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エスリアール国 出会い
衝撃のカミングアウト
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とんでもなく、ありえないとしか言いようがないことが起きてしまった。
はぁーーー。
ふぅーーー。
聖獣様が去った後、長いため息が二人分重なる。
「とりあえず、帰ろう。神託もあったけれど、それよりも色々ありすぎてまず落ち着きたい。」
「そうだよね。なんか疲れたよね。」
はぁーーー。
ふぅーーー。
お兄ちゃんと帰ってから、顔を洗わせてもらった。スッキリさせないと頭が追い付かない。
私が歌うと、妖精とか幻獣とかが興味を持って寄ってくる。
私が大地讃頌を歌うと、麒麟さん、もとい聖獣のえーと…オルフェウス・ジルフィード様が喜んで、私が個人的に呼び出してもいいし、何か力になってくれるような話をしてた。
全てを繋ぐ者ってなんだろう?聖獣と国?民?世界?スケールが大きすぎてわけがわからなくなってきた。
お兄ちゃんの所行って、神託はどんなだったか聞いてみよう。次の集会にも関わるよね。
リビングに行くと、一家の皆さんが頭を抱えていた。深刻な話?部屋に戻った方がいいかな。
ギィ…
悔しい。私はくの一に向いていない。お兄ちゃんと目が合ってしまった。
「アーヤこちらにおいで。」
「…はい。」
「今、神託の話をまずしていたんだ。それについては大方話はついてる。
アーヤにも話すけど、神からアーヤをヒトの国へ連れていけ、魔法を学べと告げられたんだ。
ヒトの国へ行くには、エルフの国を出国しなくてはいけないし、まず国王に迷客だと紹介しないといけない。」
「…アーヤさんを巻き込むようで気が重いのだけれど、今の国王が私の兄なのよ。前王は私の父。シオンの叔父と祖父が城にいるわ。
従兄弟は留学中だったはず。
私は国の為に政略結婚なんて嫌だったし、夫と添い遂げようと家出同然、駆け落ちしてきたの。」
駆け落ち!すごい…大恋愛だったんですね。と、いうかご実家がシロという地名ではなく城で、コクオウが…兄ゼンオウが…父これもそういうお名前ではなく、役職ですよね?やっぱり。国王、前王…。
頭の中で家系図を想像する。ルピナスさんは前国王の娘、王女様…。と、いうことはその息子のお兄ちゃんは、王子様ー?!
びっくりした。衝撃的事実をルピナスさんさらっと言ってしまっていいんですか?
絶縁?家出?私はどうやら城に行かなくちゃ行けないらしいけど、誰と行くことになるんだろう…。不安がよぎる。
顔に出ていたのか、頭の上に温かい手がのせられる。そのまま撫で、頬に滑らせた。スキンシップにもはや、慣れてしまった私。温もりが安心できて、じっとして見つめる。
「大丈夫。私が一緒に行くから。国王の謁見も、ヒトの国へもね。アーヤを一人にしない。」
「お…シオンさん。」
「そうね、私は出てきてしまった以上会わせる顔がないし、シオンがいいわね。先触れは、私からしておくわ。神託に従って神託者と迷客を向かわせるからと。」
「シオン、面倒な人達でしょうけど、あれでも私の兄と父であり、あなたの叔父と祖父だから初対面でしょうけど宜しくね。母に会ったら渡して欲しい物があるの。当日迄に用意しておくからお願いね。」
「ああ、任せて。」
それからは、私の力のことについてデュカーレ家の皆さんに他言無用の念を押してからお兄ちゃんが話した。
皆さん驚きをなんと表現していいか。
面識を持つはずのない雲の上の存在に遭遇したことをおおいに喜んでいた。村長さん、私を拝まないで…ありがたやってやめて。
又、私の歌を聞きたいとルピナスさんから始まり、ミニコンサートまでいかないが数曲、好きな主題歌、童謡などを歌ったら、案の定家の外から妖精やら精霊や色々窓に集まり出してしまい、騒がしくなってお開きにした。
エルフの村から王城がある首都、リリスへの出発は明後日となり、明日は旅の準備をするそうだ。
お城までは、馬で移動するらしい。魔法でピューと飛んでとか、魔方陣で瞬間移動とかじゃなかった。
馬なんて、子供の頃、ホースランドとかのポニーちゃん位にしか乗ったことない。一人乗りかと心配したが、お兄ちゃんと二人だったので、何とかなりそうだ。
