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5・一度汚れた手は_1
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「いやぁしかしとんでもないことになってるねぇ」
「軽いな……」
「ここにいたら殺人事件とか月一であるし。ま、でもここで稼ぐって話を断ってちゃんと大学卒業した恭一がこんなことになるとは思わなかったけど」
橙が大学を辞めるとき、恭一も一緒に仕事をしないかと誘われていた。けれどそれを断って普通に大学を卒業し、近場で就職する道を選んだ。それは家を出てしまうと、天花と父親を残してしまうことになるからだったのだが――。
「結果的には無駄だったかもしれないけどな」
「じゃあ今からでもオレの仕事手伝う?」
「それはやめとく」
「残念。まあそんな余裕ないか、今は」
今は嵐が過ぎ去ってくれるのをじっと待つし 今は嵐が過ぎ去ってくれるのをじっと待つしかない。身分を明かせない人間ばかりが集まる場所は、そういう意味では都合が良かった。
「で、お前が調べてほしいって言ってたことだけど」
「何かわかったのか?」
「いや今日調べ始めて今日結果が出るわけないでしょ。あ、でもあの刑事は本物だよ。あと天花ちゃんの同級生の子も目星はついた」
仕事が早い。橙は大学にいたときから、ゼミの中でも誰よりも頭が回った。一読しても簡単には理解できないような難解な文章をあっさり読み解いてしまう上に、レポートを書くのも異常に速かった。見た目に反して優秀な学生だったため、大学を辞めるときは教授がとても残念がっていた。
「結論から言うと、今は元気に大学通ってるみたい。でも高校のときに謎の体調不良に襲われて、その他にも色々あって転校するようになったみたい。で、転校して暫くしたらあっさり体調も回復したと」
「……転校先で体調不良の原因は特定できたのか?」
「それがある化学物質の中毒症状だったって話なんだよ。で、転校してそれが治ったってことは、そこ以降はその物質を摂取してないってことになる。必然的に疑われるのは転校する前に彼女の近くにいた人ってことになる」
それ自体は普通の考え方だ。転校先にもついていった人間、つまり家族などはその段階で除外されていたのだろう。
「とはいえ手に入れようと思えば手に入れられるもので、しかも昔事件があって有名になった毒だから、完全に絞り込めてるってわけではなさそうだね。死んだ刑事は噂じゃかなり独断専行が多かったらしいから、先走っちゃったのかも。で、あの火事でまあまあ色んなものが焼けちゃったから、天花ちゃんの部屋から何かが見つかったって話はハッタリの可能性もある。まあ死んじゃってるからわかんないけどね」
「……仮に天花だとして、動機があるような相手だったのか?」
父親の件はまだ理解できる。酒に溺れた父親は、家にいる間は恭一にも天花にも横柄に振る舞った。寄った勢いで暴力を振るうこともあった。それだけで殺すには十分すぎるだろう。
「人間ってのはそう簡単に説明できないもんだよ。愛しているから殺すことだってあるし、誰でもいいなんてこともある。ただ、その子――皓ちゃんって言うんだけど、彼女とは割と仲良かったみたいだよ。でもシロちゃんは部活の先輩から酷いいじめを受けてたって話もある」
今日言ったばかりなのによくここまで調べられたものだ、と恭一は感心した。もう少し何もわからないまま終わると思っていたのだ。
「転校したのはそれも理由かもね。そして転校したことでいじめからも解放され、体調も良くなって、普通に大学行けるようになった――と考えると、結果的には逆にいいことしたんじゃないかって思うくらいだ」
「仮に毒を盛ってたんなら、いいことではないだろ」
