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2.浮気のセーフ
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「お父様にお話ししなければならない事ができました。」
実家に帰った私は、お母様にぽつりと言った。正気のない私の様子に、座らせお茶を渡す。
私はそれを普段通りに飲んだけど、いつの間にか空になっていたカップを傾けた。
「お代わりはいかがですか?」
「いいえ、要らないわ。」
思った以上に、平坦な声が出た。お母様付きのメイドは礼をして下がって行ったけど
私は目に写っていなかった。
繰り返し考える。昨日の事、婚約者の表情と言葉。それをどうお父様に話せば良いか?
用意された、楽しみにしていたお菓子にも手をつけずお父様が執務室から出て来られるのを待つ。
今日は家でお仕事をされていると聞いていた。終わり次第、お母様と私のお茶会に合流するのが
家での過ごし方だ。
それも、卒業後にはできないと楽しみと話してくれていた。
『お嫁に行けば、なかなか会えなくなる。』
卒業式後、引越しをして婚約者と過ごす事になっていた。
お父様は住む場所はうちの近くにと画策していると、お母様からの情報だ。
ああ、どうして私はこんな思いでいるのだろう?
ただ時間が過ぎるまま、一点を見つめていた私はメイドの声で現実に戻ってきた。
「お茶をお持ちします」
顔を向ければ、お父様が来てくれた。
「お仕事中でしたでしょう。お時間ありがとうございます。」
「エイブリン、いつも通りで良い。どうしたんだい?」
“いつも通りで良い?”どうしていたっけ。私は静止してしまった。
お母様が、隣に座って私の手を包みそちらに向く。
「何があったのか話せる?」
私はとつとつと、切れ切れに何があったか話した。まとめれば、『昨日婚約者に婚約破棄を願われた』なのだ。
「いつも通り、の…学園だったの。」
宿題お手伝って欲しいと言われ、攻防があり結局手伝う事になって。
そんな繰り返しの暮らしを送っていた。そして卒業する筈だった。
「婚約破棄して欲しいって…」
「理由はわかるか?」
「好きな女性ができた、って。」
「口を挟むようだけど、冗談と言うことはない?」
「私も考えたけど、それなら何か言ってくると思わない?手紙で嘘だったとか。」
全てが唐突過ぎた。
だから、思考が止まってしまったけど
相手は誰だろう?
噂でもあったのかしら、相手とはもう交際しているとか。
「婚約していて、他の女と交際していたら浮気だが?」
「そうねえ。少なくても貴女に隠れて会っていたでしょうね。」
私、浮気されてたかもしれません。全然、思い当たる相手がいない。
「エイブリン、まだ婚約者の嘘という可能性があると思いますか?」
“親父さんに伝えて”と言った婚約者の言葉に、私は嘘である可能性を否定した。
実家に帰った私は、お母様にぽつりと言った。正気のない私の様子に、座らせお茶を渡す。
私はそれを普段通りに飲んだけど、いつの間にか空になっていたカップを傾けた。
「お代わりはいかがですか?」
「いいえ、要らないわ。」
思った以上に、平坦な声が出た。お母様付きのメイドは礼をして下がって行ったけど
私は目に写っていなかった。
繰り返し考える。昨日の事、婚約者の表情と言葉。それをどうお父様に話せば良いか?
用意された、楽しみにしていたお菓子にも手をつけずお父様が執務室から出て来られるのを待つ。
今日は家でお仕事をされていると聞いていた。終わり次第、お母様と私のお茶会に合流するのが
家での過ごし方だ。
それも、卒業後にはできないと楽しみと話してくれていた。
『お嫁に行けば、なかなか会えなくなる。』
卒業式後、引越しをして婚約者と過ごす事になっていた。
お父様は住む場所はうちの近くにと画策していると、お母様からの情報だ。
ああ、どうして私はこんな思いでいるのだろう?
ただ時間が過ぎるまま、一点を見つめていた私はメイドの声で現実に戻ってきた。
「お茶をお持ちします」
顔を向ければ、お父様が来てくれた。
「お仕事中でしたでしょう。お時間ありがとうございます。」
「エイブリン、いつも通りで良い。どうしたんだい?」
“いつも通りで良い?”どうしていたっけ。私は静止してしまった。
お母様が、隣に座って私の手を包みそちらに向く。
「何があったのか話せる?」
私はとつとつと、切れ切れに何があったか話した。まとめれば、『昨日婚約者に婚約破棄を願われた』なのだ。
「いつも通り、の…学園だったの。」
宿題お手伝って欲しいと言われ、攻防があり結局手伝う事になって。
そんな繰り返しの暮らしを送っていた。そして卒業する筈だった。
「婚約破棄して欲しいって…」
「理由はわかるか?」
「好きな女性ができた、って。」
「口を挟むようだけど、冗談と言うことはない?」
「私も考えたけど、それなら何か言ってくると思わない?手紙で嘘だったとか。」
全てが唐突過ぎた。
だから、思考が止まってしまったけど
相手は誰だろう?
噂でもあったのかしら、相手とはもう交際しているとか。
「婚約していて、他の女と交際していたら浮気だが?」
「そうねえ。少なくても貴女に隠れて会っていたでしょうね。」
私、浮気されてたかもしれません。全然、思い当たる相手がいない。
「エイブリン、まだ婚約者の嘘という可能性があると思いますか?」
“親父さんに伝えて”と言った婚約者の言葉に、私は嘘である可能性を否定した。
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