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第二部 剣神と呼ばれた男
55 魔王の復活
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俺――ルーク・アートアルドの目の前には二人の敵がいた。
銀髪の男クレアスと、猫耳の少女アルマだ。
残りの魔族は、ティナたちが倒してくれたみたいだ。
にしても違和感のある構図だった。
ティナたち三人に立ちはだかるのはクレアス一人。
そんな彼の背後では、アルマが目を閉じて、何か魔術を発動しようとしている様子だった。
どちらにせよ、二人とも倒さなければならないことには違いない。
俺は剣を構えて駆ける。
「手加減はなしだ」
「くっ! だが、甘いぞ! ブラッソを倒せたとは言えども、それが魔術である以上どんな攻撃も僕には通じな――」
魔術が通じない、と言いかけたのか。
まあどちらでも構いはしない。
一閃。
クレアスが叫びながら翳した腕が、ぽとりと地面に落ちる。
「なっ、防げないだと!?」
「見れば分かるだろ、これは魔術じゃなくてただの武器。物理だ」
「ふ、ふざけるな! だとしても、こんな鋭さなんてありえない――」
これまでに体験したことのない事態なのか、動揺するクレアス。
だが俺は追撃の手を緩めない。
魔族相手には、腕の一つ二つ切り落としたところで安堵できないことくらい十二分に理解しているからだ。
「グラディウス・アーツ流――」
今すぐにでも止めを与えようとした瞬間だった。
クレアスの奥にいるアルマから、莫大な魔力が拡散する。
「なんだこれは?」
嫌な予感がする。
ヒリヒリと肌に突き刺さるのは、明確な殺気だ。
しかしクレアスやアルマのものではない。これはいったい――?
アルマはこくりと満足気に頷く。
「準備、完了」
「よくやったアルマ! だが復活前に、僕たちを地上に出せ!」
「了解」
「何を企んでいるのかは分からないが、そう簡単にはやらせない――」
彼らの企みを食い止めようと踏み込んだ瞬間だった。
先刻、俺たちが離れ離れにされた時と同様、遺跡全体が激しく振動する。
「きゃっ! また」
「次は何をするつもりなんでしょうか?」
「ルーク師匠、逃がすわけにはいかないぞ!」
レオノーラの言葉通りだった。
こいつらは今ここで倒さなければならない。
逃げるようなら、全力で追いかけて倒す。
「逃げる? 馬鹿を言わないでくれないかな!」
そんな俺の予想をクレアスは一蹴した。
地面は分割することなく上昇し、俺達五人は地上に放り出された。
……逃げるなら、遺跡内に敵戦力を分散させるはず。
まだ戦うつもりか? 勝てる見込みがあるのか?
あるとするなら、その根拠となっているのはアルマの手元にある魔力の塊だろう。
あれを掻き消す必要がある。
総力をかけてでも!
「ティナ! ユナ! レオノーラ! クレアスではなくアルマを狙え!」
俺一人ならばクレアスに妨害される可能性がある。
だからこそ後方の三人にそう指示を出すと、皆は頷く。
「分かったよ!」
「了解です、お兄様!」
「ああ、今度こそ!」
対するクレアスは。
「させると思っているのかい!? 君たちの攻撃が通用しないことくらい、さっきの戦いで身に染みているはずだろう!」
そう叫び、アルマの前に立ちはだかる。
ティナたちに意識を向けたその瞬間が隙となった。
「グラディウス・アーツ流、六の型――無刈(むがい)」
剣先を、クレアスの背後から突き刺す。
意識の外側から攻撃するこの型には、焦燥する頭では気付けなかったようだ。
「なにが、起きて……」
「はあぁっ!」
崩れ落ちるクレアスの体を遥か遠くに放り投げる。
これでアルマの壁となるものはいない。
「今だ、皆!」
そうして放たれる三者三様の攻撃。
Sランク魔物の群れを消滅させかねない程の攻撃は、アルマにぶつかる。
爆音と激震と共に、土煙が視界を覆った。
――なのに。
肌に刺す、嫌な予感は消えることはなかった。
