51 / 55
第二部 剣神と呼ばれた男
54 レオノーラ&ティナVSクレアス
しおりを挟む
「ユナ様!」
「ユナ!」
私の力が敵に奪われ絶望に打ちひしがれていたころ、ティナとレオノーラが同時に現れる。
二人とも傷だらけの姿をしているが、体は十分に動くみたいだ。
きっとそれぞれに充てられた敵を倒し、ここにまで来てくれたのだろう。
無事で、よかった……
「いったい何が起きたんだ!?」
「それが……私の力が奪われて、たしか魔王の器にするって」
「魔王の器、ですか?」
私自身、完全には状況を把握できていないため要領を得ない説明になったが、それでも危機的状況だとは伝わったらしい。
二人は顔色を変えて魔族に向き合う。
「ほう、驚いたな。マギサとカテーナが敗北したのか。どんな策を使ったのかは分からないが、仕方ないな。アルマ、魔王様の復活はお前に任せる」
「了解」
クレアスは敵が増えたことにも焦った様子はなく、堂々と立ちはだかる。
「ほう、一人で私たちを相手にするつもりか?」
「随分と余裕なのですね」
レオノーラとティナもまた、自信に満ちた様子だった。
けど、それはクレアスの能力を知らないからだ。
「聞いて、二人とも! その魔族には魔術は通じない。触れたそばから消滅させられるの?」
「消滅だと? どういう理屈でだ?」
「理屈なんてないよ。触れた魔力を消滅させるのが僕の体に刻まれた特異能力。ただそれだけの話さ」
「それは眉唾物ですね。実際に試してみましょうか」
ティナは血に濡れた長髪を靡かせながら、冷たい視線をクレアスに送る。
「氷磔」
が、何も起こらない。
ティナは目を細める。
「おや、何かしようとしたのかい? 無駄だったようだけど」
「内部からならばどうかと思ったのですが、通用しませんか。存外に厄介ですね」
「ならば次は私が行こう」
変わるようにして前に出たのはレオノーラだ。
けれど、彼女もまた魔術を扱い戦う者のはず。
果たして勝ち目なんてあるのだろうか。
「千色砲(キャノン)」
放たれたのは、千の色によって彩られた巨大な光の砲撃だった。
Sランク魔物さえ優に消滅させてしまうであろう一撃だと肌で感じる。
しかしそれが魔力によって生み出された魔術である以上、きっと――
「無駄だって、何度言えば分かるのかな?」
クレアスは手を翳し、衝突に備える。
彼の手が光に触れると、瞬く間に消え去っていく。
しかし、それはレオノーラの用意していた罠だった。
「いや、それは囮だよ」
「――――なっ」
光の砲撃に追随するように駆けていたレオノーラの拳が、攻撃を防ぎ切ったと思い込んでいたクレアスの頬にのめり込む。
人族による物理攻撃は想定していなかったのか、クレアスの体は軽々と吹き飛んでいった。
「まだだ」
レオノーラの攻撃は止まらない。
もはやルークにも匹敵するのではないかと思う練度の身体強化を用い、続けざまに殴打や蹴りを浴びせていく。
このままなら、いける――!
そう確信を抱きかけたその時だった。
「ああ、ムカつくなぁ」
重く、冷たく、苛立ったような声がクレアスの口から洩れる。
これまでの余裕に満ちたそれとは違う。
確かに敵意が感じられるものだった。
ガシッと、クレアスのこめかみ目掛けて放たれたレオノーラの蹴りを、足首を掴むことで止める。
レオノーラは驚愕に目を見開いていた。
「調子に乗るのも、いい加減にしなよ」
「くっ、貴様!」
レオノーラの体が宙を舞う。
クレアスを起点として振り回されたレオノーラは、そのまま力強く地面に叩きつけられる。
体中の骨が粉々になったのではないか。そう思ってしまう程の激しい音が響き渡る。
「どいつもこいつもさ、僕が魔術を消滅させられることを知ったら、バカの一つ覚えみたいに物理攻撃ってさ。対策していないとでも思っていたのか? それなら通用すると考えていたのか? 残念だったね、その程度じゃ僕の敵にすらならないよ」
クレアスは歪んだ笑みを浮かべながら続けていく。
「ああそうさ、僕に敵う存在はこの世で二人だけさ。そのうちの一人が全ての魔を司る魔王様。例え僕の力を以てしても魔王様の魔力を全て掻き消すことはできない、そんな確信があるんだよ、あはは、ようやく会えるんだ! こんな幸せなことはない!」
もはや自分一人の世界に入ってしまったようだ。
彼自身、魔界で耐えがたい経験をしてきたのだろう。
だとしても、そんなこと私たちには関係ない。
魔王の復活を食い止めなければならない。
そう決意を新たに立ち上がろうとした瞬間だった。
地面が――否、遺跡全体が激しく揺れ始める。
それに真っ先に反応したのはクレアスだった。
「ああ、ようやく終わったのかな」
「終わったって、何のこと……?」