明日は馬と対面して、乗せてもらう練習をする。動物も好きなので、楽しみだ。
はぁーーー。
ふぅーーー。
聖獣様が去った後、長いため息が二人分重なる。
「とりあえず、帰ろう。神託もあったけれど、それよりも色々ありすぎてまず落ち着きたい。」
「そうだよね。なんか疲れたよね。」
はぁーーー。
ふぅーーー。
お兄ちゃんと帰ってから、顔を洗わせてもらった。スッキリさせないと頭が追い付かない。
私が歌うと、妖精とか幻獣とかが興味を持って寄ってくる。
私が大地讃頌を歌うと、麒麟さん、もとい聖獣のえーと…オルフェウス・ジルフィード様が喜んで、私が個人的に呼び出してもいいし、何か力になってくれるような話をしてた。
全てを繋ぐ者ってなんだろう?聖獣と国?民?世界?スケールが大きすぎてわけがわからなくなってきた。
お兄ちゃんの所行って、神託はどんなだったか聞いてみよう。次の集会にも関わるよね。
リビングに行くと、一家の皆さんが頭を抱えていた。深刻な話?部屋に戻った方がいいかな。
ギィ…
悔しい。私はくの一に向いていない。お兄ちゃんと目が合ってしまった。
「アーヤこちらにおいで。」
「…はい。」
「今、神託の話をまずしていたんだ。それについては大方話はついてる。
アーヤにも話すけど、神からアーヤをヒトの国へ連れていけ、魔法を学べと告げられたんだ。
ヒトの国へ行くには、エルフの国を出国しなくてはいけないし、まず国王に迷客だと紹介しないといけない。」
「…アーヤさんを巻き込むようで気が重いのだけれど、今の国王が私の兄なのよ。前王は私の父。シオンの叔父と祖父が城にいるわ。
従兄弟は留学中だったはず。
私は国の為に政略結婚なんて嫌だったし、夫と添い遂げようと家出同然、駆け落ちしてきたの。」
駆け落ち!すごい…大恋愛だったんですね。と、いうかご実家がシロという地名ではなく城で、コクオウが…兄ゼンオウが…父これもそういうお名前ではなく、役職ですよね?やっぱり。国王、前王…。
頭の中で家系図を想像する。ルピナスさんは前国王の娘、王女様…。と、いうことはその息子のお兄ちゃんは、王子様ー?!
びっくりした。衝撃的事実をルピナスさんさらっと言ってしまっていいんですか?
絶縁?家出?私はどうやら城に行かなくちゃ行けないらしいけど、誰と行くことになるんだろう…。不安がよぎる。
顔に出ていたのか、頭の上に温かい手がのせられる。そのまま撫で、頬に滑らせた。スキンシップにもはや、慣れてしまった私。温もりが安心できて、じっとして見つめる。
「大丈夫。私が一緒に行くから。国王の謁見も、ヒトの国へもね。アーヤを一人にしない。」
「お…シオンさん。」
「そうね、私は出てきてしまった以上会わせる顔がないし、シオンがいいわね。先触れは、私からしておくわ。神託に従って神託者と迷客を向かわせるからと。」
「シオン、面倒な人達でしょうけど、あれでも私の兄と父であり、あなたの叔父と祖父だから初対面でしょうけど宜しくね。母に会ったら渡して欲しい物があるの。当日迄に用意しておくからお願いね。」
「ああ、任せて。」
それからは、私の力のことについてデュカーレ家の皆さんに他言無用の念を押してからお兄ちゃんが話した。
皆さん驚きをなんと表現していいか。
面識を持つはずのない雲の上の存在に遭遇したことをおおいに喜んでいた。村長さん、私を拝まないで…ありがたやってやめて。
又、私の歌を聞きたいとルピナスさんから始まり、ミニコンサートまでいかないが数曲、好きな主題歌、童謡などを歌ったら、案の定家の外から妖精やら精霊や色々窓に集まり出してしまい、騒がしくなってお開きにした。
エルフの村から王城がある首都、リリスへの出発は明後日となり、明日は旅の準備をするそうだ。
お城までは、馬で移動するらしい。魔法でピューと飛んでとか、魔方陣で瞬間移動とかじゃなかった。
馬なんて、子供の頃、ホースランドとかのポニーちゃん位にしか乗ったことない。一人乗りかと心配したが、お兄ちゃんと二人だったので、何とかなりそうだ。
明日は馬と対面して、乗せてもらう練習をする。動物も好きなので、楽しみだ。
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