『舐められている。物理で！』〜馬を世話して、犬を愛でて猫をかぶる。鶏にコケにされてなるものか！〜

おまけ

馬

馬

僕の生まれも育ちにも関係のある生物。
家が代々、馬の生育をしていて王家に奉じたこともあるほど、盛んもなり評価も高い。

そうして家が、子爵になったのは祖父の代のこと。
更に今代の父で、爵位を上げるのではないか？という打診がある。

馬の世話をし、交流を得て、商売の方にも手が伸びている。
僕はその暮らしを楽しんでいる。

今の王都の学園の煌びやかな学生生活、これよりもっとキラキラしい社交界に行くのは
気が重いくらいには。

でも、長男の僕はお嫁さんを迎えなきゃいけない。
王都から遠く、不便な場所に来てくれる…馬の世話ができる令嬢っているのかな？

成長株で、王子の近くにもいる僕は
地味に人気だったりしたら結婚相手を探すのも楽なのに。長男だし、ちょっとはねえ？

地味で気づかれないか。まだ子爵だし。
爵位が上がったら違うのかなー。

まあ、パーティに出るようになれば探せると婚約者探すに焦りはなく
王子の取り巻きのようなポジションに身を置かせてもらっていた。

そんな暢気な僕を同級生は馬鹿にしてたけど。
仲の良い友人は、「まあお前だし？」「ちゃっかり見つけてそうだな」という言葉をもらっている。
実際、父の方に打診があるものの「自分で見つけて来なさい」という方針だ。

珍しい部類らしい。まあ3年まで見つからず
犬獣人の同級生と細々した仕事を請け負って学生の交流を過ごしていた。
婚約者探しより、交流の方を優先させてたんだ。

周りは慌ただしいけど、社交パーティを視野に入れて落ち着かない。
そんな日々からの癒しの場所に来ていた。

「シルビア」

気難しい雌馬だ。ちょっとこの環境に慣れずにストレスを溜めているので心配。
「まあ分かるかも。ここは高い建物で圧迫感があるし。」

以前にいたのびのびできる環境から離されたのは、共感できる。
何かリフレッシュできると良いなと思うけど、学園の馬として自由が効かない。

僕にやれる事はないかと、ブラッシングしながら考えていた。

そんなある日、
学園の馬だから学園の人が世話していると思うじゃない？
そこに女の子が居たら何してるのかなー？って覗き見る形になった。

平民の子だと思った。
アルバイトをして、学費を賄っているのだろう。

偉いね、
動きにも慣れたものがあって、好感が持てた。

結婚相手に、馬が苦手な子は避けたいと思ってた。
舐められても平気な様子に、目をみはる。

(平民の子との結婚は大変だろうか。)
相手の学生のことが気になり始めた。

3年にはいない子だ。
2年かな。1年に馬の世話は任せない。
ここ、学園でも離れた位置だし。不慣れな1年には任せていないと聞いた。


後に子爵家の嫁で、
馬を献上する家の仕事を手伝ってもらう女の子。


その家業を一緒に支えてくれる相手が欲しい。


この時は僕の希望で終わっていた。
その子とは、次があったんだ。