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――指輪にそっと触れる。
すると菜々の頭の中に指輪の持ち主の思念が飛び込んでくる。
ここは「ゆめ屋」。
依頼人の未来を占ったり、『もう一度、逢いたい』という気持ちを叶えて差し上げる場所。
先ほどまで依頼人の指輪に触れていたのが、サイコメトリーの能力を使い特殊なサービスを提供する菜々である。
サイコメトリーとは、物体に触れることにより、その物体に残る人の残留思念を読み取る能力。
彼女は十歳の時、車に轢かれた猫の付けていた首輪に直接触れたことで、その能力に目覚めたという。
菜々が、ゆめ屋のオーナー『知世』と出逢ったのも、その出来事がきっかけとなった。
その頃の菜々は、まだ幼かった為、大人の助けを借りるという考えも浮かばず、道路脇で見つけた猫の亡骸を近くの公園に、どうにか一人で運ぼうとしていた。
普通の子供なら、回れ右してしまいそうな局面だが、菜々は共感力が人一倍強く、可哀想な猫をどうにかしてあげたいという気持ちの方が強かったようだ。
それでもやはり、猫の亡骸は痛ましく、彼女は直視できず、体の下にそっと手を入れて運んだ。
『ねぇ、なんで僕はこんな姿なの? あの人がいないうちに抜け出して、ちょっと遊びに行こうとしただけなのに…… ねぇ、なんで足が動かないの?』
突然、誰かの声がして、菜々は辺りを見回す。
だが、車が時折、通り過ぎていくだけだった。
菜々は空耳だと自分に言い聞かせ、公園に急いだ。
公園に着いた時、先ほどまで微かに感じられた猫の体温は、なくなっていた。
まだ昼間だということもあり、公園内は子供達が数名駆けずり回っていて、都合がいいことに誰も菜々の奇妙な行動に気づく者はいなかった。
人のいない植栽の影に行き、ひんやりと湿った土の上にそっと猫を横たわらせる。
「可哀想に……」
何かの拍子に甦りそうな気がするくらい、猫の死に顔は穏やかだった。
猫が付けていた小さな水色の首輪に触れる。
飼い猫らしいが、裏に連絡先などの記入はなかった。
すると、
『ねぇ、此処は何処? もうそろそろお腹が空いたから帰りたいんだ。あの人が、おやつをくれる時間なんだよ!』
先ほどの声が、また聞こえた。
すると菜々の頭の中に指輪の持ち主の思念が飛び込んでくる。
ここは「ゆめ屋」。
依頼人の未来を占ったり、『もう一度、逢いたい』という気持ちを叶えて差し上げる場所。
先ほどまで依頼人の指輪に触れていたのが、サイコメトリーの能力を使い特殊なサービスを提供する菜々である。
サイコメトリーとは、物体に触れることにより、その物体に残る人の残留思念を読み取る能力。
彼女は十歳の時、車に轢かれた猫の付けていた首輪に直接触れたことで、その能力に目覚めたという。
菜々が、ゆめ屋のオーナー『知世』と出逢ったのも、その出来事がきっかけとなった。
その頃の菜々は、まだ幼かった為、大人の助けを借りるという考えも浮かばず、道路脇で見つけた猫の亡骸を近くの公園に、どうにか一人で運ぼうとしていた。
普通の子供なら、回れ右してしまいそうな局面だが、菜々は共感力が人一倍強く、可哀想な猫をどうにかしてあげたいという気持ちの方が強かったようだ。
それでもやはり、猫の亡骸は痛ましく、彼女は直視できず、体の下にそっと手を入れて運んだ。
『ねぇ、なんで僕はこんな姿なの? あの人がいないうちに抜け出して、ちょっと遊びに行こうとしただけなのに…… ねぇ、なんで足が動かないの?』
突然、誰かの声がして、菜々は辺りを見回す。
だが、車が時折、通り過ぎていくだけだった。
菜々は空耳だと自分に言い聞かせ、公園に急いだ。
公園に着いた時、先ほどまで微かに感じられた猫の体温は、なくなっていた。
まだ昼間だということもあり、公園内は子供達が数名駆けずり回っていて、都合がいいことに誰も菜々の奇妙な行動に気づく者はいなかった。
人のいない植栽の影に行き、ひんやりと湿った土の上にそっと猫を横たわらせる。
「可哀想に……」
何かの拍子に甦りそうな気がするくらい、猫の死に顔は穏やかだった。
猫が付けていた小さな水色の首輪に触れる。
飼い猫らしいが、裏に連絡先などの記入はなかった。
すると、
『ねぇ、此処は何処? もうそろそろお腹が空いたから帰りたいんだ。あの人が、おやつをくれる時間なんだよ!』
先ほどの声が、また聞こえた。
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