54 / 599
エスリアール国 出会い
変わらない信頼1
しおりを挟む
隠していた訳ではないけれど、母の語っていなかったこの国の王女だということを聞いても、綾子は、不安そうに驚いてはいたようだが、混乱はしていないように見えた。安心させたくて、気づいたら体が勝手に動いてしまう。
自分の生い立ちや両親の馴れ初め等、聞かされた時はどこか他人事のようで、会ったことのない血縁者達に対してどうも感じなかった。
村に、時々王族の手の者が来ていたのは知っていた。無理やり母を連れ戻しに来たわけではないようで、こちらからは接触せず、どう動くのか様子をみていた。
母もそろそろ実家に帰らないにしても、何らかの関わりをすることで和解を考えているのかもしれない。駆け落ちが成功したのは一重に母の母、祖母の後押しと協力があったからこそらしい。
明日は、王城に向けて出発となる。今日のうちに馬に慣れておかないと。
「アーヤ、そろそろ乗馬の練習に行くよ。せっかくだから、馬に慣れら泉へ行こうか。」
「はーい。支度大丈夫です。馬って身近にいなかったから、楽しみです。」
「では、行こう。」
「はい。」
「二人とも、行ってらっしゃい。気をつけてね。」
「行ってきます」
「行ってくる。」
ツリーの上に流石に馬屋はなくて、地上の川に近い平原 に馬場はあった。
「この馬が、私の飼っている馬で、グレイスだ。グレイス、私の家族のアーヤだ。明日は王城まで行くから、今日はアーヤが慣れるように付き合ってくれ。宜しく頼む。」
「よろしくね、グレイス。」
ブルル。
わかったとばかりに嘶いた。
まるで会話を理解しているかのようなお返事をもらった。
グレイスは、地球の馬と大体同じ姿、形なのだが一回り大きい。
鬣は燻し銀のようなシルバーで全体の肌は薄い青と銀を混ぜたような色で豹のような模様が異世界感を出していた。他の馬も模様はついていて、色も様々。
「アーヤ、準備できた。まずは私が乗るから次に掴まって上においで。引っ張り上げるから手は、鞍のここと私の手に。そう。」
「わかった。やってみる。よいしょっ。」
ぐいっと力を入れて、難なく引っ張り上げられ、乗れた。
お兄ちゃんの前に座り、左半身を向けて両腕で捕まる。ぐらついた時落ちてしまうからとしっかり密着&背中に腕を回して抱きつく位掴まるように指導が入った。
足は揃えて横乗りするか、正面を向いて開くか二通りあると思っていたのだけど、お兄ちゃんからは、こちらの常識として横乗り一択だったのでそれに習う。
お兄ちゃんの胸に顔がくっつく位密着して掴まる形になり、心臓がドキドキしている。ばれませんように…。
「しっかり、そのまま掴まっているように。初めはゆっくり途中から軽く駆けて、スピードを上げるから。」
「う、うん。わかった」
高い視線から見る景色は、また違って見えた。
自分の生い立ちや両親の馴れ初め等、聞かされた時はどこか他人事のようで、会ったことのない血縁者達に対してどうも感じなかった。
村に、時々王族の手の者が来ていたのは知っていた。無理やり母を連れ戻しに来たわけではないようで、こちらからは接触せず、どう動くのか様子をみていた。
母もそろそろ実家に帰らないにしても、何らかの関わりをすることで和解を考えているのかもしれない。駆け落ちが成功したのは一重に母の母、祖母の後押しと協力があったからこそらしい。
明日は、王城に向けて出発となる。今日のうちに馬に慣れておかないと。
「アーヤ、そろそろ乗馬の練習に行くよ。せっかくだから、馬に慣れら泉へ行こうか。」
「はーい。支度大丈夫です。馬って身近にいなかったから、楽しみです。」
「では、行こう。」
「はい。」
「二人とも、行ってらっしゃい。気をつけてね。」
「行ってきます」
「行ってくる。」
ツリーの上に流石に馬屋はなくて、地上の川に近い平原 に馬場はあった。
「この馬が、私の飼っている馬で、グレイスだ。グレイス、私の家族のアーヤだ。明日は王城まで行くから、今日はアーヤが慣れるように付き合ってくれ。宜しく頼む。」
「よろしくね、グレイス。」
ブルル。
わかったとばかりに嘶いた。
まるで会話を理解しているかのようなお返事をもらった。
グレイスは、地球の馬と大体同じ姿、形なのだが一回り大きい。
鬣は燻し銀のようなシルバーで全体の肌は薄い青と銀を混ぜたような色で豹のような模様が異世界感を出していた。他の馬も模様はついていて、色も様々。
「アーヤ、準備できた。まずは私が乗るから次に掴まって上においで。引っ張り上げるから手は、鞍のここと私の手に。そう。」
「わかった。やってみる。よいしょっ。」
ぐいっと力を入れて、難なく引っ張り上げられ、乗れた。
お兄ちゃんの前に座り、左半身を向けて両腕で捕まる。ぐらついた時落ちてしまうからとしっかり密着&背中に腕を回して抱きつく位掴まるように指導が入った。
足は揃えて横乗りするか、正面を向いて開くか二通りあると思っていたのだけど、お兄ちゃんからは、こちらの常識として横乗り一択だったのでそれに習う。
お兄ちゃんの胸に顔がくっつく位密着して掴まる形になり、心臓がドキドキしている。ばれませんように…。
「しっかり、そのまま掴まっているように。初めはゆっくり途中から軽く駆けて、スピードを上げるから。」
「う、うん。わかった」
高い視線から見る景色は、また違って見えた。
0
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる