9 / 42
家からの追放1
5:断絶
世界から、音が消えた。
激しく降り注ぐ雨音も、遠くで鳴り響く雷鳴も、自分の喉から漏れるか細い嗚咽さえも、もうミミの耳には届かなかった。
ただ、固く閉ざされた扉と、その向こう側から聞こえてきた鍵をかける冷たい金属音だけが、永遠に終わらない悪夢のように、脳内で何度も何度も繰り返される。
退屈だった。
かつて愛した(と、思い込んでいた)男が、最後に投げつけた言葉。
それは、ミミがこれまで捧げてきた献身、愛情、そして彼女の人生そのものを、根こそぎ否定する呪いの言葉だった。
(たいくつ…だった…)
私のいる時間は、退屈。
私の作る料理は、退屈。
私の言葉は、退屈。
私の愛は、退屈。
私という存在そのものが、退屈。
「……あ……ぅ……」
意味のある言葉にならない声が、凍える唇から漏れ落ちる。
どれくらいの時間、そうしていただろうか。降りしきる雨は、ミミの薄い部屋着を通り越し、体温を容赦なく奪っていく。手足の感覚はとうになくなり、全身が氷のように冷え切っていた。
このままここで凍えて死んでしまえたなら、どれだけ楽だろうか。
そう、思った。
しかし、死ぬことさえ、許されない。
ふと、脳裏に、今はもう顔もおぼろげな、幼い頃に亡くなった祖母の言葉が蘇った。
『ミミ。どんなに辛いことがあってもね、命だけは粗末にしちゃいけないよ。生きてさえいれば、いつか必ず、温かい陽の差す日が来るんだからね』
(おばあちゃん…)
温かい陽の差す日、なんて、もう二度と来ない。
私の世界は、もう永遠に、この冷たい雨が降り続く暗闇の中だ。
それでも。
それでも、ここで野垂れ死ぬのは、優しい祖母の思い出まで汚してしまうような気がした。
「……かなきゃ」
どこへ?
行くあてなど、どこにもない。
帰る家も、待っていてくれる人も、もうこの世界のどこにも存在しないのだから。
それでも、ミミは、まるで錆びついたブリキ人形のように、ぎし、ぎし、と音を立てて体を起こした。泥水で汚れた手のひらで、顔を覆う。雨なのか涙なのか、もう分からない雫が、指の間からぽたぽたと滴り落ちた。
震える足で、一歩、また一歩と、覚束ない足取りで歩き出す。
行き先は、決まっていなかった。
ただ、この場所から、幸せだった日々の残骸がこびりついたこの場所から、一刻も早く離れたかった。
夜の闇は、どこまでも深い。
貴族や騎士たちが住む官舎街の豪奢な街灯は、ここではもう届かない。ぬかるんだ道に足を取られ、何度も転びそうになる。そのたびに、どこからか湧いてくる、ほんのわずかな力で、必死に体勢を立て直した。
(そうだ…)
不意に、ミミの心に、一つの場所が思い浮かんだ。
それは、希望と呼ぶにはあまりにもか細く、儚い光。
けれど、今の彼女にとっては、唯一手を伸ばすことのできる、蜘蛛の糸のようなものだった。
実家。
自分が生まれ育った、あの家。
厳格だけれど、本当は優しい父。
心配性で、いつも自分のことを気にかけてくれていた母。
あの二人なら。
血の繋がった両親なら、きっと。
こんな惨めな姿になった娘を、見捨てたりはしないはずだ。
事情を話せば、きっと分かってくれる。
一晩でいい。屋根のある場所で、冷たい雨と風をしのぎ、体を休ませてほしい。
ただ、それだけでよかった。
そのか細い希望だけを道標に、ミミは歩き続けた。
官舎街を抜け、商業地区を通り過ぎ、職人たちが暮らす地区を横切る。
道中、夜警の兵士や、酒場帰りの獣人たちとすれ違った。彼らは皆、ずぶ濡れで泥だらけの、亡霊のようなミミの姿を一瞥すると、気味悪そうに顔を背け、足早に通り過ぎていく。誰も、声をかけてはくれなかった。
今の自分が、誰の目にも、関わるべきではない「何か」に見えているのだと、ミミは痛いほど理解した。
ガロウに言われた罵詈雑言が、繰り返し頭の中でこだまする。
『地味で取り柄のない猫獣人』
『存在そのものが、俺の汚点だ』
イザベラの嘲笑が、耳の奥で鳴り響く。
『思い込みも激しいのね』
『あなたでは不釣り合いだわ』
そのたびに、足が止まりそうになる。
心が、ぽきりと折れてしまいそうになる。
けれど、ミミは奥歯を食いしばり、首を振って、その声を振り払った。
(違う。私は、汚点なんかじゃない。私は、お父様とお母様の大切な娘なんだ)
(家に帰れば、きっと大丈夫。大丈夫なんだから…)
自分に言い聞かせるように、呪文のように、その言葉を心の中で繰り返す。
幼い頃の、温かい思い出が不意に蘇った。
庭の木から落ちて膝を擦りむいた時、血が出るまで自分の指を吸ってくれて、痛いの痛いの飛んでいけ、と唱えてくれた母の優しい笑顔。
初めて一人で裁縫ができた時、ぶっきらぼうな顔をしながらも、「よくやったな」と頭を撫でてくれた、父のごつごつした大きな手のひらの感触。
あの温もりは、本物だったはずだ。
偽りなんかじゃなかったはずだ。
どれくらい歩いただろうか。
降り続いていた雨が、少しずつ小降りになり、東の空が白み始める頃。
ミミは、ようやく見慣れた通りの一角にたどり着いた。
そこには、昔と何も変わらない、彼女が生まれ育った家が、静かに佇んでいた。
こぢんまりとした、石と木でできた、質素だけれど頑丈な家。窓枠に飾られたゼラニウムの鉢植えは、母が丹精込めて育てているものだ。
しかし、かつては世界で一番安心できる場所だったはずの我が家が、今のミミには、まるで乗り越えられない巨大な城壁のように見えた。
家の前にたどり着いた途端、ミミの足は鉛のように重くなり、ぴたりと動かなくなってしまう。
(本当に、入っていいのだろうか)
門の前で、彼女は立ち尽くした。
こんな姿で、どう説明すればいい?
番に捨てられた娘。一族の恥。
そんな娘が、のこのこと戻ってきたら、両親は何と思うだろう。
ガロウ様との結婚が決まった時、あれほど喜んでくれた父の顔。貴族の家にお前を嫁がせることができて、自分は鼻が高いと、親戚中に自慢して回っていた。
その父を、自分は裏切ることになるのではないか。
心臓が、恐怖で早鐘を打つ。
帰りたい。でも、怖い。
帰りたい。でも、顔を見せるのが、怖い。
世界から、音が消えた。
激しく降り注ぐ雨音も、遠くで鳴り響く雷鳴も、自分の喉から漏れるか細い嗚咽さえも、もうミミの耳には届かなかった。
ただ、固く閉ざされた扉と、その向こう側から聞こえてきた鍵をかける冷たい金属音だけが、永遠に終わらない悪夢のように、脳内で何度も何度も繰り返される。
退屈だった。
かつて愛した(と、思い込んでいた)男が、最後に投げつけた言葉。
それは、ミミがこれまで捧げてきた献身、愛情、そして彼女の人生そのものを、根こそぎ否定する呪いの言葉だった。
(たいくつ…だった…)
私のいる時間は、退屈。
私の作る料理は、退屈。
私の言葉は、退屈。
私の愛は、退屈。
私という存在そのものが、退屈。
「……あ……ぅ……」
意味のある言葉にならない声が、凍える唇から漏れ落ちる。
どれくらいの時間、そうしていただろうか。降りしきる雨は、ミミの薄い部屋着を通り越し、体温を容赦なく奪っていく。手足の感覚はとうになくなり、全身が氷のように冷え切っていた。
このままここで凍えて死んでしまえたなら、どれだけ楽だろうか。
そう、思った。
しかし、死ぬことさえ、許されない。
ふと、脳裏に、今はもう顔もおぼろげな、幼い頃に亡くなった祖母の言葉が蘇った。
『ミミ。どんなに辛いことがあってもね、命だけは粗末にしちゃいけないよ。生きてさえいれば、いつか必ず、温かい陽の差す日が来るんだからね』
(おばあちゃん…)
温かい陽の差す日、なんて、もう二度と来ない。
私の世界は、もう永遠に、この冷たい雨が降り続く暗闇の中だ。
それでも。
それでも、ここで野垂れ死ぬのは、優しい祖母の思い出まで汚してしまうような気がした。
「……かなきゃ」
どこへ?
