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王家主催のパーティー

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我が家は、王家の姫が降嫁した事のある由緒正しい家の、分家。
エスコーツ家は男爵家であり、血は継いでおらず、貧乏貴族に部類される。

そんな私の愛する未来の旦那様は、婿入りをしてくれる。
子爵家で、学校も同じ。

ちょっと由緒があるってだけの貧乏男爵家、長女である私アイナ・エスコーツは

パーティーの会場で、なけなしのドレスをリメイクしたもので飾り、彼を待っていた。


「遅い。」

たまーの遅刻がある男だけど、理由はままある。

“誰かを助けた”などお人好しだが、そこも好ましい。


流石にもう待てない。王族の方達の挨拶が始まる前に入場しておかないと。
貴族の端っこと言えど礼儀は大事だ。


仕方なくパートナーなしの入場に、弟が何かあった?という顔を見せたが
問題ないと手を振っておく。


王家の方々の挨拶が終わり、パーティーは華やかな音楽で始まった。
ダンスを踊る相手もいないので、壁の花だ。


寝坊だったら殴ろう。

「アラー?アイナ様。お相手はいらっしゃらないの?」


「急な腹痛で来れませんでしたの。」

まあそんな理由だろうと嫌味を流すけど
とりまき3人組みは、嫌な笑みだ。

「そうですの?」

「そういえば、くる途中、事故があったってご存知?」

「ええ、平民だったようで、治療院へ運ばれたって。」

「いやねー。喧嘩だったらしいわ。」

「あらあ、そんな人がいたの?怖いわっ」


クスクス3人で話しがとまらない。
嫌な予感がする、

「赤い髪だったわね。」
「パーティーへ来る途中でよ」

「あの馬車は鳩の紋章だったかしら?」


約束してくれたパートナーが来ない
特徴の一致


「なあ誰なんでしょう?心配ね。」

私の前で、心配を装った話。


罠を仕掛けてくれたな?



ひと通りに大声で叫んでくれた3人のせいで、
パーティーで知れ渡った。

従えている令嬢とは別行動らしいから関与はどれくらい?

けど
これは、許せない


ぎりっと奥歯を噛み締め、まずはパートナーの無事を確認しよう


「失礼」

私はパーティーを抜け出し、近くの治癒院へ馬車を走らせた。
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