妖精の末路 

BBやっこ

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ある研究者の記録ノート

記録②

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嫌な夢を見た。

あれは昔のことだ。私の森の深いところで父は猟師をして暮らしていた。
やがて、兄が後を継ぎ
私は研究者を志望して街で暮らすも、早くに結婚した兄夫婦に世話になることも多かった頃。

兄夫婦に娘が生まれ、穏やかに暮らしていた。

そう思っていた。あの事を妖精のことを知った今、
振り返ればおかしなことが所々にあった。


庭の植物が活発になり
家の皆は早々に寝むる
家の物に生活感がなくなってくる

それは小さな違和感。
周囲と隔絶するような庭、夜の時間を奪われ、家に篭る日々。

あれは妖精の“籠の中”だ。
気に入った人間を家に閉じ込める。それとわからないように。

猟師の朝は早く、その家族が早寝なのにおかしくは思わず
たまに泊まりに行った時も、家族を持った兄の暮らしぶりの違いを

新婚で子供もいる生活だからで済ましていた。
外から泊まりに来る私に気をつかってくれた結果だと。

ああ。後悔はある。
しかし、子供を盗られるのは防げた。

妖精は気に入った子供を連れて行く
もしくは親を何処かにやってしまう。


それが起こらなかったことだけが救いだ。

私は運良く、『妖精の会』に所属した。
妖精の起こす最悪の事態を阻止するために緩やかな繋がりを持つ。

私のように直接の被害にあらず、関係者に声をかけている。
活動内容は普段の仕事をしながら、違和感のある話があれば報せるという末端の会員だ。

兄夫婦は立ち直っているものの、娘の方は妖精に気に入られた。
今後も注意が必要だ。

幼い子供だと妖精の誘惑にのってしまう危険がある。

保護の名目に、昼間には教会で預けられている。
元気に成長しているようだ。


本当に無事で良かった。


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