『舐められている。物理で!』〜馬を世話して、犬を愛でて猫をかぶる。鶏にコケにされてなるものか!〜

BBやっこ

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巻き込まれ

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(間違えられてる。)

コソコソとして去っていく人達の冷めた目。
「男爵令嬢が」の言葉に、神経過敏になっているわたし。

(まだ大丈夫。)リンリーが側にいてくれるおかげだ。
隣のクラス栗毛の男爵令嬢は、周りに男の子ばかり居るらしい。

その点で相違が分かるそう。
“脅して女の子と一緒にいる”という噂も出たけど。

(ハアもう。)間違い令嬢でクラスの人達は同情してくれるけど、
上も下の学年でさえ視線で物言いしてくる。

憂鬱。
それが加速したのは“今度、男爵令嬢の断罪がある”

まことしやかに広がった。
その噂で、断罪される男爵令嬢と間違えられる回数、5回。

である。なんて冗談のような本当の状態。

そんな時に…

「グレイテスさんはいらっしゃる?」
その鈴音のような声は、記憶にあった。
侯爵家令嬢

共通点は、ゲイル・サイモンスを元婚約者になしたことだろうか。

お嬢様と言いたくなる凛とした方だ。
名前は
「シェイラ様」
リンリーがぼけっとしていたわたしを引っ張って近づく。

「噂で大変迷惑していると聞いて。私にできることがありまして?」

態々、訪ねてくださった。
この事で
気にかけてくださっているとわかる。噂の払拭のために動いてくださったのだ。

ただの男爵令嬢に。
「あ、ありがとうございますぅ!!」つい大声で言ってしまった。
けど、わたしの精神はジリジリ減っていた。

シェイラ様の
心遣いに、泣いて有り難がるわたしだった。


心が潤ったね。もうちょっとで冬休みだし乗り切れると思ってた。
そんな事があって、ちょっと落ち着いた日々


そして冬休み前の式典で
「男爵令嬢でも貴族であるなら、弁えよ!」

わたしは、声を聞いていた。2学年生の出席する式典ですから。
「私の近くにいなさい」と威圧的に思えるかもしれないけど。これ、親切心からだ。

とてもお世話になっている侯爵家令嬢、シェイラ様。

また隣のクラスの男爵令嬢と間違えて呼び出されたけど

側にいれば多少守れるし、人違いと証明できる。と何かと気にしてくださった。
今も守ってくださっています。

(救いの女神に拝みたいわ。)


一方で壇上では、栗色の髪の男爵令嬢が男の子に挟まれ、その瞳に涙をためる。
(凄いわあ、その状況で足腰立ってられて。)

そんなわたしにチラッチラッと目線が来ていた

「こいつじゃ?」
「あんたあっちでしょ」


(違うって!!)

シェイラ様やお友達の口添えで、わたしは噂と関係のない男爵令嬢と
振る舞えている。
あからさまな口撃はなかった。

未だに“間違い令嬢”と言われるのが気に食わないけど。
心労がたまっているけど、それも休みに入ればというところでコレ?


「男爵令嬢へ王子に近づかないよう採算申し渡すが
守らなければ学園から出てもらうぞ?」

学園として措置をとる最終勧告だ。
学園卒業の証は今後に役立つ魅力のひとつだ。それを不意にする?

(そんな馬鹿じゃないでしょー?)と考えていた。


「グレイテス・タンブラー!」

わたし??!
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