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伝説のレストラン
魚が食べれない少年2
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「どうぞ、カモミールティーです」
カチャ…と、大柄の男───元・スイの子分である「ボラ」にカモミールティーを差し出すと「ありがと……」と、少々照れ臭そうにティーカップを手に取るその姿がちょっと可愛いと思った事は内緒にしておこうと思う。
(むふふ…──ギャップ萌えという奴ですな……)
「……で?、何しに来たんだ…此処に」
頬杖をつきながら、スイはボラに冷たく問う。
いくらボラがマゾっ子だっていっても……ちょっと不憫に思ってしまった。何か理由があるとしても、前は仲間だった訳だし……。
そう……、何処かで見た事があると思ったら
先日、総合料闘技場で見た、暴走族の"変態アクアパッツァ"のお兄さんだったのだ。
「だから…殺水アクアパッツァだってば!!」
「あ、それそれ~」
頬を若干膨らませながらボラが「もう!」と、カモミールティーを一気に飲み干した。
その様子にスイの不機嫌オーラが更に増した
「…用が無いなら帰れ───そして、もう二度と……俺の前に現れるな」
「え……一人称変わる系男子なの?。てか、スイ!そんなぶっきらぼうに言わなくても!。せっかくお店に来てくれたのに────」
「貴女には関係ありませんよ!!」
スイの怒号が店内に響く──────
「わ、わあ!?────」
思わず驚いて、後ろによろけて倒れそうになるが、ソウがそっと支えてくれた
「スイ…、それは、駄目じゃないかな?。ひまわりは君の事を知らないだろ?。…そんな人間が、この状況を見たらどう思う?」
(ソウって……、静かに怒るタイプなんだ……。こりゃあ普段、天然で抜けてる分…ギャップ凄すぎて怖そう……)
「僕はそんなに怖くないよ?」
「ヒィ!?ニッコリと笑って心を読まないで!!」
笑顔を絶やさない彼に少し恐怖を感じる。
スイは拳を固く握り締めて、”理解なんかしなくて良い”と、ポツリと呟いた。
まるで泣いているような…………
ずっと暗い部屋の中に閉じ込められているかのような……
「寂しいの?…」
なんとも無神経な事を口にしてしまった。
口許を抑えるも、時すでに遅し
「……そう見えるなら、そうなんでしょうね」
”少し頭を冷やしてきます”と言って、傘も持たずにスイは外に飛び出してしまった。
追いかけようとしたけどソウに止められ、首を横に振られる。
「お嬢さん、ありがとうございます……。でも、総長を責めないでやって下さい…───誰よりも、優しくて…不器用な方ですから」
冷静沈着で縁の下の力持ちとは、スイの為に生まれた言葉だと、この場に居る全員がそう思った気がする。彼の人柄がそう物語っているんだろうな
スイの事を含めて、あたしは三銃士の事を知らない。知らない彼等の良さと悪さが、やっと垣間見える関係性まで来たのだから、この状況は寧ろ喜ぶべきだ。お赤飯炊きたいくらい(胡麻塩かけて)
「全然責める要素なんか無いですよ!。だって、やっと…心を許してくれる、一歩手前くらいまで来てるんだから」
「お優しい方ですね…」
「でも…ボラさんはどうして、スイを捜していたんですか?」
それは……と、何故か口篭る。
そういえば……───スイを捜してる時も
何か深刻そうな……
「……スイ総長に、俺達の族に……戻ってきて頂きたいのです」
「え……」
「三銃士としての宿命は理解しております。この国の為に、命を懸けて戦いに挑もうとして……我々の元を去っていきました。……でも、総長には死んで欲しくないのです……。あの方には幸せになって欲しい────」
「で、でも……!、スイは……三銃士は戦争を起こさない為に"食戦争"で国を救うって……」
「そんなものは……実戦されるのでしょうか?。もし、失敗して……命を落としたら……それは、通常の戦争と変わらないでしょう?」
確かに─────そうだ……
食戦争は、ソウが前に言っていたけど
まだ広くあまり浸透されていない。
アニスさんは協力してくれると言ってくれたらしいけど、食頭領の一声で、国が"はい そうですか"なんて言うはずもない。そんな簡単に理解してもらえるなら、戦争なんて起こるはずがないのだから。
ボラさんは、本当にスイの事を大切に想って慕っているんだろうな……
(確かに……、大切な人が…戦争に行って、命を落とすかもしれない───なんて事があったら…あたしも────」
《今度こそ……成功させてよね……───アタシもう……三人の死ぬ姿……見たくない》
この世界に来る前に……アモネが言っていたけど……
(今度こそ……成功させてって……───どういうこと?……)
それに、あの感じだと……
三人は何度か死んでいる?