行くあてなど、どこにもない。
帰る家も、待っていてくれる人も、もうこの世界のどこにも存在しないのだから。
それでも、ミミは、まるで錆びついたブリキ人形のように、ぎし、ぎし、と音を立てて体を起こした。泥水で汚れた手のひらで、顔を覆う。雨なのか涙なのか、もう分からない雫が、指の間からぽたぽたと滴り落ちた。
震える足で、一歩、また一歩と、覚束ない足取りで歩き出す。
行き先は、決まっていなかった。
ただ、この場所から、幸せだった日々の残骸がこびりついたこの場所から、一刻も早く離れたかった。
夜の闇は、どこまでも深い。
貴族や騎士たちが住む官舎街の豪奢な街灯は、ここではもう届かない。ぬかるんだ道に足を取られ、何度も転びそうになる。そのたびに、どこからか湧いてくる、ほんのわずかな力で、必死に体勢を立て直した。
(そうだ…)
不意に、ミミの心に、一つの場所が思い浮かんだ。
それは、希望と呼ぶにはあまりにもか細く、儚い光。
けれど、今の彼女にとっては、唯一手を伸ばすことのできる、蜘蛛の糸のようなものだった。
実家。
自分が生まれ育った、あの家。
厳格だけれど、本当は優しい父。
心配性で、いつも自分のことを気にかけてくれていた母。
あの二人なら。
血の繋がった両親なら、きっと。
こんな惨めな姿になった娘を、見捨てたりはしないはずだ。
事情を話せば、きっと分かってくれる。
一晩でいい。屋根のある場所で、冷たい雨と風をしのぎ、体を休ませてほしい。
ただ、それだけでよかった。
そのか細い希望だけを道標に、ミミは歩き続けた。
官舎街を抜け、商業地区を通り過ぎ、職人たちが暮らす地区を横切る。
道中、夜警の兵士や、酒場帰りの獣人たちとすれ違った。彼らは皆、ずぶ濡れで泥だらけの、亡霊のようなミミの姿を一瞥すると、気味悪そうに顔を背け、足早に通り過ぎていく。誰も、声をかけてはくれなかった。
今の自分が、誰の目にも、関わるべきではない「何か」に見えているのだと、ミミは痛いほど理解した。
ガロウに言われた罵詈雑言が、繰り返し頭の中でこだまする。
『地味で取り柄のない猫獣人』
『存在そのものが、俺の汚点だ』
イザベラの嘲笑が、耳の奥で鳴り響く。
『思い込みも激しいのね』
『あなたでは不釣り合いだわ』
そのたびに、足が止まりそうになる。
心が、ぽきりと折れてしまいそうになる。
けれど、ミミは奥歯を食いしばり、首を振って、その声を振り払った。
(違う。私は、汚点なんかじゃない。私は、お父様とお母様の大切な娘なんだ)
(家に帰れば、きっと大丈夫。大丈夫なんだから…)
自分に言い聞かせるように、呪文のように、その言葉を心の中で繰り返す。
幼い頃の、温かい思い出が不意に蘇った。
庭の木から落ちて膝を擦りむいた時、血が出るまで自分の指を吸ってくれて、痛いの痛いの飛んでいけ、と唱えてくれた母の優しい笑顔。
初めて一人で裁縫ができた時、ぶっきらぼうな顔をしながらも、「よくやったな」と頭を撫でてくれた、父のごつごつした大きな手のひらの感触。
あの温もりは、本物だったはずだ。
偽りなんかじゃなかったはずだ。
どれくらい歩いただろうか。
降り続いていた雨が、少しずつ小降りになり、東の空が白み始める頃。
ミミは、ようやく見慣れた通りの一角にたどり着いた。
そこには、昔と何も変わらない、彼女が生まれ育った家が、静かに佇んでいた。
こぢんまりとした、石と木でできた、質素だけれど頑丈な家。窓枠に飾られたゼラニウムの鉢植えは、母が丹精込めて育てているものだ。
しかし、かつては世界で一番安心できる場所だったはずの我が家が、今のミミには、まるで乗り越えられない巨大な城壁のように見えた。
家の前にたどり着いた途端、ミミの足は鉛のように重くなり、ぴたりと動かなくなってしまう。
(本当に、入っていいのだろうか)
門の前で、彼女は立ち尽くした。
こんな姿で、どう説明すればいい?
