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第20話 魔法獲得を目指して
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特訓を続けること一時間。
一通りやることを終えたのか、紫音は息を切らしながらこちらを向く。
「一応、ここまでが毎日行うものになっています。アルスくんは何かお気づきになった点がございましたか?」
「ふむ。そもそもの疑問なんだが、紫音は魔法を使わないのか?」
「魔法は先天的な才能を持った限られた人間にしか使えません。私はその才能には恵まれなかったので……」
悲しそうに視線を落とす紫音。
だが、俺は疑問に首を傾げた。
「確かに生まれた時から魔法を使える奴もいるが、普通は特訓していくうちに使えるようになるものだろ? 見たところ魔力の扱いはうまいし、紫音も魔法を使う資質はあると思うけど」
「っ、本当ですか!?」
ぐいっ、と。
紫音は身を乗り出し、両手で俺の右手を掴んだままそう言った。
驚愕と歓喜が入り混じったかのような表情。
彼女にとってはそれほど重要な情報だったらしい。
俺は昨日の風呂場での一件を思い出し、少しだけ気まずさを覚えた。
「し、紫音。手が」
「あっ。も、申し訳ございません!」
自分の行動を自覚したのか、紫音がかーっと顔を赤くして後ろに下がる。
俺は一度だけわざとらしくせき込んだ後、言った。
「もちろん本当だ。どうやらこの世界には魔法の獲得方法があまり知られてないらしいな。まあ術式系の魔術なら学習すれば誰でも一定の成果を出せるし、そっちが重視されていたんだろう」
聞いたところによると、この世界の魔術理論はかなり体系化されている。
個々人の才能に委ねるより、最低基準を引き上げることに重きを置いていたのだろう。
どちらが良い悪いの話ではない。それでこの世界の平和が保たれていたなら、それでも問題はない。
だが、紫音は今以上の力を求めている。
そこに辿り着くには魔法の力が必須。
彼女には世話になった恩がある。
だから協力してあげたいと思った。
「俺でよければ、魔法の使い方を教えてやれるが、どうする?」
「ぜ、ぜひ聞かせてください!」
興味を持った表情を浮かべる紫音。
これだけやる気があるのなら、魔法取得も難しくないだろう。
「魔法を扱うにあたって、重要となるのは自分の魔力について深く知覚すること。紫音は魔力の扱いはうまいけど、まだ表面上の一部を利用しているにすぎない。まずはそこから修正していく必要がある」
「具体的にはどうすればいいのでしょうか?」
「手っ取り早い方法が一つある」
「教えてください!」
紫音は俺の答えを今か今かと待っている。
「自分の魔力を深く知るために一番いいのが、他人の魔力をその体に流すこと。それによってもともとの自分の魔力が際立ち、性質を深く理解できる」
「他人の魔力? ということはつまり――」
「ああ。今から俺の魔力を紫音に注ぐ」
それを聞いた紫音が、顔を真っ赤に染め上げた。
一通りやることを終えたのか、紫音は息を切らしながらこちらを向く。
「一応、ここまでが毎日行うものになっています。アルスくんは何かお気づきになった点がございましたか?」
「ふむ。そもそもの疑問なんだが、紫音は魔法を使わないのか?」
「魔法は先天的な才能を持った限られた人間にしか使えません。私はその才能には恵まれなかったので……」
悲しそうに視線を落とす紫音。
だが、俺は疑問に首を傾げた。
「確かに生まれた時から魔法を使える奴もいるが、普通は特訓していくうちに使えるようになるものだろ? 見たところ魔力の扱いはうまいし、紫音も魔法を使う資質はあると思うけど」
「っ、本当ですか!?」
ぐいっ、と。
紫音は身を乗り出し、両手で俺の右手を掴んだままそう言った。
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彼女にとってはそれほど重要な情報だったらしい。
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「し、紫音。手が」
「あっ。も、申し訳ございません!」
自分の行動を自覚したのか、紫音がかーっと顔を赤くして後ろに下がる。
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「もちろん本当だ。どうやらこの世界には魔法の獲得方法があまり知られてないらしいな。まあ術式系の魔術なら学習すれば誰でも一定の成果を出せるし、そっちが重視されていたんだろう」
聞いたところによると、この世界の魔術理論はかなり体系化されている。
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どちらが良い悪いの話ではない。それでこの世界の平和が保たれていたなら、それでも問題はない。
だが、紫音は今以上の力を求めている。
そこに辿り着くには魔法の力が必須。
彼女には世話になった恩がある。
だから協力してあげたいと思った。
「俺でよければ、魔法の使い方を教えてやれるが、どうする?」
「ぜ、ぜひ聞かせてください!」
興味を持った表情を浮かべる紫音。
これだけやる気があるのなら、魔法取得も難しくないだろう。
「魔法を扱うにあたって、重要となるのは自分の魔力について深く知覚すること。紫音は魔力の扱いはうまいけど、まだ表面上の一部を利用しているにすぎない。まずはそこから修正していく必要がある」
「具体的にはどうすればいいのでしょうか?」
「手っ取り早い方法が一つある」
「教えてください!」
紫音は俺の答えを今か今かと待っている。
「自分の魔力を深く知るために一番いいのが、他人の魔力をその体に流すこと。それによってもともとの自分の魔力が際立ち、性質を深く理解できる」
「他人の魔力? ということはつまり――」
「ああ。今から俺の魔力を紫音に注ぐ」
それを聞いた紫音が、顔を真っ赤に染め上げた。
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