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始まらないはじまり
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あの時までは俺の決意は本物だったんだ。
「っ、もういい! 出ていく!」
ケータイ、財布、読みかけのマンガ、手当り次第にバッグに詰めこんでいく。
今度こそ本気だ。俺はこの家を出ていく。止めても無駄だ。こんなクソッタレな家で生きていく価値なんてない。
「じゃーな! 息子が変わり果てた姿でニュースとか新聞とかに載っても後悔すんなよ! バーカ!」
「アンタ家出すんのか脅迫したいのかどっちかにしなさいよ!」
母親の怒号と、お玉かフライ返しをシンクに叩きつけた音が聞こえてきて俺は顔面蒼白になった。ヤバイ、めちゃくちゃ怒ってる。
こちらに向かってくる重い足音から逃げ出すべく、俺は玄関へ走った。なんて恐ろしい母親だ。怒鳴り声だけであんなにパンパンに膨らんでた俺のやる気を萎縮させるとは。
とにかく今は逃げなければ。捕まったらいろんな意味で俺は終わる。
焦りでカギを開けるのにやたら戸惑った。解錠の音がどれほど救いに聞こえたことだろう。
「こら、淳! 待ちなさい!」
間一髪。俺は玄関を開け、すっかり日が暮れた外へと駆け出した。
――ああ、自由だ。
その甘く魅力的な言葉に涙した。
直後、ぼやけた視界を通して飛びこんできたのは、降り注ぐ日の光に照らされた大自然の光景だった。
「っ、もういい! 出ていく!」
ケータイ、財布、読みかけのマンガ、手当り次第にバッグに詰めこんでいく。
今度こそ本気だ。俺はこの家を出ていく。止めても無駄だ。こんなクソッタレな家で生きていく価値なんてない。
「じゃーな! 息子が変わり果てた姿でニュースとか新聞とかに載っても後悔すんなよ! バーカ!」
「アンタ家出すんのか脅迫したいのかどっちかにしなさいよ!」
母親の怒号と、お玉かフライ返しをシンクに叩きつけた音が聞こえてきて俺は顔面蒼白になった。ヤバイ、めちゃくちゃ怒ってる。
こちらに向かってくる重い足音から逃げ出すべく、俺は玄関へ走った。なんて恐ろしい母親だ。怒鳴り声だけであんなにパンパンに膨らんでた俺のやる気を萎縮させるとは。
とにかく今は逃げなければ。捕まったらいろんな意味で俺は終わる。
焦りでカギを開けるのにやたら戸惑った。解錠の音がどれほど救いに聞こえたことだろう。
「こら、淳! 待ちなさい!」
間一髪。俺は玄関を開け、すっかり日が暮れた外へと駆け出した。
――ああ、自由だ。
その甘く魅力的な言葉に涙した。
直後、ぼやけた視界を通して飛びこんできたのは、降り注ぐ日の光に照らされた大自然の光景だった。
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