃん☆」
転倒しかけて反射的に翼を開く。降り積もるスカートの残骸に足を取られながら部屋に転がり込んだ。
ざあっと生ぬるい液体がハーベルトのブラに掛かった。たいしてない胸を隠しつつ、振り仰ぐと、ハヴァロフスクの蒸気魔がアンダーショーツ姿で仁王立ちしていた。中佐の指輪が歯車をフル回転させている。
「見たまえ! 蒸気計算尺だよ」
彼女はホレホレと腕をふりあげる。鍛え上げたロシア美人の肉体は色気を通り過ぎて精悍ですらある。
「あなたはいちいち脱ぐんですか?!」
ハーベルトがバスローブを差し出すと、中佐はそれをブンと振り払った。
「そうだ。脱ぐのだ。認めたまい!」
「はいはい。ごめーれーのままに」
ハーベルトは諦めきった表情でローブを拾い上げて、袖を通した。操縦席では望萌が赤青橙の原色に染まっている。計器類は複雑なグラフや数値を目まぐるしく表示している・
ソーニャ・ファイスト中佐が計算尺の数値を読み上げ、荒井吹雪が運動方程式を組み立てていく。
「ふーはっは! 完璧だよ。きみ」
首からハンドタオルをかけた中佐が小走りに入ってきた。
「中佐。胸ぐらい隠してください。いくら女所帯の現場って……」
ハーベルトがカップのついた布切れを投げる。
「おお、乳ばんど、乳ばんど」
ひょいと上体でキャッチするソーニャ。
「ぶらぢゃあですっ」
下品なやりとりを聴覚から追い出しつつ、望萌は数値を打鍵した。
「邂逅予定空域。三次元座標算出完了。確定」
「諒解」
女性機長が操縦桿を引くと、床が大きく傾斜した。
「うわったった。これは一大事。乳バンドが転がる」
「だから、ぶらですってば」
間抜けな痴女トークをBGMをにしてコウノトリ(ムリヤ)が舞う。
プログレスD-18Tエンジンの吹きあがりは上々だ。196キロニュートンの出力を振り絞って上昇限界ギリギリまで迫る。
目と鼻の先に藤野祥子を象った思念体がある。隕石は自身を支えるエネルギーを振り絞って、最後の心理施療に取り掛かった。
「うるさい。ボクにゲレルトヤーなどといった妹はいない」
拒絶反応を示す祥子を隕石は粘り強く諭した。
「貴女がチャンスンを撃った動機は母性の裏返しです。大切な誰かを守りたいという衝動が攻撃を企図させるのです」
「母性が攻撃本能だって? そんなの嘘っぱちだ」
二つの意識が大気とせめぎあい、激しく燃え盛る。隕石が自我を維持できる時間は幾ばくも無い。納豆子は最後の賭けに出た。
ムリヤから湧き上がる力線が鳥かごのように火球を包み込む。ハーベルトは舷窓に藤野祥子のシルエットを見出した。いや、もう二人いる。面長のアジア人女性は納豆子だろう。赤ん坊が這い這いしている。それが立ち上がり、みるみるうちにスラリとした少女体形にかわる。ばさりと髪が腰まで伸びた。
「母体の心拍計が落ちています。酸素吸入量20を切りました。閣下」
ハーベルトは一気に現実へと引き戻された。
看護婦達が慌てて酸素テントを準備する。
「まさか、こんなところで異世界逗留者適合手術をするとはね。やってちょうだい」
ハーベルトは重苦しい吐息をついた。
納豆子は消え入る前に祥子を思いっ切り抱擁した。「貴女はこうやってお母さんに抱きしめてもらったことはないんでしょう」
「どうしてわかるの? ボクは生まれた時から邪魔者扱いだった。乳児院の前で拾われて、今のうちに引き取られたんだ」
「貴女の旧姓は武鳥 そうなのでしょう?」
「それはボクと限られた親族しか知らないはずだよ。おばさん」
「だったら、わたしは生きとし生ける者の生みの親。わたしが抱きしめてあげる」
「ボクは……」
「あなたはそのままでいいのよ。時に男でもある。ならば、大切な物を守るために戦いなさい。敵対する者あれば女子供であろうと容赦なく殺せ。あなたの身近な人も言ってたよね」
「ハーベルト?!」
祥子が懐かしい名前を思い出した。すると、納豆子は静かにかぶりを振った。
「おねーちゃん♪」