それどころか、ますます強くなっていく。
「くく、くくく、くははははは!」
瞬間、辺りに響き割ったのは女性の甲高い笑い声だった。
俺はその声を聞いたことがある。
「ま、さか……」
驚愕のあまり、言葉を失う。
けれど何で、そんなはずはない。
彼女は俺が倒したはず。
その場で立ち尽くす俺を見て、這い蹲ったままのクレアスは楽し気に笑う。
「ははは、見たか……もう、手遅れだ、ごほっ。僕たちの、勝ちだ……魔王様の、復活だ!」
煙が晴れ、とうとう彼女が姿を現す。
地に濡れた赤色の長髪、鋭い眼光、二本の黒い角。
見る物全てを恐怖のどん底に突き落とす――異世界で多くの者を不幸にしてきた存在。
――魔王が復活した。
けれど、何故だ。
疑問は幾つかある。
まずは、魔王は俺が異世界で倒したはずなのに、というもの。
もう一つは、どうやって異世界からこちらに来たのか、というものだ。
そんな俺の疑問を知ってか知らずか、魔王は高らかに笑う。
「ふはは、ふはははは! 実に気分がいい! 体の馴染み具合もよいし、さらにこの世界には勇者がおらぬという事実が何より良い! この世界であれば、今度こそ我は魔王として君臨でき……」
不意に、目があった。
俺と魔王が。
瞬間、彼女はその態勢のままだらだらと汗を流す。
直後、魔王は告げる。
「帰ります」
「えっ!?」
「魔王様!?」
突然の帰宅宣言に驚いたのは、アルマとクレアスだった。
「な、何をおっしゃるのですか魔王様! 貴女様のお力を存分に振るい、世界に混沌を生み出してくださいませ!」
「そう思ってたけど無理! 勇者いるじゃん! てか何でいるの!? 勇者、勇者だよ!? 『俺は仲間がいたから、ここまでやってこれた……!』とか言いながらほとんど単独で聖剣振り回しながら魔王城に乗り込んできて四天王と我を一人で倒す化物だよ!? 勝てる訳ない、帰ります!」
「お、お待ちください! 何をおっしゃっているのかはよく分かりませんが、そもそも勇者とは何ですか!? 聖剣とは!? あのようなただの武器が、聖剣だというのですか!?」
「何を言っている! 勇者が持つ武器なのだから、聖剣に決まって……」
そこで再び魔王の動きが止まる。
俺の手に握られているのが、こちらの世界で作ったただの剣であると分かったようだ。
すると態度が急変する。
「マジで? 聖剣持ってない勇者とかただの雑魚じゃん……積年の恨み、今果たしちゃお!」
……よし、決めた。
まだ状況を理解しきれてはいないが、一つだけ。
あの魔王、全力で泣かす。
銀髪の男クレアスと、猫耳の少女アルマだ。
残りの魔族は、ティナたちが倒してくれたみたいだ。
にしても違和感のある構図だった。
ティナたち三人に立ちはだかるのはクレアス一人。
そんな彼の背後では、アルマが目を閉じて、何か魔術を発動しようとしている様子だった。
どちらにせよ、二人とも倒さなければならないことには違いない。
俺は剣を構えて駆ける。
「手加減はなしだ」
「くっ! だが、甘いぞ! ブラッソを倒せたとは言えども、それが魔術である以上どんな攻撃も僕には通じな――」
魔術が通じない、と言いかけたのか。
まあどちらでも構いはしない。
一閃。
クレアスが叫びながら翳した腕が、ぽとりと地面に落ちる。
「なっ、防げないだと!?」
「見れば分かるだろ、これは魔術じゃなくてただの武器。物理だ」
「ふ、ふざけるな! だとしても、こんな鋭さなんてありえない――」
これまでに体験したことのない事態なのか、動揺するクレアス。
だが俺は追撃の手を緩めない。
魔族相手には、腕の一つ二つ切り落としたところで安堵できないことくらい十二分に理解しているからだ。
「グラディウス・アーツ流――」
今すぐにでも止めを与えようとした瞬間だった。
クレアスの奥にいるアルマから、莫大な魔力が拡散する。
「なんだこれは?」
嫌な予感がする。
ヒリヒリと肌に突き刺さるのは、明確な殺気だ。
しかしクレアスやアルマのものではない。これはいったい――?
