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6歳
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教育方針は「お心のままに」だそうで。
自由度が上がった。魔導具の事や精霊の愛子としての特別視も後押ししたようで、マリーからマナーの合格をもらいグラウルのヴェーネン家の歴史も免除!自分にこれから、何が必要か考えている。
今欲しい物は頼んだから、体力が欲しいかな。
そのもっと後を考えなければ…いや生きてられる?
時々、思う。私は12歳まで生きて、死んだ。ならどう生きても終わりは同じ12歳ではないか?
何故かは、そう12歳より先を考えられないからでどうだろうか。
(どうだろうって誰に聞けば良いのか。)
以前の記憶と経験のおかげで、懸念はだいぶ解消できた。お金の事、借財はなく食材も保存、確保済み。
思ったより速く、冒険者と仲を深められた。初心者の育成の場所になるくらい!
オジサマとの関係は、このままだ。ガイサスがどんなかたちでもこの家を守るのは、騎士の心意気とこの場所を守ると言う使命感だ。その家にいる子供に同情してくれている。
(それ以上を求める方が間違っている、カラ。)
思考が沈みそうになる。それを浮かせようと代わりに水魔法で作った水球がふわふわっと周囲に浮かんだ。
そろそろ、行かないと。今日は護衛付きで馬車が王都へ向かう日だ。
「王都に行きたいわ!」
またである。最近同じことしか言ってこない。執事2人を送り出す時にまで言うとは思わなかった。
「諦めてねえのな。」
「ダズ、押さえておいて。」
「了解です。」
執事と冒険者を見送るためにいる。サイモンもいるので大丈夫だろう。そもそも、執事2人も戦える。それほど心配はしていない。
「帰ってきますので、居てくださいね?」
サディスは何をそんなに、心配しているのだろう。
「わかった。」
セリはまだ数年お世話になるつもりでいるのは確かで、死ぬ予定もない。
お茶を飲んでから仕事へと庭に集まっている。オジサマと出発した執事以外は全員集合だ。そろそろ、ステラをおとなしくさせるため、ちゃんとした理由と条件をつけることにした。
「礼儀作法をマリーから合格点もらう事。貴族について情報を集めたら王都へ連れて行く事を考える。」
「いつ?いつなのよ!」
「あー、護衛と街を歩くのを許可してもらえる年齢になったら?」
「10歳とかか?セリ様は小柄だから、もうちょとか。」
「9歳になったくらい?…3年後かな」
今は6歳だけど、背は伸びる。3年はかかった。
「3年も?!」
「アラー3年で覚えられるのかしらあ。」
「今からだと間に合わないかものお」
(マリーとドム爺は、無理だと思っているか。)
「3年くらいやればできんじゃねーの?」
(お、ダズは応援しているのか!意外。)
「やってやるわよ!」
「まあ、別にできなくっても連れていかないだけだから。」
「何よっ偉そーにっ」
「偉いんだよ。まずセリ様への態度を改めろ。」
「うん。ダズのが丁寧だよ?」
「弟子庭師に負けてんの?わたし!」
冒険者の時の講習で覚えたと聞いている。ハーブティを飲み終え、書庫に向かった。
探し尽くしている。ため用もないけど、1人になりたい気分。
本の背を指でなぞりながら眺めた。
魔導具に関する物。当主が集めた他は、先先代の収集物。奥さんの物がない。当主の母親は別れて、実家に戻ったらしい。後妻に入って縁が切れている。
物がないのはわかるけど、全部?
持って出たとかだろうか。
「仕掛け?うそお」
冒険者の言葉遣いがうつった。反省しつつも…
「降りてみよう。」
地下。半地下?埋め立てられたような格子の入った窓。強度のためかな。部屋に明かりを灯すと整えられた棚。
クローゼット?布、リボン、レース
先先代夫人の部屋?裁縫部屋だった様子に、驚いた。書庫からしか入れないのは、塞いでしまっているから。
「どーしてこんな事に。」
無計画だなあ。
貯蔵庫にしても良さそう。物置きにも。
置いてあるのは刺繍図案、お守りを作って、刺繍を売ってと教会のバザーに出していたらしい。
貴族の社交の一環らしく。夫人の部屋だった。
自由度が上がった。魔導具の事や精霊の愛子としての特別視も後押ししたようで、マリーからマナーの合格をもらいグラウルのヴェーネン家の歴史も免除!自分にこれから、何が必要か考えている。
今欲しい物は頼んだから、体力が欲しいかな。
そのもっと後を考えなければ…いや生きてられる?
