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【アズマール国】最果ての辺境にて

酔い

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(ふわふわするう)

5本ばかり開けた、美味しいお酒。

(すっごく酔ったああ)

ゴロゴロと猫のように、騎士団長に擦り寄る。ちょっと熱い。
私が熱くなっているのでしょうねえ。

イマイチ、思考が整わないのですが、ダンダス様の質問された事に、嘘ではなくたまにはぐらかしながら答える。
(何か試されているのでしょうね)

頭の片隅は冷静です。
こういう飲ませ方をする騎士団長ではない。美味しいのでスルスル飲んでしまったけど。

用事が終わった後、自力で部屋へ帰らなければならないのですが。立つと足取りが怪しくなると思います。
いいいえ、これはこの部屋にあるベッドを使って良いという事になるのでは?

お酒を楽しむための部屋。今はここで飲む人も少ないため休憩室のようになっています。
ベッドが入れてあるのはそのためです。

掃除に来ているベッドで寝る事になるとは。しっかりお掃除はしておくと自身のためになるんですね。

くつろげられた自身の胸、するりと持ち上がるスカートの感触に抵抗はしない。
そうされても良いのだから

熱いですー。

触られている感触にたぶん、致す事はない気がする。
気が乗らないのか、食指が動かないかなー?

「可愛い奥さんを貰ってください」

そう答えたのは本心だ。たぶんこの人は、奥様一筋で愛情を注げる人。
(隣にいる方は、可愛い感じの人だろうな。)

私の“この手の勘”は当たるの。
外れた相手とくっ付いたら後々、別れるでしょうね。


自身にもこの勘って当たるのか試しているところ。その当人が目の前に来たら
つい声を上げてしまいました。
「ジュディアンさまあ!」

はしたないと思われるかしら?あら。だいぶ酔いが回っていて、ベッドに寝かせられてしまいます。

残念、ジュディアン様も手は出してくださらないでしょうねえ。
ベッドが熱を吸ってくれる。

(気持ちイイ)

少し会話が聞こえる。
年齢差はしょうがないわ。その代えられないものより、過ごす時間を増やす方が私にできる事だわ。

抱えられる感覚に身を委ねます。
この人の隣に、私は居られるかしら?

あまり、想像は出来ないけど。諦めるには、まだ…

「好き」

良い夢だ。だって、大好きな人に身体を預けている。
頭はふわふわする。心地よく揺れて、腕にいだかれている。

幸せ

スリスリと頬でその存在を感じた。
きっと酔っているからと、許される範囲です。


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