アルマはこくりと満足気に頷く。
「準備、完了」
「よくやったアルマ! だが復活前に、僕たちを地上に出せ!」
「了解」
「何を企んでいるのかは分からないが、そう簡単にはやらせない――」
彼らの企みを食い止めようと踏み込んだ瞬間だった。
先刻、俺たちが離れ離れにされた時と同様、遺跡全体が激しく振動する。
「きゃっ! また」
「次は何をするつもりなんでしょうか?」
「ルーク師匠、逃がすわけにはいかないぞ!」
レオノーラの言葉通りだった。
こいつらは今ここで倒さなければならない。
逃げるようなら、全力で追いかけて倒す。
「逃げる? 馬鹿を言わないでくれないかな!」
そんな俺の予想をクレアスは一蹴した。
地面は分割することなく上昇し、俺達五人は地上に放り出された。
……逃げるなら、遺跡内に敵戦力を分散させるはず。
まだ戦うつもりか? 勝てる見込みがあるのか?
あるとするなら、その根拠となっているのはアルマの手元にある魔力の塊だろう。
あれを掻き消す必要がある。
総力をかけてでも!
「ティナ! ユナ! レオノーラ! クレアスではなくアルマを狙え!」
俺一人ならばクレアスに妨害される可能性がある。
だからこそ後方の三人にそう指示を出すと、皆は頷く。
「分かったよ!」
「了解です、お兄様!」
「ああ、今度こそ!」
対するクレアスは。
「させると思っているのかい!? 君たちの攻撃が通用しないことくらい、さっきの戦いで身に染みているはずだろう!」
そう叫び、アルマの前に立ちはだかる。
ティナたちに意識を向けたその瞬間が隙となった。
「グラディウス・アーツ流、六の型――無刈(むがい)」
剣先を、クレアスの背後から突き刺す。
意識の外側から攻撃するこの型には、焦燥する頭では気付けなかったようだ。
「なにが、起きて……」
「はあぁっ!」
崩れ落ちるクレアスの体を遥か遠くに放り投げる。
これでアルマの壁となるものはいない。
「今だ、皆!」
そうして放たれる三者三様の攻撃。
Sランク魔物の群れを消滅させかねない程の攻撃は、アルマにぶつかる。
爆音と激震と共に、土煙が視界を覆った。
――なのに。
肌に刺す、嫌な予感は消えることはなかった。
それどころか、ますます強くなっていく。
「くく、くくく、くははははは!」
瞬間、辺りに響き割ったのは女性の甲高い笑い声だった。
俺はその声を聞いたことがある。
「ま、さか……」
驚愕のあまり、言葉を失う。
けれど何で、そんなはずはない。
彼女は俺が倒したはず。
その場で立ち尽くす俺を見て、這い蹲ったままのクレアスは楽し気に笑う。
「ははは、見たか……もう、手遅れだ、ごほっ。僕たちの、勝ちだ……魔王様の、復活だ!」
煙が晴れ、とうとう彼女が姿を現す。
地に濡れた赤色の長髪、鋭い眼光、二本の黒い角。
見る物全てを恐怖のどん底に突き落とす――異世界で多くの者を不幸にしてきた存在。
――魔王が復活した。
けれど、何故だ。
疑問は幾つかある。
まずは、魔王は俺が異世界で倒したはずなのに、というもの。
もう一つは、どうやって異世界からこちらに来たのか、というものだ。
そんな俺の疑問を知ってか知らずか、魔王は高らかに笑う。
「ふはは、ふはははは! 実に気分がいい! 体の馴染み具合もよいし、さらにこの世界には勇者がおらぬという事実が何より良い! この世界であれば、今度こそ我は魔王として君臨でき……」
不意に、目があった。
俺と魔王が。
瞬間、彼女はその態勢のままだらだらと汗を流す。
直後、魔王は告げる。
「帰ります」
「えっ!?」
「魔王様!?」
突然の帰宅宣言に驚いたのは、アルマとクレアスだった。
「な、何をおっしゃるのですか魔王様! 貴女様のお力を存分に振るい、世界に混沌を生み出してくださいませ!」
「そう思ってたけど無理! 勇者いるじゃん! てか何でいるの!? 勇者、勇者だよ!? 『俺は仲間がいたから、ここまでやってこれた……!』とか言いながらほとんど単独で聖剣振り回しながら魔王城に乗り込んできて四天王と我を一人で倒す化物だよ!? 勝てる訳ない、帰ります!」
「お、お待ちください! 何をおっしゃっているのかはよく分かりませんが、そもそも勇者とは何ですか!? 聖剣とは!? あのようなただの武器が、聖剣だというのですか!?」
「何を言っている! 勇者が持つ武器なのだから、聖剣に決まって……」
そこで再び魔王の動きが止まる。
俺の手に握られているのが、こちらの世界で作ったただの剣であると分かったようだ。
すると態度が急変する。
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