【全7話・完結】昔からの婚約者。けど2度とその手はとりません。

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実家に帰った。
パパとママは一時の事、気の迷いと言うけど、彼への不信感が拭えない。

「冷静になって話し合え」

「本当にいいの？」

そう聞いてくるパパとママに、決心は揺るがないと言ったけど。

「本当は迷ってる？」

「お姉ちゃん。」


結婚して家を出たお姉ちゃんが、帰って来ていた。
以前とは、結婚する前と後では違う距離を感じていた。

ソファの横に来て、一緒に座る。

「思いとどまりたいなら、2度とその手を取らない、助けないってくらいに
割り切った方が良いわ」

「そうして良いのか、悩んでいるの。だって私の態度、厳し過ぎる？」


「厳しいようだけど、将来の分岐点よ。感情だけじゃなく考えた方が良いわ。

お姉ちゃんの旦那さんは、女性関係が派手な相手だった。
「お姉ちゃんの覚悟が重い。」


「後悔のないように」


そう、髪をすいてくれるのは、やっぱりお姉ちゃんにままだった。

「お姉ちゃんは私の甘やかし方を知ってる。」

「ええそうよ？わかりやすい妹だもの。」


「そう言うけど、パパは突然怒る私に辟易するし、ママは難し子って言う。」

「いいえ、素直で可愛いわ。」

「あっそ。」

そっけなく答えて、赤くなる顔を隠した私だった。