友人を助けたかったのだとしたら、もっと他にやり方がある。下手をすれば助けたい人間を殺しかねない方法だ。結果的にいい方向に傾いたのも偶然でしかない。橙の言葉は何の気休めにもならなかった。
「ブラック企業に勤めてて心が壊れかけてるような人は、死んでも仕事やめたいって思うみたいだよ。死んだら元も子もないってのは元気な人間の正論だね」
「とりあえず今までわかったこととしては、疑われる理由はあるけれど証拠も動機もはっきりとしたものがあるわけではないってところか」
「そういうことになるね。でもシロちゃん側には話を聞けてないから、もう少し調べてみないとなんとも言えないけど」
恭一は腕組みをして息を吐き出した。結局のところは何も進んでいないも同然だ。そして橙に調査を依頼した件はもうひとつある。
「――もう一つの方は」
「あっちはまだ全然。使われたのが天然毒だったってのは公式の発表で出てたけど、自殺で処理されてるし大した情報はなかったね」
もうひとつは母親の死についてだ。その頃は別々に暮らしていたため、恭一はその日に何が起きたのかを人づてにしか聞いていない。何かを知っているとすれば天花だが、天花は天花でそのときのことは碌に覚えていないのだ。
「ま、でも二歳児でも人を殺すことはあるし、親の気を引こうとして、そんな結果を引き起こすとは知らずに……みたいなこともあるだろうからね。でも、色々調べてて引っかかることが一つある」
「引っかかること?」
「さっきのシロちゃんの話、転校したら体調も良くなったって言ったろ? もちろんいじめがなくなってストレスが消えたってのもあるけど、それとよく似たことが起きてると思わないか?」
皓という少女の体調不良はある薬物の中毒が原因だった。そして、それを摂取することがなくなったから体調が回復した。それとよく似たこと――暫く考えを巡らせた恭一は、やがて橙の言葉の意味に気が付いた。
「……確かに母親が死んでから、入院するほど体調を崩すことはなかったな」
「偶然かもしれないけどね。小さい頃に体が弱くても、免疫がついてきて小学生になる頃には元気になる子とかもいるみたいだし」
「偶然だと思うけどな。一番天花の体調を気にしていたのは母親だったと思うし」
「だよねぇ。ま、オレはこんなところにずっといるから疑う癖が付いちゃったけど。とりあえず今のところオレが言えるのはこのくらい」
「そうか。ありがとう」
住居の斡旋から、秘密裡の調査まで、橙には頼りきりになってしまった。後で何か礼をしなければならないな、と恭一はぼんやりと考えていた。
「そうそう、恭一に聞こうと思ってたんだけど」
一息ついて出されたコーヒーを飲んでいた恭一に、橙がにやにやと笑いながら尋ねてきた。絶対に碌な質問でないことは聞く前からわかる。
「天花ちゃんとはもうヤッたの?」
「お前はコーヒーが冷めてたことに感謝した方がいいな」
聞き方があまりにも下世話すぎる。橙が明け透けな人間だというのはわかっていたが、正直呆れてしまった。
「で、答えは? 部屋まで用意してやったんだから教えてくれてもいいだろ?」
「ノーコメント」
「ってことはイエスってことだよね。だってやってないならやってないって言えばいいんだから」
橙は勘が良くて嫌になる。紛れもない事実なのだが、他人にそれを打ち明けるつもりは微塵もなかったのに。
「……そんなこと聞いて、お前に何の得がある?」
「興味あるだけだよ? 世の中見てみろよ、自分には関係ない芸能人の下半身事情に注目してる暇人がうじゃうじゃいる。それに比べたら知り合いのことに興味あるなんてめちゃくちゃ健全だろ」
「……手を出すつもりはなかったんだ」
あくまで血の繋がった妹として大切に思っていたはずだった。けれど父親を殺した天花を連れて逃げるという異常な状況が判断を大きく狂わせた。家族という枠に嵌めて押し殺していたものが表に出てしまったのだ。けれどこれも言い訳に過ぎない。本当は体の関係など持つべきではなかったし、今でもずるずるとそれを続けてしまっているのは許されることではない。たとえそれが天花の望んだことであったとしてもだ。
