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解明

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私は体調不良を装って馬車から近い部屋を借りて、休む事にした。
私を探してもらい、作戦を立て直す。

いつものようにお茶を淹れてもらって飲んだのだけど
この体の令嬢は、猫舌らしい。ちょっとヒリヒリする。

「本当に、アイリスお嬢様なんですね」
私のお茶の飲み方で、判断した従者にドヤっと言い放つ

「こんな可愛い伝え方があるとは思わないでしょ!」

これはお嬢様だわ。
見慣れない令嬢の顔でも仕草と言動が、猫を被っていない家の令嬢だ。

そこから事態の深刻さに気持ちを切り替え、作戦会議に移る。
誰に打ち明けるか?信じてもらえるか。


なかなかまとまらない中、アイリスお嬢様が見つかった知らせが来たと思ったら
王子が訪れた。

“なんで?”
“わかりませんよ!”

視線で主従が会話するが、王子様の出方を見るしかない。


「クマさんに伝えてくれ」
「誰ですかそれ?」

敬意の気持ちを忘れて、聞いてしまった。
この異常事態に、冷静な猫は被れない。

「子供部屋だ」

王子様の子供部屋など知るか!
と思ったけど、家の子供部屋には私のうさぎさんと、お兄様のクマさん。


「お兄様?!」

王子様との入れ替わりに合った兄だった。

「え、あの家王子様に手を出しちゃったの?終わりじゃない。」

「そうだな、他への被害も確かめなければ。」


こうして兄妹の働きで、兄と妹の体を部屋に軟禁。
宰相様においでいただき、なんとか現状の説明をした。


これも日頃の付き合いの賜物である。


「結局、あの令嬢は何がしたかったの?


「王子に近づきたかったが、ガードが硬かった。
けど、兄妹なら問題ないと思ったらしい。アイリスへの妬みもあったそうだ。」



「王子様を口説きたかったの?私が王子と仲が良いってどういうことよ?」

王城の図書室を使えて、宰相様と仲が良いにが妬ましいって。

「兄は次期宰相候補で、私は侯爵家を継ぐために勉強しているのよ!」

だって、好きな人と結婚できるんだもの。気合い入るわよ。

「王子とか狙わないのか?」

「いいえ、侯爵家に入ってくれるマッチョな相手が良いわ。」


私が王子が好きと思われたのは、不服である。
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