【完結済み】腕の中の捕虜は、幼い番(つがい)。【R-18】

BBやっこ

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あらすじ

抱く

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ようやく、ようやくだ。
スンスンと番の匂いを確かめて、抱き締めた。

起きられたのか。元気そうだ
怪我の痕は痛まないか?

(他の男の匂いはないな?)つい確かめてしまう。


やっと、起きている番に会えた。
嬉しい!

食べてしまいたいくらい可愛い。
柔らかい頬に触れる。

ここも、どこも柔らかそうだ。
俺が触れていても逃げ出す様子はない。

“逃げられていない”事にも歓喜する。

人間は獣人と会うと逃げるとか言われていたが
俺の番は逃げないな。状況を把握しようとしている。

強い眼差しだ。濃い紫の瞳が、俺の様子を伺う。
君の瞳に、俺はどう映る?

「俺の唯一ゆいいつ

ああ。君が俺を選んでくれるか?
警戒と緊張、少しの好奇心
小さな体に詰まっている、見定めようとする眼で。

その唇から俺の名前を呼んで欲しい
口付けされたら高揚するだろうな

ふんわりと柔らかい感触を想像する
妙な昂りを理性でなんとか制御した。

俺は、2人の関係を築かなくてはならない。受け入れられるように。

しかし、思考は暴走した。
唇は特に傷つきやすいんだったか?

優しくケアしないと人間の肌もすぐ荒れるんだったな。
荒れが酷いと体調が悪いとか。

頬に触れればすべすべの肌だが、この地は極寒だ。
“人の肌には堪える”と人間の商人、シュルトが言っていたな。

軟弱だと思ったが、獣人でもツライ時があるってな。
あんなに毛があっても慣れないもんらしい。

大変だな。
竜人は魔力と強靭な体を持つ
戦闘民族で男ばかりが生まれる種族だ。

母親の種族は決まっていない。
番への執着が強く

囲い込み、冬の間中離さないと言う。
“ベッドの中で”とつく。

性欲と体力、独占欲で爛れていた。


しかし、ロードの番はまだ幼い。

(俺が守る)
庇護欲のが刺激される。もちろん近寄る男は撃退したいが。

しっかり食わせて、成長させて俺のものにする。
何年かかるだろう?

まだ少しの会話だけだったが、番を求めずにはいられなかった。


(俺が立派に育ててやるからな!)

ぎゅうぎゅうと抱きしめる
この嬉しさをどう伝えればいいだろうか。大物でも狩ってくるか?
いいや、かた時も離れたくない。

あゝ。腕の中に俺の番がいる。

「一緒に、部屋に帰ろう。」

頷いてはくれなかったし、
部屋に連れ帰るのを議長エルフと医師に阻止された。

確かに俺の家は南だが、今の部屋でも不自由はさせない!

ん?まだ回復していないのか。
番のためなら仕方がないが…。

「俺の部屋で…」
と言ってみたが、

環境が変わると体調を崩す?!なんて繊細なんだ。
慎重に扱わないとな。

詳しい話を聞くのに番を
抱きかかかえて部屋を移動した。



早く、俺のへやに囲い込みたい。
誰の目にも触れさせたくない。

その欲望に蓋をした。
まだ早い


欲望が放たれるのは、まだまだ遠いらしかった。
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