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あの子?

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「空気のように静かにしていなさい」
「そうね、アナタが勝手についてきたのだから。」

3人の令嬢。

姉妹かな?
3姉妹というより、仲の良い友人とどちらかの妹という関係に見える。

妹は、まだ幼さがなが残る仕草をする。
(一人で残して大丈夫だろうか。)

誰か呼ぶ方が良いと思う。けど、彼女は活動的に庭に降りてきた。

「存在を消すの。こんなにも簡単よ。」
鳥に向かって喋っている。あの年頃でならセーフな光景だ。


「木のように、静かに呼吸を合わせるの。
きっと溶けるように、消えるわ。」

そうして、動かない。僕はそっと彼女に近づいてみた。

「寝てる?」

穏やかな呼吸で、眠っている姿は絵の天使を思い起こさせる。
僕もゆっくり、呼吸をしてみた。


ちょっと、気持ちが軽い。


僕は、従者が探しに来るまでのんびりしていた。

彼女は、エルフの姫君だった。

ちょっと芽吹いた気持ち。
彼女への恋心を抱いたのは、この時だったかもしれない。
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