「ブラッソが君たちの仲間を殺した音だろう。彼は馬鹿だけど実力は本物だ。僕を上回る二人のうちのもう一人さ。魔族随一の身体能力と、無限にも等しい再生能力の前には残念だがどんな搦め手も通用しなくてね。勝てるとしたら物理戦で圧倒的な力を見せつけるしかないが……レオノーラだったかな? 人間界最強とも言われる君の実力がこの程度じゃ、それが可能な者は魔王様を除いてこの世にはいないだろうね」
それは、普通なら現実を突きつけられるような絶望の言葉。
だけど、私たち三人がそう思うことはなかった。
――だって。
「残念だけど、その見込みは間違ってるよ」
「ええ、最強はお兄様ですから」
「そうだな。やはり貴様はルーク師匠とは違う。あの高みに、私を含めて辿り着いてはいない」
「……何を、言っている?」
知っているから。
誰よりも強い、その存在を。
遺跡の揺れる音に続けて、何かが破壊される音が頭上から聞こえる。
その音は大きくなるとともに徐々に近づいてきて。
そして――――
「悪い、待たせた」
最後の一枚を打ち破り、どうどうと私たちの前に降り立った。
「ルーク!」
思わず、歓喜のままにその名を叫ぶ。
ティナとレオノーラもまた、続けて彼の名を呼ぶ。
クレアスだけが、理解できないとばかりに眉をひそめていた。
「なんだ、お前は……まさか、ブラッソを倒したとでもいうのか?」
「ん? ああ、確かそんな名前だったな。そうだ、この剣で倒してきた」
「……嘘だ、あり得ない! あのブラッソが人族ごときに負けるなど! それもこんな短時間で! アイツは無限に等しい再生能力を持っている! 一度や二度、いや、何十回倒したところですぐに復活するはずだ!」
「……無限、か。随分と安い言葉だな」
「なん……だと?」
ルークは剣を構えながら、クレアスに向けて堂々と告げる。
「ああ、だってたった一万回くらい殺しただけだ。無限には程遠いだろう?」
「いち、まんかい……? この、たった十分足らずで……?」
最早クレアスは言葉を失っていた。
場を支配したルークは一度私たちの方を向いて、小さく微笑んだ。
「さあ、行こう」
それだけで、限りない力が沸き上がる気がした。
「ユナ!」
私の力が敵に奪われ絶望に打ちひしがれていたころ、ティナとレオノーラが同時に現れる。
二人とも傷だらけの姿をしているが、体は十分に動くみたいだ。
きっとそれぞれに充てられた敵を倒し、ここにまで来てくれたのだろう。
無事で、よかった……
「いったい何が起きたんだ!?」
「それが……私の力が奪われて、たしか魔王の器にするって」
「魔王の器、ですか?」
私自身、完全には状況を把握できていないため要領を得ない説明になったが、それでも危機的状況だとは伝わったらしい。
二人は顔色を変えて魔族に向き合う。
「ほう、驚いたな。マギサとカテーナが敗北したのか。どんな策を使ったのかは分からないが、仕方ないな。アルマ、魔王様の復活はお前に任せる」
「了解」
クレアスは敵が増えたことにも焦った様子はなく、堂々と立ちはだかる。
「ほう、一人で私たちを相手にするつもりか?」
「随分と余裕なのですね」
レオノーラとティナもまた、自信に満ちた様子だった。
けど、それはクレアスの能力を知らないからだ。
「聞いて、二人とも! その魔族には魔術は通じない。触れたそばから消滅させられるの?」
「消滅だと? どういう理屈でだ?」
「理屈なんてないよ。触れた魔力を消滅させるのが僕の体に刻まれた特異能力。ただそれだけの話さ」
「それは眉唾物ですね。実際に試してみましょうか」
ティナは血に濡れた長髪を靡かせながら、冷たい視線をクレアスに送る。
「氷磔」
が、何も起こらない。
ティナは目を細める。
「おや、何かしようとしたのかい? 無駄だったようだけど」
「内部からならばどうかと思ったのですが、通用しませんか。存外に厄介ですね」
「ならば次は私が行こう」
変わるようにして前に出たのはレオノーラだ。
けれど、彼女もまた魔術を扱い戦う者のはず。
果たして勝ち目なんてあるのだろうか。
「千色砲(キャノン)」
放たれたのは、千の色によって彩られた巨大な光の砲撃だった。
Sランク魔物さえ優に消滅させてしまうであろう一撃だと肌で感じる。
しかしそれが魔力によって生み出された魔術である以上、きっと――
「無駄だって、何度言えば分かるのかな?」
クレアスは手を翳し、衝突に備える。
彼の手が光に触れると、瞬く間に消え去っていく。
しかし、それはレオノーラの用意していた罠だった。
「いや、それは囮だよ」
「――――なっ」
光の砲撃に追随するように駆けていたレオノーラの拳が、攻撃を防ぎ切ったと思い込んでいたクレアスの頬にのめり込む。
人族による物理攻撃は想定していなかったのか、クレアスの体は軽々と吹き飛んでいった。
「まだだ」
レオノーラの攻撃は止まらない。
もはやルークにも匹敵するのではないかと思う練度の身体強化を用い、続けざまに殴打や蹴りを浴びせていく。
このままなら、いける――!
