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第2話
しおりを挟む鷹華が「彼」と知り合ったのは、つい数日前の話である。
日直であった鷹華が先生に頼まれてプリントを運ぼうとした時、近くにいた「彼」がプリント運びを手伝ってくれたのだ。
とはえいえ知り合ったとは言っても、その時に簡単な会話を交わした程度ではあるが。
「あっ」
早足で廊下を進んでいた鷹華が、突然脚を止める。
目の前から、1人の男子生徒が向かってくるのが見える。
あまり派手で目立つ方ではないが、整った顔立ちの男子生徒。
それが、鷹華の探している「矢能泰臣」という少年である。
なんとタイミングが良いのだろうかと、鷹華は密かに喜んだ。
実を言えば鷹華は別に、矢能泰臣に対して恋に落ちた訳ではない。
プリント運びを手伝ってもらった際に「恋をするなら、こんな男性が良いのかもしれない」と思っただけである。
故に、鷹華は連絡先を聞き出すことに躊躇は無かった。
なのだが。
「・・・っ?」
一度相手を意識してしまったせいか、鷹華は矢能泰臣の姿を見た瞬間、胸がどきりと跳ねるのを感じた。
・・・なるほどこれが恋か。と思い、鷹華はくすりと笑う。
そして鷹華は「よし」と勢い付けると、矢能泰臣へと向かっていく。
「こんにちは、矢能さん」
鷹華は普段と通りの気品ある様子で挨拶を交わす。
出だしは順調だと、鷹華は自分を褒めた。
「ん、こんにちは鷹華さん。珍しいねそっちから話しかけてくれるなんて」
「はい。少しお話したい事がありまして。その、メールアドレスを交換しませんか?」
「メアド? 良いよ良いよ! それじゃあーーー」
そうして、2人はスマートフォンを取り出し連絡先の交換を始めた。
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