信長最後の五日間

石川 武義

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4日目

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 家康は次の日、信長の薦めで堺に足を運んだ。
 家康の重臣の井伊直政が
「殿、明日はどちらに。」
「明日は、本能寺で茶会が開かれる。わしもそこに参加する。」
 家康がもし、この日に本能寺へ行っていたのならば、信長と共に討たれていたのかもしれない。

 明智光秀は、坂本城で中国出兵の支度をした。
「殿、支度整いました。」
 光秀の参謀斎藤利三が、報告する。
「利三、皆をここに。」
 利三は、家臣団を呼んだ。
「皆、よく聞いてくれ。わしは明日、京にいる上様を討つ。」
 家臣団は、戦慄した。
 謀反という事は、仕掛けた側は一か八かの勝負である。成功して信長の天下を横取り出来るか、失敗して反逆罪で処刑されるか。
「わしは、賭けに出る。皆、わしに付いてきてくれるな?」
 家臣団は、顔を合わせ。決心した顔で
「殿、何をおっしゃいますか。」
「私共は、殿に従うだけにございます。」
 家臣団は、口々に光秀に従うと応えた。
 光秀は、涙を流して。
「みな…ありがとう。お前らは、わしの誇りだ。」

 その夜、光秀は城を出発して、ある神社に向う。
 そこで、おみくじを引いた。
 一回目は凶。
二回目も凶。
三回目で光秀は「よぉーーし!」という大声を上げた。大吉日が出たのである。
 光秀は、軍を進める。
 そして、ある分かれ道に着いた。
 右は、京へ続く道。
 左は、中国へ続く道。
 光秀は、軍を止め。
「これより我は、中国へ行くのではなく、京へ向う。」
 すると、足軽兵は動揺した。
 光秀は、小さい声で「敵は本能寺にあり。」と呟き、覚悟を決めたのか。次は大声で
「敵は本能寺にあり!」と叫ぶ。
 足軽兵は、「おーー!」と叫んで京へ進軍した。
 明智の一万の軍が、まるで大河のように流れていく。
 不気味な足音が、京にいる本能寺に近づいていく。
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