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エスリアール王城 出会い
はじめての転移4
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「アーヤさん靴と上着を脱ぎますよ?お手伝いしますね。レンズも外します。失礼します。」
「じ、自分でしま…す。」
「目も開かない人が何を言っているんですか。」
ラナ先生はテキパキ靴を脱がしてくれて次に起き上がる支えをしてくれながら丁寧に上着を脱がせて横にしてくれた。
その後、ラナ先生が私のおでこに触れながら話す。
「まだ、眩暈は残っているようですね。少し波長の乱れを整えます。」
そう言った後、すぐに体調に変化があった。スウーッと楽になり、クラクラも収まった。
重たかった体も、閉じた瞳の中の暗闇に光る白くチカチカした視界ももとに戻り、ゆっくり体を起こすと、背中と肩を支えてくれた。
「もう、大丈夫そうです。ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。ラナ先せ…。」
先生の方に顔を向けてしっかり目を開けると、近い距離にいつかの違う美形さんの顔があってびっくりした。メガネ外してたんだっけ。私の横になったソファーの端に先生も腰を掛けていたようだ。
「大丈夫ですか?体調はどうです?先程より少し顔色はよくなりましたけど。」
「はい、だいぶ元通りです。眩暈も収まりました。おでこに触れて貰ってからすっかりよくなりました。ラナ先生のおかげです。ありがとうございました。」
先生の心配する気持ちがありがたく、元気になったことをアピールしたくて笑顔で腕を上げ下げして見せた。
「アーヤさん。実は転移後から、術を解いて本来の姿になっているんです。なので他者もこの姿に見えていますし、この姿の時は私をサリアンと呼んで頂けますか?ラナ・ブラムは偽名なんです。」
「わかりました。と、いうことはこのお店は先生の本当の故郷なのですか?」
「ええ、そうです。ラナンキュラス国といいます。」
「間違えないように気をつけます。」
「よろしくお願いします。ああ、結った髪が乱れてしまいましたね。」
「え?結い直した方がいいですか。ああ、この辺、歪んでますね。」
触れながら確認してみると、ほつれた所があちこちあった。
「ちょっと座り直してから、髪もやり直そうかな。」
「お待ちください。」
足を床に降ろして立とうとしたが斜めに足をずらしたところで先生に止められた。どうしましたか?
「靴を履いていませんから…。」
「ああ、そうでした。へっ?」
先生が立って靴を取って貰うのも悪いから探そうとしていたら膝下と脇の下に腕を入れられてソファーからまた横抱きにされて向きを変えて座り直しをされてしまった。
「もう、大丈夫ですから!靴を履いてから自分で座り直せますから。」
「そうしょうけど…病み上がりですしこの方が早いと思いまして。元気なお顔が見られて良かったです。」
「はぁ…。」
天然で紳士?その微笑みは威力ありすぎます。
白銀の長い髪はシルヴァーホワイト、男性でみつあみが似合うってどうなの?はい、異世界だしありですね!
メガネは掛けたままでキラリと反射していて、レンズの奥には紫のアメシスト色の瞳ですよ!宝石で言えばアメジスト。
顔のパーツ一つ一つが綺麗で耳が少し尖ってるのかな?エルフとも人とも違う美しい容姿。
「失礼して今、髪を直してもいいですか?」
「どうぞ。隣に掛けてもよろしいですか?」
「ど、どうぞ!すみません気が利かなくって。」
「いいえ。」
「…取れた。」
パチンと髪飾りを外したら絡まずに取れて良かった。編み込まれていた長い黒髪が、緩いウェーブを描いて背中に流れる。
簡単に上半分を集めて、顔のサイドに邪魔にならないようにして髪飾りをつける。
「よし。できた。」
ラナ先生の方を向いて聞いてみる。
「どうですか?変なところないでしょうか?」
「その髪型もお似合いです。…アーヤさん、少しじっとしていてください。」
「?」
スッ
「……はい。これでよろしいですよ。頬の横に一筋残っておりました。」
私の右頬の横を触れそうに手を伸ばされ、耳に取り残していた髪をかけてくれた。う~!言ってくれれば自分でなおすのに。
「あ、ありがとうございます……。」
「いいえ、どういたしまして。」
何となく気恥ずかしい。居たたまれない。
…ニャ~~オ
ん?ネコの声?
「じ、自分でしま…す。」
「目も開かない人が何を言っているんですか。」
ラナ先生はテキパキ靴を脱がしてくれて次に起き上がる支えをしてくれながら丁寧に上着を脱がせて横にしてくれた。
その後、ラナ先生が私のおでこに触れながら話す。
「まだ、眩暈は残っているようですね。少し波長の乱れを整えます。」
そう言った後、すぐに体調に変化があった。スウーッと楽になり、クラクラも収まった。
重たかった体も、閉じた瞳の中の暗闇に光る白くチカチカした視界ももとに戻り、ゆっくり体を起こすと、背中と肩を支えてくれた。
「もう、大丈夫そうです。ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。ラナ先せ…。」
先生の方に顔を向けてしっかり目を開けると、近い距離にいつかの違う美形さんの顔があってびっくりした。メガネ外してたんだっけ。私の横になったソファーの端に先生も腰を掛けていたようだ。
「大丈夫ですか?体調はどうです?先程より少し顔色はよくなりましたけど。」
「はい、だいぶ元通りです。眩暈も収まりました。おでこに触れて貰ってからすっかりよくなりました。ラナ先生のおかげです。ありがとうございました。」
先生の心配する気持ちがありがたく、元気になったことをアピールしたくて笑顔で腕を上げ下げして見せた。
「アーヤさん。実は転移後から、術を解いて本来の姿になっているんです。なので他者もこの姿に見えていますし、この姿の時は私をサリアンと呼んで頂けますか?ラナ・ブラムは偽名なんです。」
「わかりました。と、いうことはこのお店は先生の本当の故郷なのですか?」
「ええ、そうです。ラナンキュラス国といいます。」
「間違えないように気をつけます。」
「よろしくお願いします。ああ、結った髪が乱れてしまいましたね。」
「え?結い直した方がいいですか。ああ、この辺、歪んでますね。」
触れながら確認してみると、ほつれた所があちこちあった。
「ちょっと座り直してから、髪もやり直そうかな。」
「お待ちください。」
足を床に降ろして立とうとしたが斜めに足をずらしたところで先生に止められた。どうしましたか?
「靴を履いていませんから…。」
「ああ、そうでした。へっ?」
先生が立って靴を取って貰うのも悪いから探そうとしていたら膝下と脇の下に腕を入れられてソファーからまた横抱きにされて向きを変えて座り直しをされてしまった。
「もう、大丈夫ですから!靴を履いてから自分で座り直せますから。」
「そうしょうけど…病み上がりですしこの方が早いと思いまして。元気なお顔が見られて良かったです。」
「はぁ…。」
天然で紳士?その微笑みは威力ありすぎます。
白銀の長い髪はシルヴァーホワイト、男性でみつあみが似合うってどうなの?はい、異世界だしありですね!
メガネは掛けたままでキラリと反射していて、レンズの奥には紫のアメシスト色の瞳ですよ!宝石で言えばアメジスト。
顔のパーツ一つ一つが綺麗で耳が少し尖ってるのかな?エルフとも人とも違う美しい容姿。
「失礼して今、髪を直してもいいですか?」
「どうぞ。隣に掛けてもよろしいですか?」
「ど、どうぞ!すみません気が利かなくって。」
「いいえ。」
「…取れた。」
パチンと髪飾りを外したら絡まずに取れて良かった。編み込まれていた長い黒髪が、緩いウェーブを描いて背中に流れる。
簡単に上半分を集めて、顔のサイドに邪魔にならないようにして髪飾りをつける。
「よし。できた。」
ラナ先生の方を向いて聞いてみる。
「どうですか?変なところないでしょうか?」
「その髪型もお似合いです。…アーヤさん、少しじっとしていてください。」
「?」
スッ
「……はい。これでよろしいですよ。頬の横に一筋残っておりました。」
私の右頬の横を触れそうに手を伸ばされ、耳に取り残していた髪をかけてくれた。う~!言ってくれれば自分でなおすのに。
「あ、ありがとうございます……。」
「いいえ、どういたしまして。」
何となく気恥ずかしい。居たたまれない。
…ニャ~~オ
ん?ネコの声?
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