異世界における英雄とアヴェンジャーのあり方は。

朱音めあ

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3章

再会 02

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「それで本題だけど。兵士である貴方が、反乱者である私に何の話があるの?」

 警戒は解いたと言ったものの、雪妃の口調には未だに緊張感がある。

「それは、雪妃さんが本当に反乱者なのか、どうしてあの殺人犯と一緒にいたのか、ちゃんと話がしたかったから」

「・・・そういうことね」

 雪妃は一度間を空けて、近くに置かれていた椅子に腰かけた。

「あの異界人が私を助けてくれたのは偶然よ。彼が反乱者だという話は聞いていたけど、会ったのはあれが初めて」 

 でも、と雪妃は話を続ける。

「私が反乱者なのは間違いない。言い逃れするつもりもないわ」 

「・・・そっか。そうだよね、これだけ僕の事を警戒しているんだから当然か」
 

「それで、聞きたいことはそれだけ?」

 突き放す様な冷たい態度の雪妃だが、コハクは怯むことなく口を開く。

「雪妃さんはこのまま反乱者として生きていくつもりなのか、前みたいにカノールさんの店とか、あのバイトしていた店とかには顔を出さないのかなと思って」


「そうね、私は・・・そのうち、戻るよ」

 雪妃は、重い息を吐きながら天井を眺める。 

「今は軍の警戒が強いから、無暗に外に顔出したくないだけ。だから、また落ち着いたら戻るよ」

「そっか、良かった。今は軍も反乱者をどうにかしようと必死になってるからね。
それともう一つ。重要な話があるんだけど」

「重要な話?」

 喉が詰まりそうになりながら、コハクはその言葉を吐き出す。 


「近いうち、この街の反乱者たちを討伐する作戦が起きる」

 それを聞いて、今まで冷静だった雪妃が、驚いた表情を見せる。

「ちょっと待って。それって、私に言ったらダメな話じゃない? 貴方が今していることは、軍を裏切っている事だと思うけど?」

「知り合いが殺されるかもしれないのに、ただ黙っているなんて僕には出来ない。僕は雪妃さんには無事でいて欲しいから、だから・・・その」

 言葉に詰まりながら、コハクは話を続ける。


「僕と一緒に来て欲しいんだ」
 
「えっ?」

 それを聞いて、雪妃は更に驚いた表情を浮かべた。

「軍には引き渡さない。僕が雪妃さんの安全を確保する。僕が雪妃さんを守るから」   

 雪妃は、数回程ぱちぱちと瞬きをして、そして、くすりと笑った。

「・・・ふふ。なんか、告白みたい」

「え、いやっ、別に、告白なんて訳ではっ・・・!」

「え、違うの? 今のは完全に告白だよ」

 コハクは真面目に話をしているつもりだったのだが、しかし雪妃は面白そうに笑顔を浮かべていた。


「と、とにかく。さっき言ったことは本気だよ。一緒に来てくれれば、安全は確保できるから」

「・・・うん、ありがとう。そんな事考えていてくれたなんて、凄く嬉しい」

 けど、と雪妃はコハクから目を逸らしながら、呟いた。


「ごめん。私、コハクと一緒には行けない」


「・・・そっか」

 それを聞いて、コハクは全身から力が抜けるのを感じた。


 そうして二人の間には、しばらく沈黙が流れる。

 二人とも、どうやって話を切り出そうか悩んでいる様である


「あのさ。私もコハクに話たい事がある」

 先に口を開いたのは雪妃であった。 
 

「私の、昔の話なんだけど」
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