【完結】準備期間までお待ちください。 〜悪役令嬢は死んだはずが次の用意がまだなようです〜

BBやっこ

文字の大きさ
2 / 2

情けない

しおりを挟む
「エレノーラ、安らかに。」

母と、父。兄も。私、エレノーラの葬儀だ。

「急死したそうですけど。」
「王城の一室で。」

「御令嬢が一人、部屋で何を?」
「どなたを待っていたのかしら。」

下世話な事ね。葬儀に参列する貴族が噂話をする。黙って並んでいなさい。
涙雨の降る葬儀を退屈に眺めた。

王子の婚約者だった者が死んだのだ。

暗殺を疑うものはいないのか。
私が隠れて情事に走ったと噂を流しているのか。

王子お気に入り令嬢がいるのを、知らない貴族は遅れてるわよ?
そんな中で、私が愛人をなんて不貞で次の婚約も見込めなくなるじゃない。

私なら、ちゃんと決まってからにするわよ。

「お待たせしました。受け入れ準備が整いました。」
「遅いわよ、暇だったわ。」

葬儀も佳境だ。
王子が形ばかりに花を供えていったが、その後ろには知った顔の令嬢がついていた。


『では、未来の父上と母上の元へ行ってください。』


は?

王子が女に慰められている。



(いやあああああ!)
「あんっぎゃあっ…うんぎゃあっ」

私は…あの女と王子の子になった。


「おめでとうございます、元気な御子様です。」

全然めでたくない。私はエレノーラ、今0歳らしい。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

今、婚約破棄宣言した2人に聞きたいことがある!

白雪なこ
恋愛
学園の卒業と成人を祝うパーティ会場に響く、婚約破棄宣言。 婚約破棄された貴族令嬢は現れないが、代わりにパーティの主催者が、婚約破棄を宣言した貴族令息とその恋人という当事者の2名と話をし出した。

婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】

恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。 果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?

婚約破棄 ~家名を名乗らなかっただけ

青の雀
恋愛
シルヴィアは、隣国での留学を終え5年ぶりに生まれ故郷の祖国へ帰ってきた。 今夜、王宮で開かれる自身の婚約披露パーティに出席するためである。 婚約者とは、一度も会っていない親同士が決めた婚約である。 その婚約者と会うなり「家名を名乗らない平民女とは、婚約破棄だ。」と言い渡されてしまう。 実は、シルヴィアは王女殿下であったのだ。

婚約破棄までにしたい10のこと

みねバイヤーン
恋愛
デイジーは聞いてしまった。婚約者のルークがピンク髪の女の子に言い聞かせている。 「フィービー、もう少しだけ待ってくれ。次の夜会でデイジーに婚約破棄を伝えるから。そうすれば、次はフィービーが正式な婚約者だ。私の真実の愛は君だけだ」 「ルーク、分かった。アタシ、ルークを信じて待ってる」 屋敷に戻ったデイジーは紙に綴った。 『婚約破棄までにしたい10のこと』

攻略対象の王子様は放置されました

蛇娥リコ
恋愛
……前回と違う。 お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。 今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。 小説家になろうにも投稿してます。

婚約破棄、別れた二人の結末

四季
恋愛
学園一優秀と言われていたエレナ・アイベルン。 その婚約者であったアソンダソン。 婚約していた二人だが、正式に結ばれることはなく、まったく別の道を歩むこととなる……。

悪妻と噂の彼女は、前世を思い出したら吹っ切れた

下菊みこと
恋愛
自分のために生きると決めたら早かった。 小説家になろう様でも投稿しています。

悪役令嬢(濡れ衣)は怒ったお兄ちゃんが一番怖い

下菊みこと
恋愛
お兄ちゃん大暴走。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...