小さなゲレルトヤーが祥子に寄り添う。その姿もぐんぐんと成長する。幼児独特の大きな瞳がみるみるうちに細っていく。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ムリヤのだだっ広い貨物室に豊穣角機械が医療機器や培養装置を準備した。
助産師とハーベルトが機械の前で激しく口論している。
「当たり前でしょう。ゲレルトヤーは帝王切開に耐えられる身体じゃないわ。イリュージョン生命体として母子ともに再構成する」
「そんな、残酷な。生まれる前に殺すなんて」
「再構成よ。間違えないで。それと中佐。バリカン持ってきて」
ハーベルトは医師をはねつけ、代わりに異世界逗留者を招集した。
「220Aのコンセントはあるのかね?」
蒸気魔が例の指輪を回し始めた。
「お湯? 熱湯なんかいらないわ。それより留萌。旅人の外套を二セット用意してちょうだい」
「乳児用の型紙データなんかありませんよ」
「6号サイズでいいわ。女児異世界逗留者の外套があったでしょう」
「ヤボ~ル・ハ~トレ~」
望萌はセーラー服の包みを抱えて医務室に走った。
21世紀において分子生物学や生命化学が飛躍的に向上したが、未だに生命の点火に至っていない。地球外来有機物による藤野祥子の再生はのちのちコード2047世界に衝撃を与えることになった。
地球外来知性によるホモ・サピエンスの促成栽培、いや、きっぱりと言おう。これは製造だ。それが具体的にどういう影響を及ぼすかはソースコードにして、早くて三百年後の西暦2347年、おそくとも四万年後にあらわれる、と国立研究所は予測した。
■ バヤンノール空港
ターミナルビルの吹き抜けから枢軸特急のホームが見える。ハヴァロフスクの蒸気魔はそそくさと根城に帰った。ムリヤが豪快なスチームを残して滑走する。
ALX427は新たな乗務員を迎えることになった。ステイツ初の異世界逗留者が当面は人材育成に従事することになる。
スレン・オチルバトが浮かぬ顔をしているのも無理はない。産着にくるまれた我が子ではなく、立派に成長した少女と対面することになったのだ。出産の苦しみも育児の楽しみも奪われた。なんて事をしてくれたのだ、とハーベルトを貼り倒した。
「おかあさん!」
ゲレルトヤーがポニーテールを揺らして止めに入る。歳の差は十歳もなく、母親と呼ばれるは戸惑いを隠せない。
「命の恩人になんてことをするの? あのままでは二人とも命を吸い尽くされていたわ」
長女が深々と非礼を詫びている間、スレンは憎々しげに張本人を睨んでいる。
当の本人はTWX1369の席で身を低くしている。
「やっぱり、ボクは……」
俯いた祥子の肩に柔らかい手が触れた。
「おねえちゃん」
キョトンと振り向いた祥子にゲレルトヤーがほほ笑みを返す。
その後ろからバタバタと靴音が聞こえる。
「ゲレルトヤー!」
母親が駆け込み乗車しようとしたところで駅員に引き戻された。
「トワイライトエクリプス、発車します。ご注意ください」
望萌のアナウンスがホームに響き渡り、ハウゼルが閉扉する。
「ちょっと! あなたたち!!」
スレンの抗議は汽笛にかき消された。
ぐらりと列車が揺れ、次の瞬間にはターミナルビルが小さくなっていた。
「ゲレルトヤーはわたしが訓練するわ。ようこそ、枢軸特急トワイライトエクリプスへ♪」
ハーベルトはさも当たり前のようにゲレルトヤーを着席させる。
「どういう風の吹き回しだよ。ハーベルト?!」
目を白黒させる祥子にハーベルトは事情を説明した。
「スレンは母親失格だわ。独占欲が強すぎるもの。これはゲレルトヤーのためよ」
祥子が何か言いかけたが、ゲレルトヤーが隣席から話しかけてきたので、議論にならなかった
「次の停車駅はカルチェラタン地下駅。カルチェラタン地下駅。到着予定時刻は16時27分……」
誰もいないはずの貨物車からなまめかしい息遣いが聞こえる。
「ハーベルト。人攫い。生かして返さない……」
荒々しい呼吸にもう一人の声が重なった。
「その意気込みよ。あなたなら殺れる」
ズシリと重い量子アサルトライフル。
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