恋愛無知なお嬢様と、世話好き少女の初恋ばなし。

朱音めあ

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第5話

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 大型ショッピングモールにて。

 買い物を終えた鷹華と早瀬の2人は、休憩にと大きな観葉植物の傍に置かれたベンチに座り、流れる人の波を眺めていた。

「・・・ごめんなさい。掃除だけでなく買出しまで付き合っていただいて」

「何、気にしないでよ。私も貴女と一緒に買い物出来て嬉し・・・ごほん」

 つい本音が漏れてしまい、早瀬は慌てて咳払いで誤魔化した。

「ところで、鷹華? 矢能とのメールはどうなの?」
 
「メールですか? ふふ。異性の方とメールのやり取りをするのはなんだか緊張しますが、楽しいですよ。矢能さん、とても丁寧な文章を送ってくれるんです」

 鷹華は照れながらも嬉しそうな表情を浮かべた。
 それはまさしく恋する乙女といった顔である。  

「へぇ、そうなんだ。良い感じに恋愛してるのね」

 早瀬は「まぁ、男子の前でそんな可愛い表情浮かべながらお話すれば、一発で落とせるだろうけど」などと心の中で愚痴を漏らした。

「それじゃあ、お菓子作りもがんばらなきゃいけないわね。お菓子のプレゼントなんてベタな恋愛話だけど、なんか面白そうだわ」

「はい。しっかり作り方を覚えま・・・・・・」


 突然、話の途中で鷹華の口がピタリと止まった。

「ん? どしたの、鷹華?」
  
 早瀬が尋ねるが、鷹華からの返事はない。

 鷹華の視線はじっと一点に集中している様であった。     
 
「鷹華? 何かあった?」

 早瀬は鷹華の視線の先を追う。 

 するとそこには。

 
 見知らぬ女子と手を繋いで歩く、矢能泰臣の姿があった。
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