【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

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番外編

教会の女の子

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きょう、おうちにきたおねえちゃんは、ほうたいでぐるぐるまきでした。

字の練習のために日記をつけていた
教会の孤児院にいる女の子は、
今日、教会で話した新しい“教会の子”の事を振り返っていた。

年は自分より上。
背すじをピンと伸ばした姿は、周りの子たちとは違った空気をまとっていた。
その身体に巻かれた痛々しい包帯。

人を寄せ付けたくないという雰囲気に、近寄っても良いか判断しかねていた。
こういう状態は、よくあることだ。

捨てられたり、親の死、暴力っていう理由で
教会の子になって、ここにいる。

…自分もだ。

初日は特に、泣き出したり、怒ったり、反応がなかったりする。
静かに見える時が、1番反応がわからない。

ずっと教会の席に座って身動きせずにいる。シスターから
「声をかけてきて欲しい」と頼まれたから来たけど。

良く知らない子に声をかけて大丈夫か?
と言う声が頭に響く。嫌な記憶で慎重になっていた。

「何か用?」と声がかかった。
道であったような、気軽な声だった。

包帯の怪我と合わない
普段の声

予想外に戸惑ったのは、こちらだった。

「隣、良い?」と呼びに来ただけなのに、話をする態勢に
持ち込んでしまったのも動揺したせいだ。

「どうぞ」
と丁寧席を勧められたけど、
感情の爆発も暗い気持ちも感じられなかった。

(人違いだろうか?)と頭をかすめたが
包帯の巻かれた体の人物は、ここにいる1人だ。
他は誰もいない。

話し声が風で流れてくるくらいのものだった。

隣の子をじっと見た。

教会の色ガラスを見つめているようで
何か考えているようだった。

町の子でも孤児でもない。
事故にあったのだろうか。

商人の子?いいや、貴族じゃないだろうか。
綺麗な顔だ。

「シスターが呼んでる」と要件を言った。

「そう。連れてってくれるか?」
と返された。目が合ったのは、
シスターのように真っ直ぐで綺麗な瞳だった。

「お名前は?」と聞くと

「セリ…」と奇妙に止まったが、

「セリおねえちゃん」と呼ぶと

ふわりと嬉しそうな雰囲気になった。
目が覚えていたいとばかりに、釘付けになる。

そんな、セリおねえちゃんは
とても頼りになる人だった。

シスター達みたいに尊敬できる人。

よく、チビたちにご本を読んでくれる。
教会にない本のお話もしてくれる。


男の子達は反抗的というより
対抗心から、セリおねえちゃんに向かって行っていた。

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