番に捨てられた娘。一族の恥。
そんな娘が、のこのこと戻ってきたら、両親は何と思うだろう。
ガロウ様との結婚が決まった時、あれほど喜んでくれた父の顔。貴族の家にお前を嫁がせることができて、自分は鼻が高いと、親戚中に自慢して回っていた。
その父を、自分は裏切ることになるのではないか。
心臓が、恐怖で早鐘を打つ。
帰りたい。でも、怖い。
帰りたい。でも、顔を見せるのが、怖い。
あなたにおすすめの小説
竜帝は番に愛を乞う
浅海 景
恋愛
祖母譲りの容姿で両親から疎まれている男爵令嬢のルー。自分とは対照的に溺愛される妹のメリナは周囲からも可愛がられ、狼族の番として見初められたことからますます我儘に振舞うようになった。そんなメリナの我儘を受け止めつつ使用人のように働き、学校では妹を虐げる意地悪な姉として周囲から虐げられる。無力感と諦めを抱きながら淡々と日々を過ごしていたルーは、ある晩突然現れた男性から番であることを告げられる。しかも彼は獣族のみならず世界の王と呼ばれる竜帝アレクシスだった。誰かに愛されるはずがないと信じ込む男爵令嬢と番と出会い愛を知った竜帝の物語。
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
この度、青帝陛下の運命の番に選ばれまして
四馬㋟
恋愛
蓬莱国(ほうらいこく)を治める青帝(せいてい)は人ならざるもの、人の形をした神獣――青龍である。ゆえに不老不死で、お世継ぎを作る必要もない。それなのに私は青帝の妻にされ、后となった。望まれない后だった私は、民の反乱に乗して後宮から逃げ出そうとしたものの、夫に捕まり、殺されてしまう。と思ったら時が遡り、夫に出会う前の、四年前の自分に戻っていた。今度は間違えない、と決意した矢先、再び番(つがい)として宮城に連れ戻されてしまう。けれど状況は以前と変わっていて……。
わたしさえいなければ、完璧な王太子だそうです。
ふらり
恋愛
人並外れた美貌・頭脳・スタイル・武勇を持つウィンダリア王国の25歳の王太子は、完璧な王太子だと言われていた。ただし、「婚約者さえいなければ完璧な王太子なのに」と皆が言う。12歳の婚約者、ヴァイオレット・オルトニーは周囲から憐みの目を向けられていた。
「私との婚約は、契約で仕方なくなのかい? もう私に飽きてしまっている? 私は今でも君にこんなに夢中なのに」
13歳年下の婚約者少女に執着溺愛する美貌も能力も人間離れした王太子様と、振り回される周囲のお話です。小説家になろうにて完結しております。少しずつこちらにもあげていくつもりです。ファンタジー要素はちょっぴりです。
救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」
魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。
――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。
「ここ……どこ?」
現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。
救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。
「ほら、食え」
「……いいの?」
焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。
行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。
旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。
「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」
「ウチの子は天才か!?」
ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。
これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。
※若干の百合風味を含みます。
【完結】身勝手な旦那様と離縁したら、異国で我が子と幸せになれました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
腹を痛めて産んだ子を蔑ろにする身勝手な旦那様、離縁してくださいませ!
完璧な人生だと思っていた。優しい夫、大切にしてくれる義父母……待望の跡取り息子を産んだ私は、彼らの仕打ちに打ちのめされた。腹を痛めて産んだ我が子を取り戻すため、バレンティナは離縁を選ぶ。復讐する気のなかった彼女だが、新しく出会った隣国貴族に一目惚れで口説かれる。身勝手な元婚家は、嘘がバレて自業自得で没落していった。
崩壊する幸せ⇒異国での出会い⇒ハッピーエンド
元婚家の自業自得ざまぁ有りです。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/07……アルファポリス、女性向けHOT4位
2022/10/05……カクヨム、恋愛週間13位
2022/10/04……小説家になろう、恋愛日間63位
2022/09/30……エブリスタ、トレンド恋愛19位
2022/09/28……連載開始
悪女は愛より老後を望む
きゃる
恋愛
――悪女の夢は、縁側でひなたぼっこをしながらお茶をすすること!
もう何度目だろう? いろんな国や時代に転生を繰り返す私は、今は伯爵令嬢のミレディアとして生きている。でも、どの世界にいてもいつも若いうちに亡くなってしまって、老後がおくれない。その理由は、一番初めの人生のせいだ。貧乏だった私は、言葉巧みに何人もの男性を騙していた。たぶんその中の一人……もしくは全員の恨みを買ったため、転生を続けているんだと思う。生まれ変わっても心からの愛を告げられると、その夜に心臓が止まってしまうのがお約束。
だから私は今度こそ、恋愛とは縁のない生活をしようと心に決めていた。行き遅れまであと一年! 領地の片隅で、隠居生活をするのもいいわね?
そう考えて屋敷に引きこもっていたのに、ある日双子の王子の誕生を祝う舞踏会の招待状が届く。参加が義務付けられているけれど、地味な姿で壁に貼り付いているから……大丈夫よね?
*小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
病弱設定されているようです
との
恋愛
『あのようにご立派な家門にお産まれになられたのに⋯⋯お可哀想なご令嬢だそうですのよ』
なんて噂が流れているけれど、誰も会ったことがないミリー・ミッドランド侯爵令嬢。
ネグレクトなんて言葉はない時代に生まれ落ちて、前世の記憶を取り戻したら⋯⋯。
前世の記憶と共に無双します!
再開しました。完結まで続投です。
ーーーーーー
恋愛小説大賞27位、ありがとうございました(感謝)
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定。
完結確定、R15は念の為・・