「まあオレは二人がいいならそれでいい派だけどね」
「自分でやっといてって話ではあるが……これから天花が生きていくにあたって、悪い影響がないといいんだけどな」
自嘲的に笑いながら恭一は呟いた。天花の幸福を願っているのは本当だ。けれど、抑えきれない感情があるのも否定はできない。
「……何にせよ、罪を犯したのは事実だけど、それでも」
あんな家に生まれなかったら、何かが少しでも違っていたら、こんなことにはならなかっただろうか。時折どうしても考えてしまう。父を殺したのが自分であれば。あの日、何かが起こる前に家に帰っていれば――後悔をあげればきりがない。
「オレも決して綺麗なことばっかりやってきたわけじゃないから大したことは言えないけどさ、これから人生をやり直すつもりならひとつだけ言っとくことがある」
改まった口調で橙が言う。こんな前置きをするときの橙の言葉は大抵無視できないものだ。橙は恭一の目をまっすぐに見つめて言った。
「一度悪いことをしてしまうと、頭の中にその選択肢が常にちらつくようになる。嘘をつくことだって、薬だって、人殺しだって同じだ。何かがあったときに、人を殺したことのある人間の頭の中には、殺すって選択肢が生まれる。――気をつけたほうがいい。天花ちゃんも、お前も」
それはこの治安の悪い地区に身を置いて、さまざまな人間を見てきたからこその言葉だった。違法薬物を絶ったはずの人間が再び手を出してしまったり、立ち直ったはずの人間が再び身を持ち崩してしまうのを目の当たりにしてきたのだろう。
「わかった。気をつけるよ」
「そうしてくれ。お前はオレの大事な友達だからな」
これ以上人を殺すつもりはない。罪を重ねれば重ねるほど追い込まれるのだ。天花のためにも、ここでリセットしなければならない。恭一は懐に忍ばせていた拳銃を取り出した。
「――好きに処分してくれ。思わず盗ってきたけど、俺には必要ない」
「それ聞いて安心したよ。これはオレが責任持って管理しておくから」
「軽いな……」
「ここにいたら殺人事件とか月一であるし。ま、でもここで稼ぐって話を断ってちゃんと大学卒業した恭一がこんなことになるとは思わなかったけど」
橙が大学を辞めるとき、恭一も一緒に仕事をしないかと誘われていた。けれどそれを断って普通に大学を卒業し、近場で就職する道を選んだ。それは家を出てしまうと、天花と父親を残してしまうことになるからだったのだが――。
「結果的には無駄だったかもしれないけどな」
「じゃあ今からでもオレの仕事手伝う?」
「それはやめとく」
「残念。まあそんな余裕ないか、今は」
今は嵐が過ぎ去ってくれるのをじっと待つし 今は嵐が過ぎ去ってくれるのをじっと待つしかない。身分を明かせない人間ばかりが集まる場所は、そういう意味では都合が良かった。
「で、お前が調べてほしいって言ってたことだけど」
「何かわかったのか?」
「いや今日調べ始めて今日結果が出るわけないでしょ。あ、でもあの刑事は本物だよ。あと天花ちゃんの同級生の子も目星はついた」
仕事が早い。橙は大学にいたときから、ゼミの中でも誰よりも頭が回った。一読しても簡単には理解できないような難解な文章をあっさり読み解いてしまう上に、レポートを書くのも異常に速かった。見た目に反して優秀な学生だったため、大学を辞めるときは教授がとても残念がっていた。
「結論から言うと、今は元気に大学通ってるみたい。でも高校のときに謎の体調不良に襲われて、その他にも色々あって転校するようになったみたい。で、転校して暫くしたらあっさり体調も回復したと」
「……転校先で体調不良の原因は特定できたのか?」
「それがある化学物質の中毒症状だったって話なんだよ。で、転校してそれが治ったってことは、そこ以降はその物質を摂取してないってことになる。必然的に疑われるのは転校する前に彼女の近くにいた人ってことになる」
