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番外編7(2024年文披31題)
25・暑すぎる夏(カラカラ)
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「あ、暑……」
「き、黄乃ー!!!!」
暑すぎる夏。喫茶アルカイドにはある事件が起きていた。
先日の事件で警察に突き出した男が逆恨みの末に店に乗り込んできて、パニックになった黄乃が能力の方向を間違えてエアコンを破壊してしまったのだ。
エアコンが破壊されたことで男は逃げ帰っあたので事なきを得たのだが、問題はもうそこにはない。寧々は保冷剤を星音と黄乃に配りながら言う。
「とりあえず臨時休業にしたし、エアコン業者はすぐ来てくれるみたいだけど……」
「もうミイラになりそうや……」
「す、すいません……」
黄乃は既にあまりの暑さにへばっている。しかしへばりながらも自分の引き起こした事態を謝っていた。
「いやそもそもあの男が悪いし……とりあえず二人とも二階に行こうか。二階ならエアコン効いてるし……」
寧々は汗を拭いながら二人を二階に案内した。二階のリビングは誰もいないがしっかりと冷房が効いている。
「エアコンつけっぱなしなんや……今回に関しては助かったけど」
「この部屋日当たりが良くて、日中消してると激烈に暑いのよ……一応人がいないときは自動で弱になるんだけどね……」
「店に比べたら天国や……」
エアコン以外は無事だったので、食品などの保存に問題はないだろう。しかしもはや人のいられる場所ではない。数分で干からびそうだ。
「ごめんなさい、エアコン壊しちゃって……」
「いやエアコンが壊れたおかげで特に何もしてないけど帰ってくれたし……」
「まあ突然エアコンがぷすぷす言ってたら誰でもビビるわ……」
三人が涼しさを謳歌していたそのとき、リビングの扉が開いて由真が顔を出した。
「お店臨時休業って何か……?」
あまりにだらけた格好の三人を前にして由真の動きが止まる。しかしもう事情を説明するのも面倒だと全員が思っていた。
「あ、アイス買ってきたけど食べます……?」
由真のその言葉に干からびていた三人が一気に息を吹き返したのは言うまでもなかった。
「き、黄乃ー!!!!」
暑すぎる夏。喫茶アルカイドにはある事件が起きていた。
先日の事件で警察に突き出した男が逆恨みの末に店に乗り込んできて、パニックになった黄乃が能力の方向を間違えてエアコンを破壊してしまったのだ。
エアコンが破壊されたことで男は逃げ帰っあたので事なきを得たのだが、問題はもうそこにはない。寧々は保冷剤を星音と黄乃に配りながら言う。
「とりあえず臨時休業にしたし、エアコン業者はすぐ来てくれるみたいだけど……」
「もうミイラになりそうや……」
「す、すいません……」
黄乃は既にあまりの暑さにへばっている。しかしへばりながらも自分の引き起こした事態を謝っていた。
「いやそもそもあの男が悪いし……とりあえず二人とも二階に行こうか。二階ならエアコン効いてるし……」
寧々は汗を拭いながら二人を二階に案内した。二階のリビングは誰もいないがしっかりと冷房が効いている。
「エアコンつけっぱなしなんや……今回に関しては助かったけど」
「この部屋日当たりが良くて、日中消してると激烈に暑いのよ……一応人がいないときは自動で弱になるんだけどね……」
「店に比べたら天国や……」
エアコン以外は無事だったので、食品などの保存に問題はないだろう。しかしもはや人のいられる場所ではない。数分で干からびそうだ。
「ごめんなさい、エアコン壊しちゃって……」
「いやエアコンが壊れたおかげで特に何もしてないけど帰ってくれたし……」
「まあ突然エアコンがぷすぷす言ってたら誰でもビビるわ……」
三人が涼しさを謳歌していたそのとき、リビングの扉が開いて由真が顔を出した。
「お店臨時休業って何か……?」
あまりにだらけた格好の三人を前にして由真の動きが止まる。しかしもう事情を説明するのも面倒だと全員が思っていた。
「あ、アイス買ってきたけど食べます……?」
由真のその言葉に干からびていた三人が一気に息を吹き返したのは言うまでもなかった。
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