時々、思う。私は12歳まで生きて、死んだ。ならどう生きても終わりは同じ12歳ではないか?
何故かは、そう12歳より先を考えられないからでどうだろうか。
(どうだろうって誰に聞けば良いのか。)
以前の記憶と経験のおかげで、懸念はだいぶ解消できた。お金の事、借財はなく食材も保存、確保済み。
思ったより速く、冒険者と仲を深められた。初心者の育成の場所になるくらい!
オジサマとの関係は、このままだ。ガイサスがどんなかたちでもこの家を守るのは、騎士の心意気とこの場所を守ると言う使命感だ。その家にいる子供に同情してくれている。
(それ以上を求める方が間違っている、カラ。)
思考が沈みそうになる。それを浮かせようと代わりに水魔法で作った水球がふわふわっと周囲に浮かんだ。
そろそろ、行かないと。今日は護衛付きで馬車が王都へ向かう日だ。
「王都に行きたいわ!」
またである。最近同じことしか言ってこない。執事2人を送り出す時にまで言うとは思わなかった。
「諦めてねえのな。」
「ダズ、押さえておいて。」
「了解です。」
執事と冒険者を見送るためにいる。サイモンもいるので大丈夫だろう。そもそも、執事2人も戦える。それほど心配はしていない。
「帰ってきますので、居てくださいね?」
サディスは何をそんなに、心配しているのだろう。
「わかった。」
セリはまだ数年お世話になるつもりでいるのは確かで、死ぬ予定もない。
お茶を飲んでから仕事へと庭に集まっている。オジサマと出発した執事以外は全員集合だ。そろそろ、ステラをおとなしくさせるため、ちゃんとした理由と条件をつけることにした。
「礼儀作法をマリーから合格点もらう事。貴族について情報を集めたら王都へ連れて行く事を考える。」
「いつ?いつなのよ!」
「あー、護衛と街を歩くのを許可してもらえる年齢になったら?」
「10歳とかか?セリ様は小柄だから、もうちょとか。」
「9歳になったくらい?…3年後かな」
今は6歳だけど、背は伸びる。3年はかかった。
「3年も?!」
「アラー3年で覚えられるのかしらあ。」
「今からだと間に合わないかものお」
(マリーとドム爺は、無理だと思っているか。)
「3年くらいやればできんじゃねーの?」
(お、ダズは応援しているのか!意外。)
「やってやるわよ!」
「まあ、別にできなくっても連れていかないだけだから。」
「何よっ偉そーにっ」
「偉いんだよ。まずセリ様への態度を改めろ。」
「うん。ダズのが丁寧だよ?」
「弟子庭師に負けてんの?わたし!」
冒険者の時の講習で覚えたと聞いている。ハーブティを飲み終え、書庫に向かった。
探し尽くしている。ため用もないけど、1人になりたい気分。
本の背を指でなぞりながら眺めた。
魔導具に関する物。当主が集めた他は、先先代の収集物。奥さんの物がない。当主の母親は別れて、実家に戻ったらしい。後妻に入って縁が切れている。
物がないのはわかるけど、全部?
持って出たとかだろうか。
「仕掛け?うそお」
冒険者の言葉遣いがうつった。反省しつつも…
「降りてみよう。」
地下。半地下?埋め立てられたような格子の入った窓。強度のためかな。部屋に明かりを灯すと整えられた棚。
クローゼット?布、リボン、レース
先先代夫人の部屋?裁縫部屋だった様子に、驚いた。書庫からしか入れないのは、塞いでしまっているから。
「どーしてこんな事に。」
無計画だなあ。
貯蔵庫にしても良さそう。物置きにも。
置いてあるのは刺繍図案、お守りを作って、刺繍を売ってと教会のバザーに出していたらしい。
貴族の社交の一環らしく。夫人の部屋だった。
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