【完結】叩き屋の少女は、最終的に騎士に連れてかれます。

BBやっこ

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こっちとあっち

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数人の子供を引き連れ、扉を叩きまわる。
叩き屋なんて言われるが、バカなことしたガキしか叩いたことないよ。

扉を叩いて回って物を売ってるんだ。
扉を開ければ寒くて渋られるけど、そこは腕の見せ所。必要そうな物を売りにくる。


今はマッチがあるか聞いて回っているが、こいつらに暖かい部屋に置くためだ。

マッチもつけているぞ!


「これも、教会の壁に穴が空いたせいだ。」
部屋が寒すぎていられない。あんまり小さいチビと女の子は置いてきた。

仕事先の家に置いてもらえるように頼むのも、全員は無理だ。
だから、家の事情と噂とを踏まえて、叩きに行く家は辺りをつけている。

普段から、物売りに回っているから慣れている。
冷え切った手に巻いた布も緩んできたので巻き直す。

「あの家は?」
「危ないからバツだな。」

酒が入ると暴れる家があるし、余裕がない家だと共倒れだ。

2、3人になったところで日も暮れちまった。
今日寝るとこを確保して、全員をなんとか収めないと。

派手に叩き回っていたから、騎士が来た。

「来てもらおうかな?」

「ああ、あったかいスープが出ると良いんだけどな。」

流石に疲れて、声も震える。

「そうだな、この人数なら、あためた部屋に入るだろう。
具に入ったスープも出せる。」


この時期なら、しょうもないことで捕まって部屋を得ようとする大人は多いだろうに。

「じゃ、行くか」

騎士に連れてかれるのなんて、世間体が悪いんだろうが。

2人は手伝いに行ったが、あたしは手に包帯を巻かれ、ひと部屋を与えられる。
温かい部屋と食事に安堵して、眠りにつけた。


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