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聖レスク学園

お茶会の授業

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授業の一貫で中庭でお茶会。そんな授業の変更があった日。

公爵令嬢という雲に上の存在、貴族の女子生徒たちが、周りを固めていた。


“待ち伏せ”
そんな言葉を言いそうなミミカの口に小さなクッキーを入れ込んだ。
驚いた彼女は黙ってモグモグしている。

お茶会の授業とメイド服の女性に案内され、
突然にその中へ入れられた同級生の女子生徒たちは、カチコチに固まっている。

ミレーネもその一人。
視界に入る席、食事に興味が行ってヨダレを垂らしそうにしている友人が羨ましいくらいだ。

確かに、綺麗なお茶菓子は可愛い。
私にはその中に得体の知れないものが入っているんじゃないか?とさえ思える違和感があった。

メイド服の女性が数人、マナー迷うそぶりの女子生徒に教えている。
確かに、それは授業っぽいのだけど、先生はどうしたのだろう?

その説明もない、突然な事に疑問をもちつつもミレーネは黙っているしか選択肢がない。

目の前のカップを、できるだけ音をさせないように持ち上げる。
手の震えはなく、なんとかその香りを嗅ぎとれた。

すごく高そうな紅茶!
良い香りに気持ちが一瞬浮上する。それを落ち着かせて紅茶を飲んだ。

(味も良い。)

フーと満足感を味わっていると、食事に手を出したそうなミミカが視界に入った。
声を最小限に、警告する。

「ミミカ、目立たないように!」


同じように食べ、喋らない。
それが、まだマナーの初心者である私たちの社交術だ。


「今日は良い日にお茶会に集まってくださって嬉しいわ」

「シフォンヌ様のお茶会です。なんて光栄なんでしょう!」

「ええ、名誉な事ですわ」

公爵令嬢様を褒める3人の会話を私達は黙って、作り笑いをしているだけ。
否は?そんなものない。首振り人形のように、頷くだけだ。

そう思うしかなかった。


御令嬢達は、ひと通りお話合いをして先に退席した。

彼女達を見送ると、皆の表情筋が限界だと動く。

そしてメイド服の女性が、「ごゆっくりご歓談ください」と言って消えたところで。
ミレーネは席で姿勢を崩すことができた。

「なんだったの?」
「わかんない」

「先生は結局、来ないのかな?」

「もー訳わかんないけど怖かった~。」

緊張感から解放され、

不敬をしたら、退学になるのでは?との心配は免れたらしい。



彼女達は貴族風にあるお方に牽制をした。

王子の従者が新入生の教室に声をかけられたとされている。

第3王子の動きは、行き過ぎている。
『私達高位貴族であり、婚約は決められた者を受け入れるのも責務のうち。』


その価値観をバカにするかのような自由恋愛派を嫌っていた。
噂の公爵令嬢とのお茶会、それは貴族の争いに巻き込まれた庶民の困惑だけ広がっていた。
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