「スイの意思を聞かないと……───僕らは納得できないかな」
「……貴方がたがそう言えば、スイ総長は此処に残る事を決断されるでしょう……」
「それを分かってて、どうして……」
「……スイ総長は、昔……俺のせいで死にかけました────魚を食べて……」
「魚?」
「アレルギーを持っているんです……。だから……もし、万が一魚料理を食す時が来てしまったら……───食戦争も戦争も変わらないじゃないですか!!」
嘆くボラの姿に胸が締め付けられる。
なんて声をかけたらいいのか、分からなかった。
カチャ…と、大柄の男───元・スイの子分である「ボラ」にカモミールティーを差し出すと「ありがと……」と、少々照れ臭そうにティーカップを手に取るその姿がちょっと可愛いと思った事は内緒にしておこうと思う。
(むふふ…──ギャップ萌えという奴ですな……)
「……で?、何しに来たんだ…此処に」
頬杖をつきながら、スイはボラに冷たく問う。
いくらボラがマゾっ子だっていっても……ちょっと不憫に思ってしまった。何か理由があるとしても、前は仲間だった訳だし……。
そう……、何処かで見た事があると思ったら
先日、総合料闘技場で見た、暴走族の"変態アクアパッツァ"のお兄さんだったのだ。
「だから…殺水アクアパッツァだってば!!」
「あ、それそれ~」
頬を若干膨らませながらボラが「もう!」と、カモミールティーを一気に飲み干した。
その様子にスイの不機嫌オーラが更に増した
「…用が無いなら帰れ───そして、もう二度と……俺の前に現れるな」
「え……一人称変わる系男子なの?。てか、スイ!そんなぶっきらぼうに言わなくても!。せっかくお店に来てくれたのに────」
「貴女には関係ありませんよ!!」
スイの怒号が店内に響く──────
「わ、わあ!?────」
思わず驚いて、後ろによろけて倒れそうになるが、ソウがそっと支えてくれた
「スイ…、それは、駄目じゃないかな?。ひまわりは君の事を知らないだろ?。…そんな人間が、この状況を見たらどう思う?」
(ソウって……、静かに怒るタイプなんだ……。こりゃあ普段、天然で抜けてる分…ギャップ凄すぎて怖そう……)
「僕はそんなに怖くないよ?」
「ヒィ!?ニッコリと笑って心を読まないで!!」
笑顔を絶やさない彼に少し恐怖を感じる。
スイは拳を固く握り締めて、”理解なんかしなくて良い”と、ポツリと呟いた。
まるで泣いているような…………
ずっと暗い部屋の中に閉じ込められているかのような……
「寂しいの?…」
なんとも無神経な事を口にしてしまった。
口許を抑えるも、時すでに遅し
「……そう見えるなら、そうなんでしょうね」
”少し頭を冷やしてきます”と言って、傘も持たずにスイは外に飛び出してしまった。
追いかけようとしたけどソウに止められ、首を横に振られる。
「お嬢さん、ありがとうございます……。でも、総長を責めないでやって下さい…───誰よりも、優しくて…不器用な方ですから」
冷静沈着で縁の下の力持ちとは、スイの為に生まれた言葉だと、この場に居る全員がそう思った気がする。彼の人柄がそう物語っているんだろうな
スイの事を含めて、あたしは三銃士の事を知らない。知らない彼等の良さと悪さが、やっと垣間見える関係性まで来たのだから、この状況は寧ろ喜ぶべきだ。お赤飯炊きたいくらい(胡麻塩かけて)
「全然責める要素なんか無いですよ!。だって、やっと…心を許してくれる、一歩手前くらいまで来てるんだから」
「お優しい方ですね…」
「でも…ボラさんはどうして、スイを捜していたんですか?」
それは……と、何故か口篭る。
そういえば……───スイを捜してる時も
何か深刻そうな……
「……スイ総長に、俺達の族に……戻ってきて頂きたいのです」
「え……」
「三銃士としての宿命は理解しております。この国の為に、命を懸けて戦いに挑もうとして……我々の元を去っていきました。……でも、総長には死んで欲しくないのです……。あの方には幸せになって欲しい────」
「で、でも……!、スイは……三銃士は戦争を起こさない為に"食戦争"で国を救うって……」
「そんなものは……実戦されるのでしょうか?。もし、失敗して……命を落としたら……それは、通常の戦争と変わらないでしょう?」
確かに─────そうだ……
食戦争は、ソウが前に言っていたけど
まだ広くあまり浸透されていない。
アニスさんは協力してくれると言ってくれたらしいけど、食頭領の一声で、国が"はい そうですか"なんて言うはずもない。そんな簡単に理解してもらえるなら、戦争なんて起こるはずがないのだから。
ボラさんは、本当にスイの事を大切に想って慕っているんだろうな……
(確かに……、大切な人が…戦争に行って、命を落とすかもしれない───なんて事があったら…あたしも────」
《今度こそ……成功させてよね……───アタシもう……三人の死ぬ姿……見たくない》
この世界に来る前に……アモネが言っていたけど……
(今度こそ……成功させてって……───どういうこと?……)
それに、あの感じだと……
三人は何度か死んでいる?
「スイの意思を聞かないと……───僕らは納得できないかな」
「……貴方がたがそう言えば、スイ総長は此処に残る事を決断されるでしょう……」
「それを分かってて、どうして……」
「……スイ総長は、昔……俺のせいで死にかけました────魚を食べて……」
「魚?」
「アレルギーを持っているんです……。だから……もし、万が一魚料理を食す時が来てしまったら……───食戦争も戦争も変わらないじゃないですか!!」
嘆くボラの姿に胸が締め付けられる。
なんて声をかけたらいいのか、分からなかった。
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