『舐められている。物理で!』〜馬を世話して、犬を愛でて猫をかぶる。鶏にコケにされてなるものか!〜

BBやっこ

文字の大きさ
4 / 17

婚約者?

しおりを挟む
告白を受けたわたしは、

とりあえず「父に話してみます。」と伝えお暇した。

友人 リンリーと街に出かけたものの、妙な浮かれ具合に
存分に楽しむことはできなかった。

スイーツは食べたけど。
母への贈り物は、またの機会だ。



とにかく、父に手紙で相談することに。
成人間近の年齢の令嬢は、親の許可、当主の了承が必要だ。

まだ婚約者を探してくれているだろうから、一旦こういう話があったと
伝えておかないと。

辿々たどたどしく、角ばった慣れない字で父に手紙を書き終わった。
事実のまま、告白をされましたと書き、家柄や条件なんかは父に任せよう。

わたしがやることはとりあえず、ここまで。
明日、学園の配達受付へ出しに行くことにして

“ゲイル・サイモンス”の事について考える。
赤い髪のきつめの印象がある。男子生徒との接点ってあまりないのよね。
大体、元気に動き回っている印象よね。

「子爵で、お酒を扱う商売をしているんだったかな。」

リンリーは情報通だから、他にも聞いてくれそう。
街に行ってからは他の話題にして、詳しくは話さなかったけど。

(接点、ほとんどないのよね。)

突然、唐突に。という言葉が合う。
おとなしそうな、地味とも言える見た目のわたしに告白。
親同士からじゃなくて?

(婚約を焦っているのかな?…なんでだろう。)
まだ最終学年があるし、わたしに声をかけた理由。

恋愛的なもの?一目惚れとかは自惚れね。

相手は緊張はしていたけど、そういう感じじゃないかも。
わたしは、劇みたいに情熱的なものではなくても真摯に
信頼できる関係を築ける相手と縁を結びたい。

最初は口頭での話だし、まあなかったことにで終わった。
けど2回目は文通をして交流をがあった。

そこから相手は、好きな人ができたと
たぶん、男爵より上のお嬢さんを選んだんだ。


(今度は関わるか見極めてからでも良いよね?)

「良い縁があれば掴んできなさい!」と実家から送り出された。

婚約者というものに、少し不信感のあるわたしに母は気づいていたのかも。
父が相手を探してくれているのは知っているけど。
学園に来ているから、そういうお相手探しの場所としても良いのよね。

爵位の上の方達は婚約者と親交を温めているのでしょうけど
下位貴族には決まった相手がいるのは少ない。

学園で
でなければ親交のある相手の娘息子と縁付けてる。
下街なら、もう同居していることもある。

わたしは実家から出て行った方が良い立場だ。
兄のお嫁さんからしてみたら、母よりもやり難い相手だろうしね妹って。

どんな女性を捕まえるのかなあ?

そう言ったら「お前はどうなんだ!」って聞き返されるんだろうけど。
そのムカつく兄の顔を思い浮かべてしまい、枕を殴れば中の羽根が飛んで出てしまった。


ーーー

「婚約の申し込みなら、チャンスだろ?婚約破棄したばかりは狙い目だ。」
「より良い返事が来たら…。」


「侯爵家のキープだよ。男爵家の娘なんて、ポイっと捨てて文句は言えないさ!」


「あて馬、か。男爵令嬢がちょうど良いね」

仄暗い笑を浮かべた2人はグレイテスが知っている男たちだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

わんこ系婚約者の大誤算

甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。 そんなある日… 「婚約破棄して他の男と婚約!?」 そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。 その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。 小型犬から猛犬へ矯正完了!?

猫なので、もう働きません。

具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。 やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!? しかもここは女性が極端に少ない世界。 イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。 「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。 これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。 ※表紙はAI画像です

【短編版】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました

降魔 鬼灯
恋愛
 コミカライズ化進行中。  連載版もあります。    ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。  幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。  月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。    義務的に続けられるお茶会。義務的に届く手紙や花束、ルートヴィッヒの色のドレスやアクセサリー。  でも、実は彼女はルートヴィッヒの番で。    彼女はルートヴィッヒの気持ちに気づくのか?ジレジレの二人のお茶会  三話完結  コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から 『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更させていただきます。

【書籍化】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました

降魔 鬼灯
恋愛
 コミカライズ化決定しました。 ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。  幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。  月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。    お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。    しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。 よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう! 誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は? 全十話。一日2回更新 完結済  コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更しています。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

うっかり結婚を承諾したら……。

翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」 なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。 相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。 白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。 実際は思った感じではなくて──?

処理中です...