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男爵令嬢
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男爵とは爵位の最低の位
貴族藉を持つものの、その生活は平民に近い。
実家は考え方も平民に近く農業をしている。馬がいて鶏を飼い、その世話をよくしていた。
令嬢の普通ではない。猟犬がいて、猫が餌を食べにくる。
人以外も多い、賑やかな実家だった。
(皆んな元気かな)
持ちつ持たれつ
小さな領地を一緒に収穫作業に混ざるくらいには、領民と仲が良い。
餌の代わりに馬力を出してもらって労働力に。鶏卵をもらい
犬は狩りへ一緒に行き、猫は癒しを与えてくれた。
(癒されたい。)
アルバイトで馬とは関われるけど、猫はいない。
猫被りはいるけど、全然癒されない。
“手紙を書いた、栗毛の男爵令嬢。”
未だに男爵令嬢はいるか?と呼び出されそうになる。
「わたしは茶髪で、手紙は書いていません。」と答えると
「間違え令嬢か。」
間違えてるの貴方達ですけどぉ?!!
わたしに隣のクラスの例の男爵令嬢との交流はない。
絶妙な立ち回りをしているらしい(リンリー情報)。
元々、派手で
男女の対応の違いから、お近づきになりたくないタイプだ。
以前、リンリーに近づいて、商品を融通してもらおうとしたらしい。
「わたしに貢げって?いくら出せるか聞き返したわ。
アレは、良い商売相手じゃないね。一方的に奪っていくタイプ。」
「それは、凄いね。」
「凄い猫被りで、男は騙されるみたい!」
可愛くない猫らしい。
最近は、焦茶髪の男爵令嬢ではないと言うおふれが出て
“間違い令嬢”というのは減った。
しかし、敵もさるもの…
「あたしのことではありません。隣の男爵令嬢ですよ!」
と言って逃げ切ったこともあるらしい。
彼女の外面を他で活かせれば良いのに。
強気で、支配的な性格はこれまでも問題になったそうだ。
平民の生徒は彼女の性格を把握しつつある。
従うのは、演技に騙されている数人。
わたしは知らなかったなあ。
地味なわたしは彼女の目を掻い潜っているらしい。
いや、一回手紙を押し付けられたな。
その時のことが尾をひいている。
平民に思われてたとか?
会話したのがあの時だけだからわからないけど。
(近づかないようにしよう。)
中庭の渡り廊下に皆が注目している。
「ですから!ご招待すると言ってるでしょう?」
「あたしを苛めるでしょ?権力って怖いわ!」
涙を流して、大声で注目を集めている栗毛の女生徒。
あんなに泣きながらでは、セリフが綺麗に聞こえない筈。
泣く演技ですね!
彼女は舞台女優になれるだろう。
けど、観客は同情的だ。
側に立つ高貴な方々。
公爵令嬢マリリアン様とそのお友達。
王子様の婚約者様だ。
お声はきけないまま、去っていった。
召喚に応じなかった、たぶん例の男爵令嬢。
不穏だ。
「男爵令嬢ごときが!」
「おとなしく従えば」
「はしたなく叫んでいたそうよ?」
教室の側で、そば立てる声。
男爵令嬢のわたしに流れ玉がくる。
コンっコロロロ(石)
物理で。
「ちょっと!隣のクラスの男爵令嬢よ」
リンリーが怒ってくれるけど
減らない。
わたし(男爵令嬢)に攻撃することで、
派閥に入っているというアピールになると思われている。
ああ。可愛い猫に、癒されたい。
貴族藉を持つものの、その生活は平民に近い。
実家は考え方も平民に近く農業をしている。馬がいて鶏を飼い、その世話をよくしていた。
令嬢の普通ではない。猟犬がいて、猫が餌を食べにくる。
人以外も多い、賑やかな実家だった。
(皆んな元気かな)
持ちつ持たれつ
小さな領地を一緒に収穫作業に混ざるくらいには、領民と仲が良い。
餌の代わりに馬力を出してもらって労働力に。鶏卵をもらい
犬は狩りへ一緒に行き、猫は癒しを与えてくれた。
(癒されたい。)
アルバイトで馬とは関われるけど、猫はいない。
猫被りはいるけど、全然癒されない。
“手紙を書いた、栗毛の男爵令嬢。”
未だに男爵令嬢はいるか?と呼び出されそうになる。
「わたしは茶髪で、手紙は書いていません。」と答えると
「間違え令嬢か。」
間違えてるの貴方達ですけどぉ?!!
わたしに隣のクラスの例の男爵令嬢との交流はない。
絶妙な立ち回りをしているらしい(リンリー情報)。
元々、派手で
男女の対応の違いから、お近づきになりたくないタイプだ。
以前、リンリーに近づいて、商品を融通してもらおうとしたらしい。
「わたしに貢げって?いくら出せるか聞き返したわ。
アレは、良い商売相手じゃないね。一方的に奪っていくタイプ。」
「それは、凄いね。」
「凄い猫被りで、男は騙されるみたい!」
可愛くない猫らしい。
最近は、焦茶髪の男爵令嬢ではないと言うおふれが出て
“間違い令嬢”というのは減った。
しかし、敵もさるもの…
「あたしのことではありません。隣の男爵令嬢ですよ!」
と言って逃げ切ったこともあるらしい。
彼女の外面を他で活かせれば良いのに。
強気で、支配的な性格はこれまでも問題になったそうだ。
平民の生徒は彼女の性格を把握しつつある。
従うのは、演技に騙されている数人。
わたしは知らなかったなあ。
地味なわたしは彼女の目を掻い潜っているらしい。
いや、一回手紙を押し付けられたな。
その時のことが尾をひいている。
平民に思われてたとか?
会話したのがあの時だけだからわからないけど。
(近づかないようにしよう。)
中庭の渡り廊下に皆が注目している。
「ですから!ご招待すると言ってるでしょう?」
「あたしを苛めるでしょ?権力って怖いわ!」
涙を流して、大声で注目を集めている栗毛の女生徒。
あんなに泣きながらでは、セリフが綺麗に聞こえない筈。
泣く演技ですね!
彼女は舞台女優になれるだろう。
けど、観客は同情的だ。
側に立つ高貴な方々。
公爵令嬢マリリアン様とそのお友達。
王子様の婚約者様だ。
お声はきけないまま、去っていった。
召喚に応じなかった、たぶん例の男爵令嬢。
不穏だ。
「男爵令嬢ごときが!」
「おとなしく従えば」
「はしたなく叫んでいたそうよ?」
教室の側で、そば立てる声。
男爵令嬢のわたしに流れ玉がくる。
コンっコロロロ(石)
物理で。
「ちょっと!隣のクラスの男爵令嬢よ」
リンリーが怒ってくれるけど
減らない。
わたし(男爵令嬢)に攻撃することで、
派閥に入っているというアピールになると思われている。
ああ。可愛い猫に、癒されたい。
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