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あらすじ

*カラダ

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肌の打ち合う音だ

パンッパンッ…
本能のまま、腰を振る。

グチャグチャと混ざり合う体液が、ツゥーっと生暖かく足を伝う。

「ハァ…ハァ…」
呼吸の乱れと焦燥感で
頭の中まで、グチャグチャだ。

お願いだ。

“愛してる”
“どこにも行かないでくれ”

彼女が傷つけられるのを恐れる、俺が居る。

この柔らかい肌に
舌を這わせ、頬にその感触を拾う。

驚く程、簡単に傷がつく。

他に傷つけられるくらいなら、むさぼり喰おう。

カブリと歯形をつけたくなる衝動を抑え、ハムっハムっと肌を吸う。
肌、髪、匂い

グィっと俺の怒張を彼女の奥に進めた。

何回出したかなんて数えていないが、溢れる程に注いでいる。
彼女の身体は、痙攣するようにビクンッと反応するが

その感情はわからない。

(そりゃあ、夢だもんな?)

俺の作り出した、番。
俺の妄想、夢の住人。

頭の片隅でわかっていても、欲は増すばかりだ。

繋げたい。
身体を繋げれば、一つになれば彼女は害されない?

不安だ。彼女が欲しい。
俺がナカに居れば、イイ。

グっとかき混ぜた。

掻き消えてしまわないように、存在ごと抱きしめる。


熱い肌、
彼女の吐息

ドクドクッと早鐘の脈動が、彼女の生存の証。

俺の番。

誰にも傷つけさせない。

いや、俺だけに。
溺れてくれ。



俺の方は、堕ちるとこまで落ちている。
ずっと2人で。

ひとつに。


「消えないでくれ。」

竜人の強さがあっても、彼女を失う可能性を見てしまった。
彼女が狙われた襲撃に俺は内心、狼狽えている。

勇敢で機転のきく俺の番は、敵から逃げ切った。
相手は窓から、魔導具を使って音を消しての侵入。

巡回の兵士も外され、無防備で隙を作られた。
助かったには、デカい狼の介入があったのも大きい。

それがなければ?


…俺がソイツを消す。

用意周到の単独の凶行だが、黒幕がいる!未だに尻尾が掴めずにいた。
魔導具の入手経路、巡回の兵士の誘導、動機についても

俺の番だからという理由で、狙われたってこともある。
そんなに、ココを粉々にしたいのか?

氷魔法と力で文字通り、粉々にしてやれる。


俺の番を喪えば。
ここら一帯を更地にしてやれる。




『あっ♡』

イイトコに当たったか?彼女の髪を撫でる。
生きている、動いてる。


(大丈夫だ。)
彼女の息遣い、甘い声。
達して震える身体に添い、寝むる。

「俺の唯一ゆいいつ


ーーー


日が昇った部屋。
テントのような野営で見慣れた寝台に、ここは何処だったか一瞬迷ったが。

俺の部屋だ。
模様替えして、そして…


隣を見て確かめる。
あどけない寝顔で、俺の番が寝ている。

起きる気配はなく、穏やかな呼吸。
そっと前髪を払った。


「離さない。守ってみせる。」

成長を見守りながら彼女を優しく抱きしめて、その存在を噛みしめたのだった。





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