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アレク
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アレクはたまに、人間の世界に来る前のことを思い出す。
-謁見の間-
「このアレク。必ずモキ様を連れ戻し、次期女王の座につかせてみせます」
王は上の空で聞いていた。自分の娘が行方不明だという話をしているのに。
「その件だが、女王はモキ以外にやらせることにした」
「なっ、そんなことが! 」
「あるのだよアレク。私は、多くの妻と娘を持っておる。その中から見映えのよい娘を選べばよいだけの話だ。お前がいない間に、この話はまとまっていたのだ」
アレクは絶望した。自分が仕えてきた王が、こうも愚かで自分勝手だとは。
「私がどれだけ心を痛めて、感情を殺して接してきたか......次期女王は、モキ様以外にありえません! あの方は、ハーレ様の唯一の娘です!! あんなに美しく、優しい女王はモキ様以外にはいません! そのことを証明します。このアレク、必ずモキ様を連れ戻し、次期女王はモキ様以外にありえないということを証明してみせます! 」
王はアレクを見下し、側近の兵士たちに指図した。
「お前ならそういうと思った。兵達よ。アレクを捕え、即刻死刑に処せ」
その命令を受けた兵士たちは、すぐさまアレクを取り囲んだ。
「なんの真似です? 」
「私としては、ハーレの娘が勝手に家出したのは幸運だった。ハーレの娘が生きていて、次期女王になるのは、私にとっても都合が悪いのだ。その娘を助けようとするお前には、消えてもらう」
兵はじりじりと迫ってきた。
「絶対に、証明する。モキ様は、次期女王になるお方だ!! 」
アレクは全身に火を纏い、城から抜け出した。
「逃げたか。まあよい......娘を殺しにいっていた兵たちに知らせよ。茶炎のアレクをターゲットに加える、と」
-人間の世界-
「はあ......はあ」
魔力体力ともにかなり消費した。野垂れ死ぬのも時間の問題だ。
「ん? この猫は」
そこに坂東が現れる。
「......殺せ」
「しゃ、しゃべりやがった......」
「......これ以上醜態はさらせん。せめて殺してくれ。しかし、もしも貴様に良心が少しでもあるならば、頼みがある。白銀の猫を探しだして、帰れと伝えてくれ。それだけで何をすべきなのか分かってくれるはずだ」
坂東は少し考えた。肉体派ではあるが、頭はよく回る方だった。
「お前、何ができる? 」
「人間にはできない、魔法を使うことができる」
「そうか......なら助けてやる。醜態をさらしたくねぇなら、意地でも生きようとしてみろ。そして自分のためならどんなものでも犠牲にする覚悟を決めてみろ。俺はそれの方が尊敬する。さあ立て! 生きろ! 」
「っ! 」
アレクは感動した。人間にはこんな感性をもつものがいるのだと。
モキを助ける。その目的と相まって、アレクは底力を見せた。
「うぉおおおお!! 」
もうほぼ歩けない体のはずなのに。魔法も使えないはずなのに。アレクは立ち上がり、口から炎を吐いた。それは、坂東という人間を認め、坂東を介して魔法を使ったということ。坂東を主人と認めたということである。
-謁見の間-
「このアレク。必ずモキ様を連れ戻し、次期女王の座につかせてみせます」
王は上の空で聞いていた。自分の娘が行方不明だという話をしているのに。
「その件だが、女王はモキ以外にやらせることにした」
「なっ、そんなことが! 」
「あるのだよアレク。私は、多くの妻と娘を持っておる。その中から見映えのよい娘を選べばよいだけの話だ。お前がいない間に、この話はまとまっていたのだ」
アレクは絶望した。自分が仕えてきた王が、こうも愚かで自分勝手だとは。
「私がどれだけ心を痛めて、感情を殺して接してきたか......次期女王は、モキ様以外にありえません! あの方は、ハーレ様の唯一の娘です!! あんなに美しく、優しい女王はモキ様以外にはいません! そのことを証明します。このアレク、必ずモキ様を連れ戻し、次期女王はモキ様以外にありえないということを証明してみせます! 」
王はアレクを見下し、側近の兵士たちに指図した。
「お前ならそういうと思った。兵達よ。アレクを捕え、即刻死刑に処せ」
その命令を受けた兵士たちは、すぐさまアレクを取り囲んだ。
「なんの真似です? 」
「私としては、ハーレの娘が勝手に家出したのは幸運だった。ハーレの娘が生きていて、次期女王になるのは、私にとっても都合が悪いのだ。その娘を助けようとするお前には、消えてもらう」
兵はじりじりと迫ってきた。
「絶対に、証明する。モキ様は、次期女王になるお方だ!! 」
アレクは全身に火を纏い、城から抜け出した。
「逃げたか。まあよい......娘を殺しにいっていた兵たちに知らせよ。茶炎のアレクをターゲットに加える、と」
-人間の世界-
「はあ......はあ」
魔力体力ともにかなり消費した。野垂れ死ぬのも時間の問題だ。
「ん? この猫は」
そこに坂東が現れる。
「......殺せ」
「しゃ、しゃべりやがった......」
「......これ以上醜態はさらせん。せめて殺してくれ。しかし、もしも貴様に良心が少しでもあるならば、頼みがある。白銀の猫を探しだして、帰れと伝えてくれ。それだけで何をすべきなのか分かってくれるはずだ」
坂東は少し考えた。肉体派ではあるが、頭はよく回る方だった。
「お前、何ができる? 」
「人間にはできない、魔法を使うことができる」
「そうか......なら助けてやる。醜態をさらしたくねぇなら、意地でも生きようとしてみろ。そして自分のためならどんなものでも犠牲にする覚悟を決めてみろ。俺はそれの方が尊敬する。さあ立て! 生きろ! 」
「っ! 」
アレクは感動した。人間にはこんな感性をもつものがいるのだと。
モキを助ける。その目的と相まって、アレクは底力を見せた。
「うぉおおおお!! 」
もうほぼ歩けない体のはずなのに。魔法も使えないはずなのに。アレクは立ち上がり、口から炎を吐いた。それは、坂東という人間を認め、坂東を介して魔法を使ったということ。坂東を主人と認めたということである。
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