夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

読み書きは大事2

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「では、まずアーヤ様がこちらの書物を読めるか確認してみましょう。数冊ご用意致しますね。」

「あ、私も一緒に見て回っていいですか?」

「もちろん。ここは段差も多く、薄暗いので足元にお気を付けてください。お手をどうぞ。」

「えっ?大丈夫ですけど…。」

「私と手を繋ぐのはお嫌ですか?」

シュンと悲しい顔をするレイファンスさん。

「いえ、そういう訳ではないです。なんだか申し訳ないというか、そういう対応に慣れてないといいますか。」

「嫌でなければ、どうぞお手を。図書室に不馴れな方には皆よくつまずいたり転倒されてしまうので、心配なのです。」

「わかりました。気をつけますが、よろしくお願いします。」

レイファンスさんの手の平に自分の手を乗せてキュッと握られる。


「まずはこの国エスリアールの書物…はあちらにあります。」

図書室は丸い円柱の空間になっていて、入り口から少し歩いた先に机と椅子が幾つかあり、数組落ち着いて読める場所らしい。 

中央の読みスペースの周囲は十字に通路があって一階の本棚に行くことができる。

階段で二階に行けばまた沢山の本棚と通路の途中に机と椅子のセットやソファー、椅子だけ等所々で読めるようになっている。

手を引かれ、歩いてついて行く。
もしも、足元にも通路に沿って雪道のキャンドルライトみたいな光があればより安全になるような気がしたが、沢山ライトが増えると魔力も消費が大変になるのかもしれないので提案は控えておいた。

いずれ、魔法を習得したらイルミネーションのようなライトアップをしてみたいなと一人思う綾子。

「こちらの書物は、マジェストーラの物です。次は向こうへ。」
「はい。」


「最後に、二階の奥ですが…非常に貴重な蔵書で魔族ラナンキュラスの魔法本があります。」
「魔法本、興味があります。」

「他にも気になる書物があれば手に取って構いませんからね。」
「ありがとうございます。」

「魔法関係と、食文化関係と、お金の流通関係と、各国の特産物、国の歴史などがあれば読んでみたいですね。」

「アーヤ様は面白い視点をお持ちですね。それだけ興味がある分野がおありとは。」

「せっかくなら広く浅く見識を広げようかなと思いまして。読めればですが。」

「もしも、読めなくても私が一からお教え致しますよ。」

「ありがとうございます。」

「手始めに今集めた数冊をそこの机と椅子の所で見てみましょう。アーヤ様、こちらにどうぞ。」

「はい。ありがとうございます。」

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