私はモブのはず

シュミー

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 まだ私が4歳になったばかりの頃のある日。いつも通り私はジルの元をおとづれていた。

〔どお?しゃべれえようになーた?〕

 私はジルに日本語で話しかけた。英語は日本語よりもジルには簡単だったらしく、もう問題ない程度に喋れる。英語はともかく日本語も舌がうまく回らない。そのせいで教えるのが遅れたのもある。

〔あ、あ。けこう結構わかる、なった〕
〔うん!前よりだんぜえいい!!もー普通にはなしてもいーよ〕
「そうか!」

 褒められて目を輝かせるジル。可愛いなぁ。こう、リルを思い浮かべちゃうんだけどなんでかな?

「でも接続語は全然だから、今度は重点的にそこをやろう」
「わかった」
「でもその前に息抜きだよ」

 私は収納魔法を使って収納から軽食、サンドイッチやカップケーキにホールのケーキなどを取り出した。実はジル、結構甘いものが好きらしい。いつも腕によりをかけて作っている。

「おお!!」
「さ、食べよう」

 ジルはまずカップケーキに手を伸ばした。サンドイッチには目もくれない!!まぁ、最初からサンドイッチは自分用に作って来たんだけどね。だって甘いのがあるならまっ先にそっち食べるからね。

「さーきんのお家のほーはどお?」
「…まだしつこい。マナーも勉強もできてるのに勉強させようとしてくる」
「でも、わたしとしてーのも勉強だよ?」
「リナとだったら楽しいし、わかりやすいんだ。歴史とかも物語のようで面白い。それに雇った教師はこんな休憩なんて入れないし」

 休憩なしの勉強…それはきついわぁ…しかも前にジルが言ってたように淡々と事実を教えるだけらしい。面白みのかけらもないね。

「そういえば、今日弟が3歳になるんだ。プレゼントは何にしたらいいと思うか?」
「え?おとーといるの?」
「ああ、可愛いぞ」
「でも、なーでプレゼント?5歳、10歳、15歳っていわうんじゃなあった?」
「そうなんだが、俺の家は毎年歳をとるごとにお祝いするんだ。5歳、10歳とかだったら、いつもより大きなパーティーを開くんだ」
「へー。それでプレゼント……」
「ああ、何がいいと思う?」

 ジルの弟か……結構くらいのたかそうだし、どっかの誰かさん、前世の同業者に狙われる可能性もあるからな…

「そうだ!じゃぁ、まほおこーかがついてあうやつにすればいいとおーもう!」
「魔法効果?」
「うん!例えば、毒消し、結界けーかい呪い反射かーすりふれくととか!」

 実は私、最後のやつ、練習してたんですよ。前に紅炎こうえんに、そんな言葉もいえないのか、と笑われたからね。

「うん。例えば、あくせさりーとかに魔力でかためた石をはめ込んで、私が魔法こーかをつけるの!」

 おお!噛まずに言えた!!

「だが、それでは私が作ったことにならなくないか?」
「ダイジョーブ!魔力石は、じるのだかあ!私はこーかをつけえだけ」
「そうか!だが、どこにその魔力石をはめ込めば…」
「私、そのせんよー持ってる。ぶれすれっとがあーからそこにはめ込み」

 おっふ、噛んだ!はめ込む、が、はめ込み、になった!はっず。

「おお!さすがリナ!じゃあ早速作ろう!」

 前から練習していたのだろう、ポケットから大量の魔力石が出てきた。私はブレスレットにあるくぼみにフィットするようなサイズの石を探してからはめて、魔法付与する。前言った3つだ。

「できた」
「早いな!」
「ちょっと精霊にてつだーてもらった」
「そ、そうだったな。リナは精霊が見えたんだっけ」
「うん!これでいーかな?」
「ああ!完璧だ。ありがとう」
「うん」

 ブレスレットを受け取り嬉しそうにするジル。時計を見ると、もう帰らないといけない時間だった。

「じる。今日はもうじかーんだかあ、また明日ね」
「ああ!また!」

 ジルに手を振ってから、お父様のところへ向かった。

 ×  ×  ×

『全く、我が主人は…』

 さっきのやり取りを影から見ていた精霊が1人。黒蓮だ。

『あの付与された魔法を考えると今現在この王国が所持している国宝と同等、それか、以上。あれではバレる』

 黒蓮は1つため息をしてから、ジルには見えないことをいいことにブレスレットに触れた。

『隠蔽魔法』

 と呟いた。

『これでよほどのことがない限り、バレないだろう』

 黒蓮はブレスレットから目を離し、リナのいる方へと去っていった。
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