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待つ

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立派なお屋敷

郊外なので、買い物に行くのは大変そうだけど
手入れのされた屋敷は、人も招けるだろう

その予定はない気がする。

私の結婚相手は、社交がお嫌いらしい。

王家主催のパーティ、勲章式などのお仕事関係の
ものしか出世されておらず、パートナーはなし。

それでもそのご尊顔を見ようと、多くの女性が待ち構えていたらしい。
その誰もが袖にされたとも付け加えられたいた。

幽霊屋敷なんてことはなかったわね
そのイメージだけで、住まいまで幽霊屋敷にされていた噂はひとつ訂正できた。


経歴は地道に出世に道を進んでいるかの方は
どんな秘密を持っているのかしら?


そして対面の時が迫っている。

高級な紅茶を出され、案内された部屋で待つ。
昔からいる執事は老齢で、私の訪問理由もわかっているのか、いないのか?

他の使用人も今のところ、古くから支えているといった雰囲気だ。
まだ数人しか見ていないけど、この屋敷が変化を求めていない。

古くからある絵、定番のもの老舗の品と思われる。

流行を追う貴族は、こぞって珍しいものを求める傾向にある。
応援する工房のものを飾ったりもするけどハデハデしいのが特徴だ。

ここのは、渋い。

女性がいないのも影響しているか?
華やかさや女主人の役目と変化がわかるものだ。

うちに母がいたことはなかったけど、他家に訪問した時に感じた。

うちの事情とは違うわね
新興貴族、金儲けを優先している

そんなうちには、妙な人が居座ることも多い。
主に女性だ。

父は派手な人で女性関係の話も尽きないけど
本気になることも、のめり込むこともないようだ。


あの父だものね

それはいいわ。私の結婚を勝手に決めるのも家長の権限でもあるし
この結婚が、普通のものであるとは思っていない。

お相手からして変わった方のようだし。
「私も変わり者、ですものね?」

私のメイドは、声を拾ったのか片眉を上げた。

『何をおっしゃっているんですか?変わり者なのは知ってますけど』

って感じかしら。
そろそろ、一杯目の紅茶が空になる。

懐かしいのクッキー
バターの味がやさしい。

砂糖菓子が流行っているけど、昔からある味も良い。

リラックスしていながら、
どれくらい待たされるか考える。


待つのも時には重要だ。


これから合う騎士侯爵様のことを考える。
お年は、私より3つ上。

人形と揶揄される理由は、
勤務態度の良さ

金を出されても、受け取らない堅物

その見た目は潤わしい

詩的な表現で、わからない。

女性に好まれる容姿なのだろう。
お会いするにが楽しみではある。


そしてノックの音

「旦那様がお見えです」
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