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【3章】ドラゴンテール③
しおりを挟む〈ドラゴンテール・パーキング〉
「すげぇぜ、隼人!」
「またまた、セカンドのレコードタイム更新だ!」
「涼太、お前のダチ(隼人)は半端ないな」
「このまま行けば、トップチーム(ファースト)に進級も夢じゃないぜ!」
「聡さん、俺嬉しいっす」
「あいつ(隼人)は俺の自慢のダチです」
「涼太、もうお前だけの自慢のダチじゃぁないぜ。それに泣くのは、まだまだ早い」
「あいつ(隼人)の走りを、しっかり目に焼き付けておくんだ!」
隼人の走りは、グングンとキレを増して行く。その走りは、見る者を釘付(くぎづ)けにさせるほどの凄まじさであった。
この走りの映像は、現地のパブリックビューイング(パーキングエリア内に設置)のみだけではなく、SNS(ソーシャルネットワークサービス)の『𝐓𝐨𝐤𝐓𝐢𝐤』(トックティック)で全世界に生配信されている。
𝐓𝐨𝐤𝐓𝐢𝐤内にてアップされている『フェイクダンサーズ』のアカウントは、今や全世界に100万人を超えるフォロワーが存在するほどの人気となっている。
[キャキャキャキャキャーーー]
[ブォーン、ブォン、ボーーー]
[ンキャキャキャキャキャーー]
「隼人、その調子だ!」
「次が最終コーナーだ!」
「圭介さん、了解です!」
ロングストレートを抜けた後に訪れた下りの7連続ヘアピンカーブ、通称ドラゴンテールの最終コーナー へと入って行った。
隼人が運転するFCの丸目のテールランプ(FC後期型)がパカッと赤く光り、その瞬間横に流れるようにスライドする。
そのまま弧を描くよう滑らかに、最終ヘアピンを曲がって行く。全く無駄の無い見事なまでのコーナリングを魅せる。
その最終コーナーを立ち上がって300m先には、ゴールが待っている。
隼人は最終コーナーを立ち上がると、フルアクセルでゴールへと向かう。
そのゴール前には、たくさんのギャラリーが詰めかけている。
道路脇の左右のポインターから放たれる赤外線の光りが、路面に赤く映し出されている。
このポインターの光りが、ここドラゴンテールのスタート及びゴール地点を示している。
そしてこのポインターのセンサーにより、正確に機械にてタイムを計測しているのだ。各エリアにある中継地点、セクションにも同様のポインターが設置されている。
[フォーーン、フォ、フォーーーーン]
今、隼人の運転するRX-7 FCが、ゴールラインを通過して行った。
「隼人、ナイスドライビングだ」
「お前の腕なら、もうトップクラスと言ってもいい実力だ。俺が教えれる事はもうない」
「圭介さん、ありがとうございます」
直ぐにチーム無線からも祝福の言葉が入って来た。
「ナイス・フィニッシュ、隼人!」
「お疲れ様、いい走りだったぜ」
「ありがとうございます、聡さん」
「涼太も待ってるから、早く戻って来い!」
「それから、隼人に会いたいって言うスペシャルなゲストがお待ちだ」
「了解しました」
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