それ自体は普通の考え方だ。転校先にもついていった人間、つまり家族などはその段階で除外されていたのだろう。
「とはいえ手に入れようと思えば手に入れられるもので、しかも昔事件があって有名になった毒だから、完全に絞り込めてるってわけではなさそうだね。死んだ刑事は噂じゃかなり独断専行が多かったらしいから、先走っちゃったのかも。で、あの火事でまあまあ色んなものが焼けちゃったから、天花ちゃんの部屋から何かが見つかったって話はハッタリの可能性もある。まあ死んじゃってるからわかんないけどね」
「……仮に天花だとして、動機があるような相手だったのか?」
父親の件はまだ理解できる。酒に溺れた父親は、家にいる間は恭一にも天花にも横柄に振る舞った。寄った勢いで暴力を振るうこともあった。それだけで殺すには十分すぎるだろう。
「人間ってのはそう簡単に説明できないもんだよ。愛しているから殺すことだってあるし、誰でもいいなんてこともある。ただ、その子――皓ちゃんって言うんだけど、彼女とは割と仲良かったみたいだよ。でもシロちゃんは部活の先輩から酷いいじめを受けてたって話もある」
今日言ったばかりなのによくここまで調べられたものだ、と恭一は感心した。もう少し何もわからないまま終わると思っていたのだ。
「転校したのはそれも理由かもね。そして転校したことでいじめからも解放され、体調も良くなって、普通に大学行けるようになった――と考えると、結果的には逆にいいことしたんじゃないかって思うくらいだ」
「仮に毒を盛ってたんなら、いいことではないだろ」
友人を助けたかったのだとしたら、もっと他にやり方がある。下手をすれば助けたい人間を殺しかねない方法だ。結果的にいい方向に傾いたのも偶然でしかない。橙の言葉は何の気休めにもならなかった。
「ブラック企業に勤めてて心が壊れかけてるような人は、死んでも仕事やめたいって思うみたいだよ。死んだら元も子もないってのは元気な人間の正論だね」
「とりあえず今までわかったこととしては、疑われる理由はあるけれど証拠も動機もはっきりとしたものがあるわけではないってところか」
「そういうことになるね。でもシロちゃん側には話を聞けてないから、もう少し調べてみないとなんとも言えないけど」
恭一は腕組みをして息を吐き出した。結局のところは何も進んでいないも同然だ。そして橙に調査を依頼した件はもうひとつある。
「――もう一つの方は」
「あっちはまだ全然。使われたのが天然毒だったってのは公式の発表で出てたけど、自殺で処理されてるし大した情報はなかったね」
もうひとつは母親の死についてだ。その頃は別々に暮らしていたため、恭一はその日に何が起きたのかを人づてにしか聞いていない。何かを知っているとすれば天花だが、天花は天花でそのときのことは碌に覚えていないのだ。
「ま、でも二歳児でも人を殺すことはあるし、親の気を引こうとして、そんな結果を引き起こすとは知らずに……みたいなこともあるだろうからね。でも、色々調べてて引っかかることが一つある」
「引っかかること?」
「さっきのシロちゃんの話、転校したら体調も良くなったって言ったろ? もちろんいじめがなくなってストレスが消えたってのもあるけど、それとよく似たことが起きてると思わないか?」
皓という少女の体調不良はある薬物の中毒が原因だった。そして、それを摂取することがなくなったから体調が回復した。それとよく似たこと――暫く考えを巡らせた恭一は、やがて橙の言葉の意味に気が付いた。
「……確かに母親が死んでから、入院するほど体調を崩すことはなかったな」
「偶然かもしれないけどね。小さい頃に体が弱くても、免疫がついてきて小学生になる頃には元気になる子とかもいるみたいだし」
