ボディーガードでメイドの男の娘!?

hakurei

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お嬢様の退屈しのぎ。

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「紗綾、学校に刺激が欲しいわ。」
「…唐突に何を?」
学校が終わり屋敷に帰宅した私は紗綾を自室に呼び出し話をしていた。
「いや、だって学校の授業なんて聞いても既にわかっている事なのよ?そんなの面白くもないじゃない!」
「まぁお嬢様は優秀ですしね。」
「自分で言うのもあれだけどそうなのよね。」
「それでどうしたいと?」
「…学校でのルール違反とか?」
「お嬢様が違反したところでどうにでもなりそうですけどね…」
「ンンン…」
なかなか名案が出てこない…
「あ、お嬢様1つ提案があります。」
紗綾がそう言い聞いてみる。
「あの男を連れて行ってみてはいかがですか?」
「あいつを?でも学校は女子高じゃない。無理よ…」
そう、あいつは男。
女子高に入ることは出来ない。
「なら女装をさせればよいのです、実際彼はメイド服を着こなしている訳ですし女装も大丈夫でしょう。」
「あ、確かにそうね!」
確かにあいつは普段女装をしているようなものだし大丈夫でしょう!
「それじゃ早速あいつに報告しに行きましょ!」

_______________

「馬鹿かお前らは…」
突然ノックなしにメイド長と夕花が押しかけてきて。
私に女装して一緒に学校に行けと言ってきた。
「馬鹿とはなんです、お嬢様からの頼みですよ?」
「いや、普通に馬鹿だろ?私がそれに同意すると思ったのか?私はごめんだ。」
「いいじゃないの、普段メイド服とか着てるんだし。」
「あれは仕事でだろ?しゃーないから着てるだけだ。」
「これはボディガードとして学校に行くの、それも仕事よ。」
「…」
そう言われたらぐうの音も出ない。
「行ったらなにか報酬はあるのか?」
「報酬?そうね、なら給料を増やしてさらに休憩時間も増やしましょう。それならどう?」
「ふむ、学校行くだけで給料と休憩時間が増える…か…。」
私はしばし悩み。
「はぁ、わかった、行くよ…」
「交渉成立ね!」
ガッツポーズをとって喜ぶ夕花。
「ではお嬢様、自室に戻りましょう。」
「そうね、じゃあんた明日からよろしく!」
「…はいよ。」
そう言い部屋を出たメイド長と夕花。
「はぁ…めんどくせ…」
1人愚痴を言いながら読み途中の本を読もうとしたが、読む気にならず、そのまま今日は寝ることにした。
そして日は変わり…
「さぁ、行くわよ!」
「怖ぇ…」
校門前で立ち止まってしまう。
「何よ今更…」
「だって知らねぇ奴らと過ごすんだろ?しかもお前のボディーガードとして…なんか言われんじゃねぇか?」
「逆に言われないとでも思ってるの?」
「はぁ?」
「だって私よくボディガード達を解雇してて学校に連れてく事なんてほぼなかったもの。」
「お前いつか誘拐されるぞ。」
なんだこの不用心なお嬢様は…こんなお嬢様いないだろ…
「ん?でもお前私と会った時と謎の決闘した時に黒服の奴らいたよな?そいつらはなんなんだ?」
「あぁ、あれは紗綾が連れてけってしつこくてね。決闘させたやつは適当に呼んだだけよ。」
「適当すぎひんか?」
なんでこいつこんな適当にボディガードなんて選んでんだ?謎だ…
「まぁそんな事はいいのよ、とりあえず行くわよ!」
「ちょ、おいてくな!」
先に校内に入る夕花を追いかけながら私も校内に入る。
夕花に案内されて教室に入るが、入った瞬間に周りが私達を見てくる、そんなの気にせず夕花の後ろをついていき席まで移動する。
「席はお前の隣でいいのか?」
「そうよ、そこに座って構わないわ。」
遠慮なく席に座って周りをぐるっと見てみるが…
「なんでこんなに見てくるんだ?」
「だから言ったじゃない、私がボディガードを連れてくるのは珍しいのよ。」
「なるほどな…てかなんかブツブツ聞こえるんだが…」
耳をすまして聞いてみるが、あれ夕花様のボディガード?とか、あんなのが?とか。
「悪口ばっかかよ…殴りたくなるな。」
「そんな事したらあなたは他のボディガードにやられるだけよ。」
「億劫だな…」
「そんな顔してないけどね。」
「どこがだめっちゃ億劫そうな顔してるだろ?」
「くっそどうでもよさそうな顔してるわよ。」
バレてたか。
「でも私は何もしなくてもいいんだろ?」
「何言ってんの学校なんだから授業は受けてもらうわよ?」
「はぁ?でも私が学ぶ事なんてあるのか?」
「あるわよ、周りのボディガード達を見て見なさいな。」
そう言われて周りを見てみる。
