私はモブのはず

シュミー

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12 第二の父様?

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「アルノド。呼んだか?」
「ああ。実は....」

 なんか話している。結界でも張っているのか、全然聞こえない。一応スキルには《地獄耳》って言うのあるんだけどな。

「リナ。本当にあれを作ったの?」
「はい。母様。....その、私何かしたのでしょうか?」
「大丈夫よ。そんな顔をしないで」
「はい」
「リナ嬢」

 父様との話が終わったのか、アルノド様が話しかけてきた。バレたのかな…?賄賂……

「これをくれるというのは本当か?」
「はい。そのために作りましたから。その…雇ってもらうお礼と…その…仲良く…なりたくて……」

 まぁこれも一理あるが、だいたいは宰相の身の安全とコネクション目的だからな。

「………サヴァン。このままうちの娘にしていいか?」
「娘は渡さん!!!というかさっきから誰だお前!性格違う!!」
「私はアルノド・ライズ・ケレスト。この国の宰相だ。それにこの可愛いの前に性格も何もない」
「…それもそうだな。私の娘は天使だからな」
「私も天使な娘がいるがこれはまた違う天使だ」

 あ、こいつら親バカだわ。

 私が異常な親バカに気づいた時だった。だって娘を天使なんていう人親バカしかいないもんね。

「リナ。私の娘、フィーの侍女になるんだ。君はもう家族みたいなものだ。私のことはお父さんと呼ぶがいい」
「リナの父親は俺だ!!」

 取っ組み合いが始まった。あれ~?さっき感じた貫禄あるお姿は?

「母様。いいの?あれ、放っておいて」
「大丈夫よ。リナが行って二人ともを父様と呼ぶ岳で良いわ」

 母様は私の背中をぐいっと押す。母の笑顔の圧力に、仕方なく二人の元へ行く。母様が止めればいいのに。二人がいくら親ばかだとしても、仮にも母様は父様の妻なのに。

「あの!サヴァ父様!アルノ父様!喧嘩はダメです!!」

 そうするとピタッっと二人は止まった。そして声を揃えて

「「その手があった」」

 と言った。あれ?意外と簡単だった?後ろでは母様がニヤニヤと効果音の着きそうな満点の笑み。なかなか見られない満点の笑みが...!

「二人共が父親になればよかったのか」
「本当は私だけのだが今回はしかたあるまい。。しばらく預けるからな。勝手に戸籍移動とかしたら承知せん。それと「貴方誰?」なんか言われた日にはお前を殺して俺も死ぬ!!」

 おお、収まった。けど父様怖い。何その台詞。初めて本や、映画、アニメ以外で聞いたわ・というか第二の父様ができちゃった。しかもこの国の宰相。ふっ!我が権力が増大していくわ!!ふあはははは!

 さて、おふざけはおいて。

 あれ?そういえば何の話をしてたんだっけ?

「リナ。私達はもう家族だから実の父親のように接してくれ。欲しいものがあれば言ってくれ。でも、侍女としての仕事はしてもらうぞ」
「はい!アルノ父様!」
「今すぐ屋敷に招待したいが、残念ながら明日だ」
「わかりました」

 荷物は全部かだつけてある。今日は休むだけ!明日からアルノ父様の屋敷に行くのだ!

 ×  ×  ×

「行ったか?」
「ああ」

 リナが自室に戻ってから、サヴァンとアルノドは机を挟んで、座っていた。

「これ、のことだが」

 アルノドが机に置いたのは先ほどリナがプレゼントしたブローチ。

「ああ」
「これには魔法効果がいくつか付与されている。リナはお前が用意したアクセサリーを改造して作ったと言った。元々この効果はついていたのか?」
「いや、付いていなかったはずだ」

 アルノドは眉間にシワよ寄せ、先程リナと接していたような柔らかい雰囲気は消える。

「もしこれを故意でやったとすれば…」
「それはないんじゃないか?」
「いや、無意識だと、うまく魔法は定着しないはずだ」
「だが俺はそんな知識教えていないぞ?」


 アルノドは机に置いたブローチを懐に戻して、サヴァンを真剣な目で見る。

「お前、どこかにリナを連れて行ったか?」
「…王立図書館な……ら……まさか!!」

 何かに気づいたのだろう、サヴァンは机をドンっと叩く。

「おそらく独学。しかもよく見てみれば3つも付与されている。国宝級の代物…それを量産できるとしたら……」

 そこまでアルノドが言った途端、部屋の空気が変わった。もともと重々しかった空気はさらに重圧を増し、それには鋭さも混じっている。一般の騎士であれば一瞬で泡を吹いてその場に倒れているだろう。そんな中で恐怖とも思える低く、冷たい声がアルノドにかかった。

「リナを軍事に使う気か?俺の娘をただの兵器製造のためだけに使うのか?」

 その声の重圧にアルノドの額から冷や汗が出る。

「落ち着け……サヴァン……そんな事はしない……約束する」
「本当か?」
「ああ、誓って利用しないと約束する」

 そうアルノドが言うと、ふっ、と重圧が消えた。

「そうか」

(やれやれ。さすがはサヴァン…今までののだけはある。1つ間違えれば俺でも殺されていたかもしれん。ステータスはいつも隠蔽していると聞いだが、どれだけの力を有しているのか……それにしても昔は感情のひとかけらも見せなかったのに娘のことを少し言うだけでコレか。家族想いになったもんだ)

 ×  ×  ×

「手紙書きますね!行ってきます!!」

 あれから一日がたち、私はアルノ父様の用意した馬車に乗って、小さくなっていく涙を流すサヴァ父様と笑顔で手を振る母様に大きく手を左手を振った。右手はアルノ父様と手をつないでいる。

 でも、なんで私に本当の愛娘のように接してデレてるんだろ。

「それは可愛かったからだよ」
「え?」
「口に出いてた。なぜ愛娘のように…だったな。理由は娘のフィーに似ていて、贈り物が嬉しかったからだ」

 と言ってニコッと笑った。動機が薄い気がする。まあいっか。

 実際、アルノドは、

(最初見た時と、この雰囲気。そして何より可愛い。サヴァンからずっと話を聞いていたし、実際に合わせてもらうのは初めてだが、絵なども何回も見せてもらっていた。気づいたら本当の娘にように感じてしまったのかもな)

 と思っていた。

-------
サヴァンから聞かされ続けたから、実の娘のように思ってしまっているだけです。ロリコンではありません。

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