「偶然だと思うけどな。一番天花の体調を気にしていたのは母親だったと思うし」
「だよねぇ。ま、オレはこんなところにずっといるから疑う癖が付いちゃったけど。とりあえず今のところオレが言えるのはこのくらい」
「そうか。ありがとう」
住居の斡旋から、秘密裡の調査まで、橙には頼りきりになってしまった。後で何か礼をしなければならないな、と恭一はぼんやりと考えていた。
「そうそう、恭一に聞こうと思ってたんだけど」
一息ついて出されたコーヒーを飲んでいた恭一に、橙がにやにやと笑いながら尋ねてきた。絶対に碌な質問でないことは聞く前からわかる。
「天花ちゃんとはもうヤッたの?」
「お前はコーヒーが冷めてたことに感謝した方がいいな」
聞き方があまりにも下世話すぎる。橙が明け透けな人間だというのはわかっていたが、正直呆れてしまった。
「で、答えは? 部屋まで用意してやったんだから教えてくれてもいいだろ?」
「ノーコメント」
「ってことはイエスってことだよね。だってやってないならやってないって言えばいいんだから」
橙は勘が良くて嫌になる。紛れもない事実なのだが、他人にそれを打ち明けるつもりは微塵もなかったのに。
「……そんなこと聞いて、お前に何の得がある?」
「興味あるだけだよ? 世の中見てみろよ、自分には関係ない芸能人の下半身事情に注目してる暇人がうじゃうじゃいる。それに比べたら知り合いのことに興味あるなんてめちゃくちゃ健全だろ」
「……手を出すつもりはなかったんだ」
あくまで血の繋がった妹として大切に思っていたはずだった。けれど父親を殺した天花を連れて逃げるという異常な状況が判断を大きく狂わせた。家族という枠に嵌めて押し殺していたものが表に出てしまったのだ。けれどこれも言い訳に過ぎない。本当は体の関係など持つべきではなかったし、今でもずるずるとそれを続けてしまっているのは許されることではない。たとえそれが天花の望んだことであったとしてもだ。
「まあオレは二人がいいならそれでいい派だけどね」
「自分でやっといてって話ではあるが……これから天花が生きていくにあたって、悪い影響がないといいんだけどな」
自嘲的に笑いながら恭一は呟いた。天花の幸福を願っているのは本当だ。けれど、抑えきれない感情があるのも否定はできない。
「……何にせよ、罪を犯したのは事実だけど、それでも」
あんな家に生まれなかったら、何かが少しでも違っていたら、こんなことにはならなかっただろうか。時折どうしても考えてしまう。父を殺したのが自分であれば。あの日、何かが起こる前に家に帰っていれば――後悔をあげればきりがない。
「オレも決して綺麗なことばっかりやってきたわけじゃないから大したことは言えないけどさ、これから人生をやり直すつもりならひとつだけ言っとくことがある」
改まった口調で橙が言う。こんな前置きをするときの橙の言葉は大抵無視できないものだ。橙は恭一の目をまっすぐに見つめて言った。
「一度悪いことをしてしまうと、頭の中にその選択肢が常にちらつくようになる。嘘をつくことだって、薬だって、人殺しだって同じだ。何かがあったときに、人を殺したことのある人間の頭の中には、殺すって選択肢が生まれる。――気をつけたほうがいい。天花ちゃんも、お前も」
それはこの治安の悪い地区に身を置いて、さまざまな人間を見てきたからこその言葉だった。違法薬物を絶ったはずの人間が再び手を出してしまったり、立ち直ったはずの人間が再び身を持ち崩してしまうのを目の当たりにしてきたのだろう。
「わかった。気をつけるよ」
「そうしてくれ。お前はオレの大事な友達だからな」
これ以上人を殺すつもりはない。罪を重ねれば重ねるほど追い込まれるのだ。天花のためにも、ここでリセットしなければならない。恭一は懐に忍ばせていた拳銃を取り出した。
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