そう確信を抱きかけたその時だった。
「ああ、ムカつくなぁ」
重く、冷たく、苛立ったような声がクレアスの口から洩れる。
これまでの余裕に満ちたそれとは違う。
確かに敵意が感じられるものだった。
ガシッと、クレアスのこめかみ目掛けて放たれたレオノーラの蹴りを、足首を掴むことで止める。
レオノーラは驚愕に目を見開いていた。
「調子に乗るのも、いい加減にしなよ」
「くっ、貴様!」
レオノーラの体が宙を舞う。
クレアスを起点として振り回されたレオノーラは、そのまま力強く地面に叩きつけられる。
体中の骨が粉々になったのではないか。そう思ってしまう程の激しい音が響き渡る。
「どいつもこいつもさ、僕が魔術を消滅させられることを知ったら、バカの一つ覚えみたいに物理攻撃ってさ。対策していないとでも思っていたのか? それなら通用すると考えていたのか? 残念だったね、その程度じゃ僕の敵にすらならないよ」
クレアスは歪んだ笑みを浮かべながら続けていく。
「ああそうさ、僕に敵う存在はこの世で二人だけさ。そのうちの一人が全ての魔を司る魔王様。例え僕の力を以てしても魔王様の魔力を全て掻き消すことはできない、そんな確信があるんだよ、あはは、ようやく会えるんだ! こんな幸せなことはない!」
もはや自分一人の世界に入ってしまったようだ。
彼自身、魔界で耐えがたい経験をしてきたのだろう。
だとしても、そんなこと私たちには関係ない。
魔王の復活を食い止めなければならない。
そう決意を新たに立ち上がろうとした瞬間だった。
地面が――否、遺跡全体が激しく揺れ始める。
それに真っ先に反応したのはクレアスだった。
「ああ、ようやく終わったのかな」
「終わったって、何のこと……?」
「ブラッソが君たちの仲間を殺した音だろう。彼は馬鹿だけど実力は本物だ。僕を上回る二人のうちのもう一人さ。魔族随一の身体能力と、無限にも等しい再生能力の前には残念だがどんな搦め手も通用しなくてね。勝てるとしたら物理戦で圧倒的な力を見せつけるしかないが……レオノーラだったかな? 人間界最強とも言われる君の実力がこの程度じゃ、それが可能な者は魔王様を除いてこの世にはいないだろうね」
それは、普通なら現実を突きつけられるような絶望の言葉。
だけど、私たち三人がそう思うことはなかった。
――だって。
「残念だけど、その見込みは間違ってるよ」
「ええ、最強はお兄様ですから」
「そうだな。やはり貴様はルーク師匠とは違う。あの高みに、私を含めて辿り着いてはいない」
「……何を、言っている?」
知っているから。
誰よりも強い、その存在を。
遺跡の揺れる音に続けて、何かが破壊される音が頭上から聞こえる。
その音は大きくなるとともに徐々に近づいてきて。
そして――――
「悪い、待たせた」
最後の一枚を打ち破り、どうどうと私たちの前に降り立った。
「ルーク!」
思わず、歓喜のままにその名を叫ぶ。
ティナとレオノーラもまた、続けて彼の名を呼ぶ。
クレアスだけが、理解できないとばかりに眉をひそめていた。
「なんだ、お前は……まさか、ブラッソを倒したとでもいうのか?」
「ん? ああ、確かそんな名前だったな。そうだ、この剣で倒してきた」
「……嘘だ、あり得ない! あのブラッソが人族ごときに負けるなど! それもこんな短時間で! アイツは無限に等しい再生能力を持っている! 一度や二度、いや、何十回倒したところですぐに復活するはずだ!」
「……無限、か。随分と安い言葉だな」
「なん……だと?」
ルークは剣を構えながら、クレアスに向けて堂々と告げる。
「ああ、だってたった一万回くらい殺しただけだ。無限には程遠いだろう?」
「いち、まんかい……? この、たった十分足らずで……?」
最早クレアスは言葉を失っていた。
場を支配したルークは一度私たちの方を向いて、小さく微笑んだ。
「さあ、行こう」
それだけで、限りない力が沸き上がる気がした。
1
あなたにおすすめの小説
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる