21 / 599
異世界転移前 準備
夢の通い路 前世 善行
しおりを挟む
‐‐‐‐‐誰かの記憶が流れ込んでくる。
‐‐‐‐‐息苦しい。
体が鉛のように重たい。ようやく開いた瞼はぼやけた世界を映していた。いつもより狭い視界、何故かモノトーンで見える。
‐‐‐此処はどこなんだ?
エルシオンにとって、初めて目にするものばかり。ようやく動かない体で思案し、自分が、ある室内の床に横たわっていることを理解した。
回りに気を配るばかりだったが、ふと自分の手を見てみる。
白く短い毛並み、ほっそりとした動物の足のようなものが2本重なっていた。
わからない。どうしてこんなことに?
足音が聞こえる。話し声が重なっている?そんな時、自分と別の意識が浮上した。
「ただいまー。太郎はどう?」
「お帰り。綾子。いつもの場所で横になっているわ。」
「太郎ね、昨日と同じで急に起き上がって倒れそうになりなっても自分で歩いておしっこシートまで、おしっこできたのよ。偉かったよ。」
‐‐‐きこえる
‐‐‐きた きた…… 帰ってきた
‐‐‐良かった。ぼくのいのちがつきるまえにおねえちゃんはかえってきてくれた
うれしい
うれしい
おかえりって、つえたい
うごけ うごけ さいごにもういちど
ファサ ……
「ただいま太郎」
おかえりなさい
ファサ……
「晩ごはん取ってくるけど、すぐもどるからね。」
太郎の心音はやがて
とくん…とくん…… とく……… と…………
太郎は魂だけの霊体となってからも佐藤家の家族を、綾子を守ろうと側にいた。
そして、あの雷が轟き。異空間に迷い混んだ綾子の側で神が現れるまで吠え続け、神の粋な計らいで刹那の交流を果たした。
ワン!・・ワンワン!・・ワンワン!・・
?!ッ・・ワッ!!・・ギャワッ!!!
ちょっ。焦るな。落ち着け。呼んでいたのはおまえだな?霊魂の身でよくもまぁ…。
もう大丈夫だ。そっちの彼女はお前のおかげでまだ何とかなる。偉いぞ。よく守り続けたな。まずはお前の回復からだ。
さあ、霊魂の揺らぎがましになったし、色々聞かせてもらいたい。こちらとしては、彼女には訳あって詳しく話せない事情云々はあるが、できるだけ彼女の希望を叶える形で異世界転移に納得してもらわなければいけない。協力してくれるか?
ワン! ファサ…ファサ
よしよし。賢いな。助かる。手始めにお前の知る彼女について教えてくれ。
わかった。じゃあ彼女を起こすから、そこからは怖がらせないよう太郎が勧める話し方にしてみる。サポートよろしく 。
ワン♪ ファサ…ファサ
ツン
スリスリ…スリスリ…スリスリ
ファサファサ…ファサファサ…ファサファサ。
うれしい うれしい
ファサファサ…ファサファサ
思い出した。
綾子という大切な存在を守るため、死してからも側で守る道を選んだ自分。
後悔はない。
‐‐‐‐‐息苦しい。
体が鉛のように重たい。ようやく開いた瞼はぼやけた世界を映していた。いつもより狭い視界、何故かモノトーンで見える。
‐‐‐此処はどこなんだ?
エルシオンにとって、初めて目にするものばかり。ようやく動かない体で思案し、自分が、ある室内の床に横たわっていることを理解した。
回りに気を配るばかりだったが、ふと自分の手を見てみる。
白く短い毛並み、ほっそりとした動物の足のようなものが2本重なっていた。
わからない。どうしてこんなことに?
足音が聞こえる。話し声が重なっている?そんな時、自分と別の意識が浮上した。
「ただいまー。太郎はどう?」
「お帰り。綾子。いつもの場所で横になっているわ。」
「太郎ね、昨日と同じで急に起き上がって倒れそうになりなっても自分で歩いておしっこシートまで、おしっこできたのよ。偉かったよ。」
‐‐‐きこえる
‐‐‐きた きた…… 帰ってきた
‐‐‐良かった。ぼくのいのちがつきるまえにおねえちゃんはかえってきてくれた
うれしい
うれしい
おかえりって、つえたい
うごけ うごけ さいごにもういちど
ファサ ……
「ただいま太郎」
おかえりなさい
ファサ……
「晩ごはん取ってくるけど、すぐもどるからね。」
太郎の心音はやがて
とくん…とくん…… とく……… と…………
太郎は魂だけの霊体となってからも佐藤家の家族を、綾子を守ろうと側にいた。
そして、あの雷が轟き。異空間に迷い混んだ綾子の側で神が現れるまで吠え続け、神の粋な計らいで刹那の交流を果たした。
ワン!・・ワンワン!・・ワンワン!・・
?!ッ・・ワッ!!・・ギャワッ!!!
ちょっ。焦るな。落ち着け。呼んでいたのはおまえだな?霊魂の身でよくもまぁ…。
もう大丈夫だ。そっちの彼女はお前のおかげでまだ何とかなる。偉いぞ。よく守り続けたな。まずはお前の回復からだ。
さあ、霊魂の揺らぎがましになったし、色々聞かせてもらいたい。こちらとしては、彼女には訳あって詳しく話せない事情云々はあるが、できるだけ彼女の希望を叶える形で異世界転移に納得してもらわなければいけない。協力してくれるか?
ワン! ファサ…ファサ
よしよし。賢いな。助かる。手始めにお前の知る彼女について教えてくれ。
わかった。じゃあ彼女を起こすから、そこからは怖がらせないよう太郎が勧める話し方にしてみる。サポートよろしく 。
ワン♪ ファサ…ファサ
ツン
スリスリ…スリスリ…スリスリ
ファサファサ…ファサファサ…ファサファサ。
うれしい うれしい
ファサファサ…ファサファサ
思い出した。
綾子という大切な存在を守るため、死してからも側で守る道を選んだ自分。
後悔はない。
0
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる