夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

移り香side***エルシオン1

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エルシオンは綾子が中庭に現れたことを察知し、迎えに向かった。シュナイゼは勤勉にも夕食が近づく頃から待機していた。

中庭でラナ・ブラムに対する綾子の反応が最初の出会いで怯えていたせいもあって、比べたらかなり二人は親しげに見えた。

一日で何があったのだろう。特にラナ・ブラムの綾子に対する態度がまるで違う。面接の時は興味はあるがそれだけの視線だった。

それが、今はどうだ。遠目でもわかる。明らかに綾子に対する心境が変化しているだろう。私が来たことを気づいていながらの言動も侮れない。

「お帰りなさい、アーヤ。」
そう話しながら近づけば、綾子から普段感じたことのない香りを身に纏っていることに気づき、あの男…ブラムのかおりが移ったのだと直感した。

あんなにはっきりと移る程、幾度あの男は綾子と接触したのか。

胸がムカムカする。今すぐ消したい。


頭を撫でて誤魔化しながらクリーン魔法をかけて移った香りを目の前で消す。
「あれ?何でクリーン魔法かけたの?」
と気づいた綾子。

「外出から帰ったら、手洗いみたいなものだよ。」
目に見えない汚れ・・は落としておいた方がいいし。

「ああ、なるほど。うがい、手洗いね。」異世界の習慣だが、私と綾子には通じるので簡単に納得してくれた。



私と綾子の会話を静観しているブラム。視線を向けてみれば、こちらの意図を気づいているような冷静な微笑み。


「ブラム先生、今日はアーヤが大変お世話になったようで、無事に送ってくださりありがとうございました。」

「いえ、お気になさらず。かえって、時間が足りないくらい私が楽しませて頂きましたよ。
また近々追加の属性封印の為にアーヤさんを迎えに来ます。その際もどうぞご安心ください。」
属性の封印、次の外出…ね。

「そうでしたか。わかりました。」

「ラナ先生、お気をつけて帰ってくださいね。今日はありがとうございました。」
綾子が一歩前に出て笑顔で見送る。

「はい、アーヤさんも次にお会いするまですこやかにお過ごしください。お部屋までお送りせずとも、お出迎えが来たようなので名残惜しいのですが、私はこれで失礼します。」

早く帰ってしまえ。心の中で呟く。

「はい。」

「では、また。」

ブラムは最後に綾子の頭を撫でて、綾子を見つめたまま消え去っていった。

はぁ、すでに私に対してとはまた別の種類の信頼をブラムは綾子に抱かせることに成功したようだ。

チッ、厄介だ。

見た目は派手だが、物腰が柔らかく人畜無害な印象と真面目な講師として接して来る内はまだいい。
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