「ふむ、なんかボディガードにしてはみんな幼いな。」
「そゆこと、ここは通常授業とボディガード育成教育もやっているの、だからあなたもボディガードとしてしっかり学びなさい。」
なんだそれ聞いてないんだが、
「めんどくさ…」
「ふん、私の為に優秀なボディガードになりなさい!」
「私は別に優秀とか目指してないんで今のままいくわ。」
「何言ってるのよ、そんなんで私を守れるとでも?」
「守るべき時がきたらしっりと守ってやるよ、命に変えてもな。」
「口だけは達者ね。」
そんなどうでもいい事を夕花と話していると。
バッ!と教室のドアが開き。
「みなさん!ごきげんよう!」
と突然目立つ格好の女が大声をあげながら教室入ってきた。
教室は静寂と化し一気にみんなそいつに視線がいく。
そしてそいつは席にいく、、わけじゃなく。
「どうも、夕花さん?」
そいつは夕花の前に立ち挨拶してきた。
「…どうも、春華(しゅんか)さん…」
夕花は低めのトーンで返した。
「さぁ夕花さん!今日こそあなたの上に立つ日です!」
そう言った後にその女は私の方を見てきて…
「ん?そこのあなたは…夕花さんのボディガードかしら?」
私を見てそういう女。
「え?あぁ、まぁそうだな。」
「ふーん、夕花さんの目も落ちたものね、こんな使えなそうなやつをボディガードにするなんて。」
失礼すぎひんかこの女。
「どうだっていいでしょう、私が選んだ人材に口出ししないで貰えるかしら?あなたには関係はないわ。」
「あら、言ってくれるじゃない、でもこんないかにもヒョロくてパッとしないやつを近くに置くなんて不安極まりないじゃない?」
「…」
夕花は黙ってしまった。
「…悪いけど私は確かに目立った活躍もしてなきゃ面倒くさがりの使えないボディガードだ…だが、こいつを守ることに関しては気を抜いた事は無い、何があろうと私はこいつを守る、それは私でないと成し遂げられない、その自信はある、だからあんたが口出しはしないでくれ。」
つい思ったことを言ってしまった、だがボロくそ言われて黙ってられるほど私は人間が出来ているわけではない。
「貴様!春華様になんて口を!」
この女のボディガードが私の胸ぐらを掴んで言ってくる、しかし。
「やめない、あなたは口出し無用よ。」
女が前に出てきてやめさせてきた。
「しかし…」
「やめなさいと言ってるの?わからないの?」
「…かしこまりました…」
「それにしてもあなた、この私に対してあんたとか言った?それに主人に対してもこいつ呼ばわり?まさか中身も無能だとはね、わかってるの?私達は主人なの、だからそんな生意気な口は言えないの、立場を弁えなさい。」
そいつがそう言った瞬間、ドアから教師らしいやつが入ってきた。
「あら。もう時間ね、では夕花さん、ごきげんよう。」
そいつはそう言って席にむかい、ほか皆は授業を受ける用意をしていた。
それにほかの連中は私を見て少しニヤついている気がした、なんだコイツら…と思っていると。
「ねぇ。」
夕花が小声で話しかけてきた。
「なんだ?」
私も小声で返答する。
「あなた、あの子には変に関わらない方がいいわ。」
あの子?あぁさっきの女か。
「なんでだ?」
「あの子に刃向かった人間は基精神が崩壊するほどに追い詰められて姿を消すって事例があるわ、だから深入りするのはやめときなさい。」
「なんだその変な噂…」
「噂だけならどれほどいいものか…彼女はそれを確実に成し遂げるわ、実際この学校にもあの子に反抗した子が何人かいたの。」
「ふむ。」
「そしてその子達は反抗した次の日には学校に来なくなり姿を消して行ったわ、学校になんの報告も入れずにね。」
「ふーん。」
「ふーんってあなた今まずいかもしれないのよ?」
「気にしてないしな、それにそんな脆いメンタルは持っていないんでな。」
そんなにやばいやつなのかあの女、なんかさらにめんどくさいな。
「そうゆう問題じゃないの!とりあえず今後あの子には関わらないこと!もしなにかまた言われたら謝りなさい!」
「はいはい、わかったよ…」
「わかってないでしょ?はぁ…全く退屈しのぎにあんたを連れてきたのにこんなことになるなんて…」
それはこっちのセリフである、と声には出さず心中で呟く。
けどそうゆうことか、だからほかの連中は私を見て笑っていた訳か、私が消える事を楽しんでいるってわけだな、性格の悪い奴らだ…
それに、気に入らないやつは目の前から消す…か…それは昔の……やめた。過去を思い出してしまうからな。
とりあえず後で私の事をあいつは呼び出すだろうな、その時にどうするか考えるとするか…
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