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神に誓う

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王国を導く王族は、神に誓いを立て天命をまっとうする。
その役目を持って、人を治める。

神官の役割を持つ王家の人間。
その王太子は、未だに伴侶となる者を決めかねていた。

過去に例のない事だ。


共に歩む事を誓い、神に誓うのは王太子の時も通例である。
学園でも共に過ごすのが慣例であった。

それでも決まらないまま。

臣下の進言は、歯牙にも掛けなず、王の言葉であっても流してしまった。

王妃候補達も減っていき、今残るのはこの状況に危機感を持つ高位の令嬢のみ。
ーこの状態も、王太子が次期の王妃を決めるまで続くのか?
ーいや、誰か違う者を決めているのかもしれない。

思惑が交差し、混乱を極めた。


そしてとうとう、最期の時が来る。
卒業の証として、神前での報告と誓いをする。


この瞬間以外に、王妃を決められる事はない。
最期の時なのだ。
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