『舐められている。物理で!』〜馬を世話して、犬を愛でて猫をかぶる。鶏にコケにされてなるものか!〜

BBやっこ

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お茶会

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「仕切り直しに、皆さんでお茶を頂きましょう?」

涼やかでよく通る声
高貴な方は声も、出し方も、音さえ違う。

そんな迷子で、場違いな男爵令嬢が招待されたお茶会。
伯爵令嬢主催、わたしの隣には侯爵令嬢に付き添ってもらっている。

フォローしてくださるらしい。ガッチガチのわたしには、貴女だけが頼りです!
縋る勢いで、膝がガクブルするのを隠してもらって
心の中で謝りながら、必死に学園で習ったマナーを思い出している。

お茶、いい香り。味、ワカラナイ。たぶん絶対オイシイ。

「勘違いを許してくださる?」

男爵令嬢違いで呼び出し、糾弾された昨日のことだ、
必死に頷き
「はい」と絞り出した。

わたし、汗がすごい。

貴族同士、仕事の関係もある相手のため話し合いで済ませたらしい。
結局、婚約者の誤解という話にされたが不信感が露わになった。

その話題が繰り広げられ、情報交換しているのでしょうけど

(帰りたい。切実に。)

確かに関係者と言われてもちょっとある。
ゲイル・サイモンスに声をかけられた。
婚約者になると話が出ているのに、なんで男爵令嬢なんかに声をかけたのか?

告白というより口約束。
侯爵家で3人の婚約者候補がいて、爵位が1番低いらしい。

つまり、キープ?
そんなことだろうと思った。・・この展開は思わなかった!

自分のティーカップに注がれるお変わりのお茶。
ここ、男爵令嬢のいて良い場所ではない。
メイドさんだって、私よりくらいの高い方達だ。


(正直、恐れ多い。全てにおいて。)


お茶会、こういう場での発言権はないのである。
男爵令嬢は、飾りの人数合わせ…

「貴女はどう思いますの?」

ないはずである。

応えないはありえない。
結婚?結構、こけっこっこーと言いたくなる。
回れ右をして逃げたい。


「わたしには家のことはわかりませんがっ相手とは誠実にお付き合いしたいと思います。」

「そう」とお答えをいただき、わたしは一気に吐き出した。助かった(泣)

お茶会はわたしにとっても情報の場になったけど
会話は頭を通り抜けていった。

劇はみるもの
(舞台に立つものじゃないわ。)

わたしは劇俳優には慣れないと分かった日だった。



お土産のクッキーをいただいて、最後の力を振り絞ってのガタガタな礼をしてお暇した。

「無事帰還ね!」
寮の部屋でリンリーが迎えてくれたけど
ベッドに突っ伏して、動けなくなるわたしでした。

「ねえどうだったのおーっ?」


「ゲイル・サイモンスは

「そっかー。噂を流す?」
「んーん。もう流れてるよ。」


送料代がかかるけど、お茶会での話をかいつまんで伝えよう。
告白してきた人がどういう人かはわかったね。

口約束だったで済ませようとしたんだろうけど。
こうして三度目の婚約者?候補は、流して・ポイする事になりそう。

全然惜しくない。手紙の送料のが気にする。

母さんにお茶会で頂いたお茶の葉も届けようっと。
とっても美味しいお茶を送れることが、良いことよね。
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